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女の子視点

全3話の最初

 君たちに恋人はいるだろうか?

 どうせいないから、こんなところにいるのだろう。

 しかし、私は違う。

 私には、彼氏がいる。

 非モテでキモオタの君たちとは違い、青春を謳歌している。

 人生勝ち組と行ってもいいだろう。

 そんな私、足立(あだち)ゆめの1年間の話。





$





 朝から緊張する。

 心臓が破裂して死にそう。

 今日から高校生活最後の1年が始まる。

 成績は中の下くらい、友達も100人はいないけど、まぁ普通くらいにはいる。

 受験はそこまで焦ってない。

 今日緊張することと言えば、もちろんクラスのメンバーだ。

 うちの高校は1学年に6クラスずつあり、理系が1~3組、文系が4~6組になっている。

 私も彼氏も理系なため確率は1/3。

 私は彼氏と同じクラスになりたい。




 早速だけど、タイトル回収という1番重要なイベントを行いたい。

 皆は性癖何?って聞かれたらなんて答える?

 私は迷わずW…


「ゆめちゃん!おはよー」


 不意に後ろから声をかけられて、大事なイベントの邪魔をされる。

 けれど、そんなことはどうでもいい。


 「湯くん、おはよう」


 今日の悩みの原因の元凶と言っても過言ではない、彼氏の湯くんだ。

 本名は小林(こばやし)(とう)、高1の冬に私から公園で告白をした。

 付き合ってもうすぐ1年半になる。

 OKしてくれたことは、短い私の人生の中で1番の幸運といってもいいだろう。

 そんなことを思いながら振り向いて待ってると、10mくらいの距離を走ってきて、私の左側に並んでくれたので、2人でまた歩き出す。


「今日のクラス発表緊張するね。一緒になれるといいね。」


 湯くんも同じ気持ちなんてヤバい、死ぬ。

 もうこのまま学校に一生着かなくてもいい、湯くんと一生歩いていたい。


 「ゆめちゃん?大丈夫?」

 「あっ、うん、そうだね。学校が近くなってきたからちょっと緊張しちゃって」


 湯くんに私は1つだけ隠し事をしている。

 さっきまで考えていた性癖だ。

 バレたらたぶん別れ話をもちかけられてしまう。

 それだけは避けなければならない。

 なんてことを考えながら湯くんと話していると、学校が近づいてきた。

 性癖のことはまた後で。

 今は早くクラスのメンバーを確認しなければ。





$





 「なんでぇぇぇ!!」

 「落ち着いて、ゆめちゃん。顔が大変なことになってるから」


 湯くんとクラスが違うなんておかしい。

 こういう場合は彼氏と彼女は同じクラスになるものでしょ?

 なんで湯くんが2組で、私は3組に名前があるんだ。

 世界観おかしいんじゃない?


 「ちょっと抗議しにいってくる!」

 「待てや、このアホ」


 走ろうとした瞬間に、後ろから殴られてそのまま地面にうずくまる。


 「抗議してももう変わらんわ、恥ずかしいからやめい」


 後頭部を押さえてうずくまっている私に、追い打ちのをかけてくる。

 私を躊躇無く殴ってくるのは1人しかいない。

 幼なじみで親友の柚菜だ。

 本名は左納(さのう)柚菜(ゆな)、こいつとは幼稚園からクラスがずっと同じのため、心配なんてしてない。

 さっき確認したら、普通に名前あったし。

 だから、こいつは無視してまた抗議するために駆けることに決める。 


 「だから抗議しに行こうとすんな!」


 さっきより強く殴られて私の心は完全に折れる。

 まず、まだ抗議しに行くと決めた段階なのになんでわかるんだよ。

 立ってすらないのに。


 「またうちと同じクラスなんだから我慢せい」

 「嫌だぁ~、柚菜より湯くんと同じクラスがいい!柚菜とは幼稚園から一緒だけど、湯くんとは1回も同じクラスになったこと無かったのに…」

 「ほーん、もう1回殴られたいらしいな」

 「湯くん助けて!」

 「保健室予約しといてあげるよ」

 「!?」


 私と柚菜のやり取りは去年もやったし、だいたいいつもこんな感じなので、湯くんは助けてくれない。

 

 「そろそろ時間だから僕は教室にいくね。2人とも遅刻しないようにしなよ」

 「ばいばーい!また後で教室行くね」


 いつの間にかかなり時間が経っていたらしい。

 寂しいけれど、湯くんと別れて私も柚菜と一緒にクラスへ向かう。





$





 「みんな進学おめでとう。受験生になった訳だが、修学旅行や体育祭、学祭とイベントはたくさんあるから楽しんでいこう」


 始業式で校長のクソ長い話を聞いてから、教室で担任の話を聞いているけど、時間があるから性癖の話をそろそろしよう。

 ちなみに、担任は去年と同じだけど、この話の重要人物じゃないから説明は以上。

 私の性癖は少々、いや、かなり特殊だと思う。

 時代に逆行しているのはわかっている。

 けれど、みんなは自分の性癖を人と違うという理由だけで、変えることができるだろうか?

