28
更新遅れました(・_・、)
そして短い…拙い…
冷たい、そう確かに感じている筈なのに感覚があるのかすら怪しいほどに指先1つ動かす事もできない。
そうか、自分はあの時後ろから斬られたのか、と妙に冷静な頭で自分の状況を判断してしまう。
辛うじて見えている景色も薄暗くなり、鮮明な部分までもが急激にぼやけていく、視界の中で動いているのは二人の人影か、大きい方、男の影から放たれたているのは懐かしい光だ、一度だけ見たことがある、私達が、私達のためにこの途方も無い計画に踏み込む事ができた最大の理由だ。
自分は切り捨てられたのか、不思議と悲しみは無いが、怒りと悔しさがこみ上げてくる、その間にも光は強くなり、男の影には力がこもるのがわかる。
体を動かそうとすると背中に焼けるように鋭い痛みと共に感覚が蘇ってくる。
意識が飛びそうになるのを唇を噛み、血がでそうなほどに頬を地面に押し付けて堪え、辛うじて片腕を動かすと男の影ではなく、それに対峙している小さな影に向かって真っ直ぐに伸ばす。
叫ぼうとするが思うように声が出せず、掠れるような小声で言葉を紡いでいく、この世界に来てから、意図せず頭に浮かんできた言葉だ。
最後の一文をゆっくりと、一息で終えると体の中から何か抜けるような感覚と共に見えない何かが地面を伝わって小さな影の方に向かっていく、持ち上げていた片腕が力なく地面に落ちるのを眺めてから、未だに背を向け続けている男の影に向かって、薄く笑ってみせた。




