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忙しくてまた短いです‥‥
相手との距離をゆっくりとした足取りで縮めていく間に、辺りに立ち込めていた砂埃が晴れていく。
既に先程まで敵を蹂躙していた土の人形は跡形もなく崩れ、ただの土塊になっている、しかしそこに立っている人影は一つのみ、青と黒の精巧な作りの鎧を着込み、背の丈程もある棒のような物を構えた男は、表情を強ばらせてはいるが、しっかりとこちらを見据えている。
「おい、なんの冗談だよこれはよぉ!てめぇ何しやがった!」
唾を撒き散らしながら怒鳴っている男は、全身をガタガタと震わせながらも怒りを顕にしている。
「黙れ雑魚、あんたに用は無いし、知ってること全部吐いて死ね」
めちゃくちゃに棒、正しくは棍を振り回しながら喚き散らす男に嫌悪感を抱くが、我慢して声を掛けると、右手でパチンと音を鳴らす。
すると、すぐ目の前の土が再び盛り上がり、人型を作る、しかし今度はのっぺりとした人形ではなく、精巧で大きく、そして右手にはこれも土で出来た巨大な剣を握っている。
「上級泥人形、あんたにはこれで十分だし」
「な、舐めやがって!同じプレイヤーなら能力は互角、いや、近接型の俺の方が純粋な戦闘能力は上なんだよォォ!」
男は大きく棍を横に薙ぐ用に人形に打ち込む、一撃で粉砕するつもりなのか、既に血走った男の目は真っ直ぐにこちらを睨みつけている。
その顔が勝ちを確信したのか、引き攣るように笑みを浮かべると、次の瞬間ぶれる様に視界から消える。
「あーぁ、やりすぎだし」
先程男が立っていた場所には先程男に棍を打ち込まれた人形が、右手の剣を振り切った状態で止まっており、左手には半ばからへし折れた棍を握っている。
土の剣に切れ味が無いとはいえ、巨大な質量の塊に跳ね飛ばされた男は地面をバウンドしながら凄まじい勢いで吹き飛び、砂を引き摺りながら止まるが、左腕と首はあらぬ方向へ曲がっている。
「文字通りレベルが違うし、能力も、それを使った限界もね。」
仮にもあれだけ大勢を纏めていたのだ、そこそこの地位には居たのだろうが情報は全く聞き出せなかった、勿体無い事をしたが死んでしまった以上は仕方がない。
それよりも、進行してきた軍勢は殲滅した、これで夜乃に頼まれた街を守るというお願いも達成したようなものだろう、何人か元プレイヤーが潜んでいるかも知れないが知った事でなはい、それよりも夜乃と合流する方が大事だ。
取り敢えず夜乃が飛び回っているであろう森に入る事にして、街に背を向けて足早に森へ向かう。
多忙のため7/13月曜更新は×
なるべく早く更新します(A;´・ω・)アセアセ




