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第六話「お茶目な人形姫」

とある日の部活のお休みの日、リリィは友達のさやかに校舎を、特に演劇部関連を案内してもらっていた。

現在は演劇部施設であるサロン内にいる。

校舎に一部活専用のサロンがあるなどこのエデン女学院くらいのものであろう。


「このサロンも快適よねぇ、あっ」


リリィはサロンの椅子に腰を掛けている一人の少女を見つけた。

まるで日本人形の様に美しいおかっぱの少女である。

歳は中等部か小等部位か、どうみても高等部には見えない少女である。

迷子と思ったおせっかいなリリィはさっそくその少女に話しかけた。


「あなたもしかして迷子?よかったら守衛さんの所に連れて行ってあげるけど」


「あ、リリィちゃん、その子は…」


さやかが止めようとしたがそれは間に合わなかった。

謎の少女の名は有栖川芽衣。

子役上がりの中等部の少女であり、

中等部だが特例で高等部の演劇部に所属している特例中の特例なのだ。

そんな存在が不敵な笑みを浮かべてこう言った。


「何も知らないんだね、おばさん」


「お、おば…!?」


年端もいかない少女におばさん呼ばわりされたリリィは顔が真っ赤になった。


「彼女は有栖川芽衣ちゃん、立派な演劇部の部員だよ。しかも超演技派」


「紹介ありがとう、オペレーターのお姉ちゃん」


さやかはお姉ちゃん扱いである。

何なんだこの差は…と思っていた矢先に芽衣から提案があった。


「今度の演目の竹取物語の練習をしようよ、おばさん」


「(はは~ん、なんだかんだ言って遊びたいんだなこの子)」


「何を勘違いしてるか知らないけど、私が主役の舞台を台無しにして欲しくないだけだからね?」


「(うーん、やっぱり可愛くない…!)」


芽衣は今度の演目「竹取物語」のかぐや姫の幼少期を演じるのだ。

準主役と言ってもいいだろう。

新人のリリィに台無しにされたくないと思うのは当然と言えば当然である。


―エデン女学院舞台上


「あーもう!そこはもっと感情をこめてよ、おばさん!」


「精一杯やってるんだけどなぁ…親の顔が見たいわ」


リリィのその台詞を聞いた瞬間芽衣の顔がどんよりと曇った。

どうやら両親の話は禁句だった様である。


「お父様もお母様も忙しくてずっと会ってないよ…」


悲しげに言う芽衣。

リリィにはその気持ちが痛いほど分かった。


「その気持ちわかるよ。パパは忙しくて会えないし、ママは死んじゃったから…」


「お姉ちゃん…」


いつの間にかおばさんからお姉ちゃんに呼び方が変わっている。

芽衣がリリィに心を許したのかもしれない。

その時である。


ウ~!!!!


アンドロメダ襲来の警報が鳴る。


「私、行かなくちゃ!芽衣ちゃんはそこにいてね!」


「ううん、私も行く!プレリュード隊の一員だもの!」


「え!?」


リリィが呆気に取られていると芽衣は出撃用のトンネルに入った。

そして水色のスーツに着替えると司令室に到着した。


―エデン女学院・司令室


「ようやくみんな集まったわね」


京子が点呼を取る。


「あら、今回は芽衣も出撃するのね。お身体は大丈夫?」


「うん、休んでばかりいられないから」


どうやら芽衣は病弱らしい。

しかしあの椿が人の心配をするとは、余程認められているのであろう。

リリィはそれを少し羨ましく感じた。


「プレリュード隊、出撃!」


「了解!」


各々の掛け声とともに専用のRSに乗り込む少女達。

注目の出撃である芽衣の水色の機体に武装は無い。

しかしそれは念動力で物を動かし攻撃する仕様故であった。


「しまった、囲まれたわ!?」


リリィのRSが敵のアンドロメダ達に包囲される。

しかしリリィが身構えていると突如アンドロメダ達は宙に浮き身動きが取れないでいた。

それは芽衣の念道力によるものであった。

機内では芽衣が童謡を歌っている。

その歌声はまるで妖精の様に純粋で可愛らしかった。


「今の内に攻撃して、お姉ちゃん!」


「ありがとう、芽衣!はああああああああっ!!!!」



リリィのRSは日本刀を握ると周囲の敵機達を一閃にて斬り伏せた。

こうして難を逃れたリリィは今回の出撃に幕を下ろした。

そして竹取物語の演目当日…


「お父様、お母様、私は今夜月に帰らなければ行けません…」


「おお、そんな!」


大人姿のかぐや姫の椿と父親役の京子、母親役のリリィがそれぞれ熱演している。

特にリリィはあの後芽衣と猛特訓したので演技にはそれなりの自信があった。

そして演目の終了後…


「やったね、お姉ちゃん♪」


「これも芽衣のおかげよ、ありがとう」


「えへへへ」


すかっり仲良しになったリリィと芽衣であった。

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