#12 町の探索
みなさんこんにちは!アオです!
「ゲーム廃人から始まる恋物語2~NEX GAME~」をどうぞ!
ちりんちりん。武器屋の扉を開くと鐘の音が店内に響き渡る。
それくらいみんなが静かでいきをするのもやっとくらいだ。
店内には数人の冒険者らしき人が。そしてカウンターの方ではまるで
喫茶店のマスターのような雰囲気を醸し出している人がいる。
おそらくこの店の店長さんなんだろう。年は現実世界で70くらい
だろうか。かなり年季が入っている店だ。それだけあって
昔から多くの冒険者に愛されているのだろう。その証拠に店には
昔の新聞のようなものに映っているのは冒険者パーティー一行。
ゆくゆくは俺たちもこんな感じになるのだろうか。そんな少し先の
未来を見据えながら俺は店舗を見て回る。この店の武器はかなり種類が豊富で
値段もピンキリだ。とりあえず今は見ているだけだからそこはあまり
気にしないようにしていたが、ある武器の目の前で俺の足は止まった。
なんと金貨1000枚。現実世界での値段に直せないがとてつもなく高いのだろう。
武器である剣はショーケースに包み込まれるように入っていた。
俺がその武器をまじまじと見ているとそれに気が付いた店長さんが
店長「いらっしゃいませ。こちらは当店目玉の武器でございます。」
言い方が悪いが店長さんは見た目に反してイケメンな声で話しかけてきた。
俺「すごいですね。」
(値段が)とはさすがに言えず俺はその一言だけ言う。
店長「これは私のご先祖様が遠い昔の大戦争で使っていたとされている
武器でございます。その頃かなりの敵がいてものすごい戦いを
したのにもかかわらずこの剣は今になっても無事という最高のものです。」
話を聞いているだけでその大戦争の様子が頭の中に思い浮かぶ。
店長「そして性能も当時どころか今日に至るまで最高の性能を維持
し続けてきました。ですからこの値段が妥当ということです。」
店長さんは俺が思っていることを悟ったのか値段の話をした。
俺が少しどぎまぎしていると
店長「みなさん、この武器を見るたびに思ったり言うんです。"とても高い"と。
しかしそれはそれ相応の価値があってつけさせております。」
だからこんなにも店長さんは話なれていて落ち着いて対応をしているのか。
店長「おっと、邪魔をしてしまったようですね。それではごゆっくりどうぞ。」
そう丁寧にお辞儀をした店長さんは元のカウンターへ戻って行った。
あの人オーラがすごいというかなんというかさすがこの店を務める店長さんな
だけあってかなり対応が良かった。
そんなことを思いながら店を回る事十数分。店内にある一通りの武器を確認して
店を出る。店を出たタイミングでも店長さんは「ありがとうございました」と
いう挨拶を欠かさなく聞いていてとても心地が良いものだった。
不思議な時間を体感したなと思い時計に目をやるがまだ一時間程度しか経って
いなかった。まだ時間があることを確認した俺はどこへ行こうかと思いながら
足を進めていく。そういえばよろず屋にはあまり入ったことがなかったことを
思い出すと俺は地図にあるよろず屋のところを目指して歩き出す。
数分後、周りの店より少し小さなよろず屋に到着した。店内に入ると
にこやかに笑う老夫婦の姿があった。店内を見る限りおそらく個人でやって
いるところなのだろう。それほど店は大きくなく客も俺以外に2人程度だった。
しかしそこに売っているものはどれも見たことのないものばかりだ。
老夫婦「いらっしゃいませ。珍しいものばかりでしょ。」
俺「はい、全然見たことのないものばかりです。」
老夫婦「私たちが長年研究に研究を重ねて作ってきたからね。
お値段はちょっと張るけどそれだけの効果は期待できるよ。」
その商品の中でもひときわ目を引いたのが巻物のようなものだった。
老夫婦「あら、それはその巻物に書かれている特技や呪文を職業関係なく
習得できる優れものよ。これのおかげで私たちはまだまだ現役よ!」
自分自身で作ったものを使っているのか。さすがだなと思いながらさらに店内を
ぐるっと一周する。買うとしたらやっぱりあの巻物が一番良さそうだ。
しかし今回は買うために来たのではない。それを思い出して俺はお礼を言って
店から去っていった。よろず屋に滞在した時間はわずか数十分。
地図を見ながら次に行くところへ決めてあゆみをすすめる。そんなことを
ひたすらに繰り返しているうちに夕方になってしまった。
早く帰って寝ようと思ったが早く帰ることすらできなかった。それだけこの町の
魅力に引き付けられていたのだろう。さすが大きい町だけあるな。
さすがに暗くなるとまずいと思った俺は冒険者の集いへ戻る。
着くとすでにあおさんがロビーで待っていた。
俺「すみません。少し夢中になりすぎてしまって。」
あお「大丈夫だよ。私もずっと町をうろうろしていたし。」
あおさんもこの町の魅力に引き付けられていたようだ。この町ってすごいな。
昨日ほどは疲れていなかったがそれでも町中を歩いて疲れた俺は
ベッドに入った瞬間すぐに寝るのだった。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




