培養兵器
この小説は作者、砂鉄黒餅のオリジナルです。
転職、コピーはご遠慮願います。
一部に残酷な描写や性的な描写も出てくると思います(たぶん)が、生暖かい目で見守って下さると嬉しいです。
「此度の兵器は進んでおりますなぁ」
脂ぎった肌をした中年の日本人男性が、その脂ぎった手で、培養層のガラスを叩く。
「ええ、我々の持てる全ての技術を駆使し、創り上げた兵器、言うなれば芸術と呼べるものですからね」
ひょろりと長い背のロシア人研究者が白衣を軽くはたきながら言う。
日本人が見つめている培養層のガラス。
その中には、
少女がいた。
「しかし・・・兵器は何で出来ているのかね?」
「人間の身体の構造をしておりますが、兵器の大部分は、16年前逃げ出した壱鬼で構成されています」
「あの壱鬼の、かね?」
「ええ、本当に良く出来たものです。兵器は皮膚に到らず、細胞、臓器、全てが再生可能な身体です。オリジナルの壱鬼は、脳や心臓などを失えば死に至る普通のモノでしたが、これは違います」
「と、言うと?」
「首が切れても、頭蓋骨が割れても、脳が抉り出されても、心臓を失っても、あらゆる手段を使っても、兵器は死にません」
「ほう・・・、しかし、それ相応の痛みや苦しみはあるのだろう?」
「一応。しかし、そこは兵器ですから」
「そうか・・・しかし、よく出来ているな」
日本人は再びガラスの中の少女を見つめる。
容姿から見ると、歳は10歳前後だろうか。髪は乳白色だったが、培養液に染まって翠となっていた。
四肢は陶器のように白く、細く、繊細に出来ており、触れたら壊れそうな人形のようだった。
「で、兵器の最初の任務は何かね?」
「壱鬼を、この研究所に連れ戻すことです」
「それは大変な仕事だな。可哀想に」
日本人は、ガラスをコツコツと叩き、部屋を後にした。
ロシア人の研究者は、ただただ不快な笑みを顔に貼り付けているだけだった。
紅)えー、とうとう始まりましたー。
猫)どうも、猫鬼です。
紅)紅禍ですー。
猫)二人で一つとして扱ってもらえたら光栄だったりして(笑
えー、この御話は、壱鬼という怪物として生まれちゃった男の子を元にして作られた少女の容姿をした生体兵器の御話です。
紅)作者がエグいのとか好きなのでそのうちそんな描写を入れたいと思いますー。
猫)とにかく、これからよろしくお願いします。