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「取り敢えず、なにかしようって感じでも無さそうだし、話だけは聞いてあげる、一応あたし達はあんたらの街に住み着いてるワケだしね」
武装を降ろした後、アルティナと名乗った銀髪の彼女は近くにある家の柱に寄りかかると早く続きを話せと言わんばかりに睨んでくる。
席を立っていた黒髪の少女は再び席に座り直しており、真っ直ぐにこちらを見つめている。
二人分の視線を受けて握った手にじっとりと汗が滲むが服で軽く拭って深呼吸するとここに来た目的を話すために話始める。
「私はルーチェと申します、今回ここへ来たのはあるお願いをしに来ました。実は最近街の外が騒がしいんです、動物達も見かけなくなりました、それで街では不安が広まっているです。」
「そう?私は何も感じないけど、至っていつも道理だし。」
「あなた達が普段潜ってる森は貴重な植物が採れる分危険です、私達ですら近づきませんよ…」
「ふーん、それで?なんでわざわざ私達の所に、そんなに不安なら勝手に調べるなりなんだりすればいいし」
「ティナ」
明らかに苛立った様子で睨み付けてくるアルティナに気圧され、しどろもどろになっていると高い鈴の音のような声が間に入る。
「落ち着きなよ」
「っ…ごめん夜乃。あんたも、悪かったし」
先程までとは別人のようなアルティナの振る舞いにルーチェは驚きながらも続きを話す。
「い、いえ、こちらも勝手な事を言っている事は重々承知です、私達と貴方方は決していい関係とは言えませんから。」
「それでも私達を頼って来たって事はそれなりの理由があるんですよね、話して貰えますか?」
少女は胸の辺りまで伸びた艶のある黒髪を後ろに払うとにっこりと笑う
「アルティナさんと、えと、ヨルノさん…は私達、街の自衛団全員を簡単に打ち倒しましたよね」
「あれはあんた達が襲ってくるから反撃しただけだし」
「そ、そのことではないんです!返り討ちにあったのは仕方の無いことですから…」
「あの、お二人はこの街の近くにもある突然地表に現れた巨大な塔と、それを守るように展開し、武装した人間の軍隊の噂ってご存知ですか?」
言い切って、二人の反応を伺おうとヨルノへ目を向け、そこでルーチェは背筋が凍るような衝撃を受ける。
そこにあったのは、明るい笑顔を浮かべる先程の少女と同一人物であるかを疑ってしまうような、無表情。
「あ、あの」
「その話、詳しく聞かせて貰えますか?」
冷たい声を発した彼女の双眸は、まるで不気味な夜の闇のように濁っており、ルーチェは自分の顔が青くなるのをはっきりと感じた。




