#76 追加のイベント観戦
みなさんこんにちは!アオです!
「ゲーム廃人から始まる恋物語2~NEX GAME~」をどうぞ!
見ごたえのあるイベントバトルを見終わった俺たちは見慣れた
景色へと戻ってきた。少しの緊張を持ちながら生唾を飲み込む。
あお「すごかったね.......あの様子だとフィールドの効果が敵にも
効いていたってことだよね?」
俺「はい、そうだと思いますよ。でないとあんなギリギリではなかったので」
あお「そうだよね........でもあの設定を変えてしまうビームが一番
やばいんじゃないかな?」
俺「俺もそう思います。あれ一つだけで全ての作戦が狂うのでやばいですね......」
正直、あんな技を持ってくる運営が一番おかしい気がする。
しかしそんな弱音をぐちぐち言ってはいられない。
あお「えっと........ゆうさんの予約時間までもう少しあるからもう一戦だけ
イベントバトルの観戦をしておく?」
俺「.......そうですね。もしもの場合も考えて作戦を立てておきたいので」
あおさんがきみさんたちを見るときみさんたちはうなずいた。
あお「じゃあ今から始まるこの試合に観戦予約をしておいたから」
あおさんがそう言った数秒後、試合が始まるようで俺たちはまた
あの空間へ飛ばされた。向こうについてから周りを見渡すと先ほどと
同じくらいの冒険者が観戦しているのがわかった。
俺「俺のときもこのくらいの人が見ている可能性があるのか.......」
そう考えるだけで不安が和らぐのか増すのかよくわからない。
あお「まあ、今はそんなことを考えずにしっかりと見て学ぼ!」
あおさんが明るい声でそう言う。やっぱり仲間って良いものだな.......
冒険者「ポイズンフィールドを展開!」
母数が少ないのでなんとも言えないが、もしかしたら挑戦者には
それぞれフィールド関係の何かの呪文を持っている人が多いのかもしれない。
今回の場合は相手を毒状態にするポイズンフィールドだ。
あまいろ「皆さんフィールドを変える何かを持っているんですね」
運営「......標的を設定しました。ただいまより攻撃を開始いたします」
こちらの敵もどうやらロボットのような感じらしい。
冒険者「爆裂拳!!」
どうやらこの冒険者は与えられた攻撃が呪文ではなく技の方のようだ。
しかもかなりガタイが良いのでダメージが期待できる。
冒険者が運営に向かって数発と殴っていく。鈍い金属音をたてながら
拳が運営の体にあたっていることがわかる。
すると観戦者の方から"お~"という声が沸き上がった。おそらく
誰もがダメージ数が高いことをその場面で悟ったからだろう。
しかし現実はそう甘くはなかった。すぐに運営のターンになりヒールが
繰り出される。そしてさらにヒールが連発。チート級の強さを誇っている。
周りからは"反則だろ!"などの運営を非難するような声が上がる。
そりゃあそうだろう。俺も周りの人と同意見だ。冒険者の方に目を向けると
一瞬表情が険しくなったが「まだまだ」と言って再び爆裂拳を繰り出す。
またもや鈍い金属音が聞こえる。すると運営は動きを変えてきた。
運営「設定変更ビーム!」
前回みた個体よりもはるかに速いスピードでビームが発射される。
もちろん冒険者が避けれるはずもなく命中してしまう。
周りにいる一部の冒険者はそのビームの効果を知っているようでうなだれていた。
冒険者「ただのダメージを受けるビームじゃないか。ヒール!」
しかし戦っている冒険者はどうやら効果を知らないようで再び攻撃を仕掛ける。
だが設定変更を受けているせいで爆裂拳は鈍い金属音すらならなくなっていた。
冒険者「なにっ!?さっきまでの攻撃性能がなくなった!?」
何が何だかわからなくなった冒険者が焦るのが目に映る。
運営「...............ップ」
運営がぽつりと小さな声で何かを言ったようだ。しかし俺たちはおろか
戦っている冒険者も聞き取ることができなかったようだ。
おそらく何かの呪文詠唱のはずだが、周りには何も変化が起きていない。
冒険者「?とりあえず攻撃方法をシフトチェンジ!ダブル斬り!」
冒険者が放つダブル斬りは一発鈍い音をたてて確実に敵にダメージを与えていた。
二発目はただただはじかれただけらしい。これでなんとかなるかも!と思ったが
次の瞬間運営の体の腹の部分が突然空いて中からネットが飛び出してきた。
避けようとする冒険者だがネットが飛んでくるスピードの方が速く
ぐるぐる巻きにされてしまう冒険者。
あお「もしかしてさっき運営がぽつりと小さな声で言った何かってこのトラップ
魔法のことじゃない?ほら、最後の方で"プ"って聞こえたから」
あおさんの仮説が本当ならばとても小さな声で詠唱すればやばくなるのでは.......
しかしその答えを知るすべはなかったのだ。
ぐるぐる巻きにされた冒険者は攻撃すらもできず一方的にダメージを
受けてしまいやられてしまっていた........その場にいた全員が声を発さずにこの
空間から退出していく。俺も恐怖と不安の気持ちを持ちながら退出するのだった。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




