#30 冒険者たち
みなさんこんにちは!アオです!
「ゲーム廃人から始まる恋物語2~NEX GAME~」をどうぞ!
さて何時間にも及ぶ移動がついに終わりを迎えようとしていた。
あお「あれって村じゃない!?」
俺「そうですね。そろそろ到着するはずなので間違いありません。」
俺たちはそう言って最後の気力を振り絞って足を進める。
もう何時間も歩いていたせいで足は棒になっていた。
村の中に入ると家が十数軒あるだけで人というか冒険者の人たちは家の
中にいるようだ。とりあえずひときわ大きな家に行ってみることにした。
俺「すみません。」
俺がそう言いながドアをノックするとすぐにドアが開く。中から出てきたのは
少し老いた人だった。しかしその見た目に反して声が良い。
?「おや、この時間に何か用ですかね?それにここら辺で見ない顔ですね。」
俺「いきなりすいません。隣町から来た者です。ここにたくさんの冒険者の
人たちがいると聞いて来ました。」
村長「おお、そういうことか。全然人が来ないからな。私はこの村を治める
村長だ。まあそこまでなことはしていないがな。」
俺「そうなんですね。村長さんも冒険者なんですか?」
村長「ああ、その通りだ。十数年前にいきなりこちらの世界に来てな。
その当時からずっと冒険者をしているのじゃよ。」
俺「十数年!?」
村長「私の場合は少し特殊で事故に巻き込まれて"異世界転生"をしたのじゃよ。」
俺「そうなんですね。俺たちは一か月前くらいにいきなり連れ去られて
こちらの世界にやってきました。」
村長「ここにいる冒険者たちの半分くらいがあんたたちと同じじゃよ。」
あお「やっぱりそうなんですね。」
俺たちの予想はどうやら当たっていたようだ。
村長「とは言ったものの時間も時間じゃし、翌日合わせることにしよう。
今夜はこの家に泊まっていきなさい。」
俺「はい、そうします。ありがとうございます。」
村長「なに、困ったときはお互い様じゃよ。」
村長さんのやさしさだけでこの村の人全員がやさしいことがなんとなくわかった。
そうして俺たちは村長さんの家?に入る。
あお「ここって村長さんの家なんですか?」
村長「まあ、家って言ったら家だが村役場も兼ねているよ。そして数部屋だが
空き部屋があるから来賓が来ても大丈夫のようになっている。」
そして村長さんから部屋の鍵をもらって俺たちは指定された部屋に入る。
村長さんの親切心によって俺たちはこの家で一晩を過ごしてのだった。
翌日、久しぶりに冒険者の集い以外で寝ることができて良い朝を迎えた。
あお「おはよう、昨日はよく寝れた?」
俺「おはようございます。はい、歩いてきた疲れがすっかり取れましたよ。」
村長「おはよう、朝食もこちらで作るからその机に座っておくれ。」
あお「わかりました。ありがとうございます。」
というかここまでされると逆に申し訳なくなってしまう。
村長「じゃが、久しぶりにこの村に人が来たの~。」
あお「前にも来た人がいるんですか?」
村長「まあ前というか、昨日話したあなたたちと同じ異世界転生をした人
たちは一か月前くらいに集団できたくらいじゃよ。」
俺「へぇ~、そんなことがあったんですね。」
つまりその人たちは一斉に同じ場所に転生させられたのか。
そして俺たちは朝食を済ませて村長さんに促されるままについていく。
村には全部で20軒近くの家が建っている。まあまあ多いと思うがこれでも
村だそうだ。ちなみにこの家は基本やってきた者同士で作ったという。
俺たちは挨拶周りに行き始めた。村長さんもいるので安心して皆さん
ドアを開けてくれる。数人出かけているようでいなかった。
どうやら出かけている人たちは朝早くから冒険に出かけているらしい。
そして小一時間程度で全ての家を回ることができた。とは言ったものの
俺たちが期待していたゆうさんやあまいろさんには会えなかったのだが。
あおさんはゆうさんたちのことを村長さんに話してここに来ていたか聞いたが
どうやらそもそもでそんな人を見たことがないという。
そうなってしまっては仕方がない。とりあえず今日からはここを拠点とするか。
俺「そういえばまだこの村の名前を聞いていなかったのですが......」
村長「この村は"カインドタウン"じゃよ。」
カインドタウン......直訳で優しい村だ。まさにこの村にぴったりの名前だな。
あお「話は変わりますがこの村すごいですね。
ほぼ全てが自分たちで作られたなんて」
村長「そうだな。昔私は大工として仕事をしていてそれを活かしてというもの
あるがそれでもやってきた人たちが本当にすごくてな。」
あお「やっぱりそうなんですね。協力ってすごいですね。」
村長「ああ、そうなんじゃよ.......」
少し村長さんの表情に曇りが見えた。
俺「?どうしたんですか?」
村長「いや、なんでもないよ。それよりあなたたちも少し外に出て冒険してみては
どうかね?道中でも見たかもしれないが珍しい敵がいるぞ。」
俺「確かにそうですね。じゃああおさん行きましょうか。」
あお「了解!」
俺たちはそう言ってこの村から出ていった。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