 いや、できない!

 断言してもいい。

 それじゃあ、そろそろ私の性癖を伝えようと思う。

 私は男子のWA…


 「それじゃあ、委員会決めていくぞ~」


 だぁぁぁ!!!

 話が全然進まない。

 サクッと性癖を言っとけばよかった、なんて後悔をしてももう遅い。

 委員会は学校生活において重要で、湯くんとどれだけイチャイチャできるかが、直接的に関わってくる。

 適当には決められない。

 仕方無いが、この話はまた後にしよう。





$





 特にこれといってすることがない、素晴らしい委員会を勝ち取ることがでた。

 その名も生活委員会!

 高校生活2年で活動をしていた記憶がないため、湯くんと一緒に帰れる日が増えるはずだ。

 柚菜は文化委員になっていた。

 文化祭の時に実行委員として、いろいろとやる委員会だ。

 去年もやっていたし、文化祭ガチ勢だから妥当だろう。





 今日は授業が無い為、早速、湯くんと一緒に帰ろうと思って校門横の桜の木の下で待っているが、なかなか来ない。

 湯くんは多分、クラス委員だろう。

 人気者だし推薦でなってそうだ。

 なんて、湯くんのことを10分くらい考えてたら、やっときた。


 「遅くなっちゃってごめんね。委員会決めが長引いちゃって」

 「全然いいよ。湯くんはクラス委員になったでしょ?」

 「残念、違うよ」


 え?予想が外れるなんて、普通にショック。


 「ゆめちゃんは生活委員会でしょ?」

 「そうだけど」

 「よかった、僕も生活委員会になったよ」


 え?なんで?ますますわからなくなってくる。


 「去年はなかなか一緒に帰れなかったから、今年はなるべくたくさん一緒に帰りたいなって」


 それで私が生活委員会をやると予想して、合わせてくれたってこと?

 ヤバい、嬉しくて死ぬ。


 「じゃあ、そろそろ帰ろうか」


 湯くんの一言でやっと校門から出て、2人並んで歩き出した。




 「時間が早いしちょっと寄って行かない?」


 湯くんの提案で、世界的に有名な某ハンバーガーショップに入る。

 2人でポテトを食べながらなんでもない話をしていたら、ふと、湯くんがゴールデンウィークの予定を聞いてくる。


 「ゴールデンウィークで空いてる日ってある?」

 「まだわかんないけど、どうしたの?」

 「なら5日開けておいてくれる?一緒に行きたいところがかるから」


 湯くんから誘ってくるなんて珍しい。

 いつも私が振り回して、それに付き合ってもらっているのに。

 けれど、誘ってくれて嬉しい。


 「わかった、けど、どこにいくの?」

 「それは当日のお楽しみで」


 この後も何度か聞いてみたけど、教えてくれなかった。




 某ハンバーガーショップを出て、また歩き出したが、すぐに2人の別れる道まで来てしまった。

 春休みはなかなか会えなかったから、実際会うと話が尽きなかった。


 「それじゃあまたね」

 「うん、また明日」


 なんて別れてから自宅の帰路に着く。

 今日はとても楽しかった。

 クラスが違ったのは残念だったけれど、久し振りに湯くんに会って直接話すことができて、オキシトシンがドバドバ出ていたと思う。

 多分、今日の私はずっとにやけていたことだろう。

 そんな顔を見られて、湯くんに嫌われていなければ良いけれど、今さらな気もする。

 そんな今日の振り返りをしていたら、自宅に着いた。




 

$





 さてと、そろそろお待ちかねの私の性癖について話そう。

 邪魔する人はもうどこにもいない。

 3度目の正直と言うやつかな。

 ご飯を食べ、お風呂にも既に入ってきた。

 自宅での最大の敵である両親は、リビングでテレビを見ている。

 1人っ子だけど念のため、自室の鍵までかけた。(←これはいらない気がする)

 もう1度だけ言うと、私の性癖は時代と逆行している。

 私は女子として無駄毛を処理しているし、それに不満は特にない。

 そして今の流行では、男子も無駄毛を処理し、ツルツルのパイパンだ。

 それを頭に入れた上で聞いてほしい。

 


 私の性癖は男子のWAKIGEだ!

 ちなみに、湯くんの脇はパイパンだ。

パイパン!

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