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プロローグ


王族は絶対者であり、もし彼の者をあやめるようなことをした場合、その者は罪人であり、人であるとは到底理解できない。

よってその者は悪魔と呼ぶに等しい。


「億万の命が……悲鳴となって私のもとへ……」


女王は体を震わせ、瞳は割れそうなほど脆く見えた。

俺は言った。


「ざまぁみろ」


抑揚の無い声で、言ってやった。そしたら案の定、俺に罵声と暴力が降りかかってきた。いつもの事。そう、いつもの……。




この世界に国はたったの5つ。東・西・南・北、そして真。全ての国が独立していて特別に接点などは無い。

そして俺がいるのは北の国。もっと正確に言えば、この国の女王がいくつも持っている建物のうちの一つで、女王がいつでも気まぐれに来れるぐらいの距離にある屋敷だ。

今日も女王はここへ来る。本当によく飽きない女だ。


「あなたは人じゃない。意味、わかるかしら?」


何とも醜い笑顔で女王は俺に言う。そして殴る。俺は両手両足に手錠をかけられているからうまく身動きが取れない。何より数日間食事を取っていないので抵抗したり防御したりという事もままならず、ただされるがままだ。


「可哀相になぁ……」

「何ですって?」


クククッ、と笑った俺だがイカれたんじゃない。多分、俺なりの抵抗だ。


「一体何なの!?この汚らわしい悪魔が!!」


女王は愛用の鉄パイプで俺の頭を思い切り殴った。自分の血で俺の視界はぼんやりとした。


「悪魔、か。そうだな。だがな、女王さん。はっきりいって今のこの状況、どう見たって女王さんが悪魔だぜ?」


俺の言葉に女王は顔から血が引いたように青ざめ、鉄パイプをボトン、と血のにじんだ絨毯に落としてこの部屋を去った。


悪魔は人の皮をかぶっているので見分けがつかない。よって悪魔には額に逆さにした炎の印を焼き付ける。

これは業火を意味する。


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