三日月が紅く染まり、クズオは飛んでモブオになった
俺の名はクズオだ。リーマンとして働いている。一応、彼女もいる。彼女の名はマヤ。自称金星人のヤベーやつだ。どうも最近は某国と某国の争いと、企みに巻き込まれそうで困っているという。
聞くだけで頭のおかしくなる案件なんだが、金星人というだけあって金運が良いのだ。
マヤの話しはこれっぽちも信じちゃいないが、彼女といるとパチンコは負けないし競馬も当たる。
最近はどこかのオカルト女と組んでついにアジトが完成したとか、仲間が増えたと言っていた。
仲間って言ったって、どうみてもたまごの社員なんだが、マヤの話しは聞く気ないし、信じちゃいない。
応援するよと適当におだてりゃ、機嫌も良くなりパチスロだってバカヅキするのさ。
おっと三日月リーチ外したか。地元じゃ和菓子の三日月堂が大人気なんだが、三日月なんて信頼度30%だぜ?
やっぱ大当たりは満月だよ。
――――どうも最近ツキが落ちてる。マヤの興味が俺ではなく、オカルト女やたまごやジーコに向いてるせいかもしれない。
ジーコってサッカー選手だよな。聞くだけで頭がおかしくなりそうだから聞き流していたけれど、マヤって実は凄いのか?
だいたいマヤは俺の女だ。得体の知れない連中に、好き勝手されるのが気に食わない。
マヤもマヤだ。そういう胡散臭い連中から逃げて来たのに、また言いように利用されるだけだぜ。
塩っぱいだけの不味いビールを売る金があるなら、寄越せと言いたい。
調子良かった馬券まで外した。負けを取り返そうと、熱くなり過ぎた。
これはあれだマヤの呪いだ。俺はマヤから有り金と秘宝を奪うと、ツキのなくなったマヤと別れた。
これでようやくまともに暮らせるはずだった。
しかし不運は終わらない。マヤの友達のオカルト女は親会社の令嬢だった。そして、マヤを支社の社長に置いた。
マヤを騙し利用して、俺の会社を潰そうとしている。追い出したはずの事務員の女までいた。
マヤを奪われ、借金が嵩み、会社まで潰れた俺はオカルト女に殴り込みをかけた所で記憶が飛んだ――――
――――紅い三日月のような目なんて知らない――――
――――俺は気がつくとパンツ一丁で、かぐやん姫と結婚していた。
抱えていた借金はかぐやん姫が全部払ってくれたらしい。お互いに身一つ、何も残されてない。
俺はモブオとして、愛するかぐやんのために地元の金魚ビールの工場で働く事になった。
紅い三日月のような口は、微笑んでいたように見えた――――――――。
お読みいただきありがとうございました。この物語は、なろうラジオ大賞5の投稿作品となります。
ざまぁされた会社員の一人の末路を短く物語にしました。金星人のマヤはあの文明のマヤなのかは想像にお任せします。
ジャンルわかりませんが、ヒロイン金星人なのでSFにお邪魔しています。
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