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尋常じゃないくらい間があいて申し訳ありませんでした。許してくださいなんでもしますかr(
鉄は手から滑り落ちた大剣を素早く拾い上げようとするが柄を右足で踏みつけて阻止する、獲物の回収に失敗したが、即座に体術に切り替え鋭い拳が飛んでくる。
首を傾けるだけで回避し、左手の短剣を離したあと首のすぐ隣を抜けていった腕を掴み取ると全身を使って絡めとるように関節を決める。
地面に伏した後もそのガタイのいい体格を活かして抵抗するが首筋に残った短刀を突き付けるとやがて大人しくなった。
「くそっ」
鉄が苦しそうに呻くが関節技は緩めない。
「クロガネさんっ!」
魔法の詠唱に入ったルルエルが杖を向けてくるが、首筋に添えた刃を少し動かすと、渦巻いていていた魔法の奔流は霧散して消えていった。
「テメェ、なんで俺の名前を知ってやがる、今まで戦った奴らの仲間か」
「落ち着きなよ、私に鉄を殺すつもりは無いよ」
取り敢えそう声をかけるが、片眼だけで睨みつける眼光は敵意丸出しだ。
「気安く呼ぶんじゃねぇよ、テメェなにもんだ」
生死を握られた状態でこの強気の態度は流石だ、変わっていない友人の姿に、無意識に頬が緩んでしまう。
どう説明したらいいか悩むが、一瞬考えてから口を開く。
「私…俺だよ、レイナールだ。」
久々の俺口調に違和感を感じている自分にゲンナリするがそれを頭の端っこに追いやって反応を待つ。
「はっ、ありえねぇ。どこでその名を聞いたのか知らねぇがレイナールは男だ、テメェのはずがねぇ」
「この世界に来た時アバターが女性なら性別も変わるでしょ?」
「1ついい事教えてやる、この世界に来る時、リアルと性別が逆だった場合リアルの性別に合わせて外見が変わる、能力はそのままにな。そう言う奴を何人も見てきた、間違いねぇ」
「と言われても…事実私は今こうなっているわけで…」
「まだ言うか、仮に別のアバターだったとしてもレイナールはアサシンのアバターは持っていなかったはずだ」
「スカウト」
「あ゛?」
「アサシンじゃなくてスカウト、名前は夜乃、鉄は知ってるはずでしょ?ネタで作ったサブキャラ」
「おい、マジかよ…」
半信半疑という感じではあるが、抵抗していた力がだっくりと抜けたのを確認すると拘束を外す。
「久しぶり、二人とも」
そうして私はこの日一番の笑顔を二人に向けた。




