第94話 教会巡りの理由
主人公は王都での宿を確保しました。
次にする事は。
王都での宿を確保できた。
多分、値段も安く済んだだろう。
でも、放置されていた宿の設備を使える様にしていると、夕方になってしまった。
なので、慌てて教会巡りをする事に。
と言うのも、神の宿る神像に神酒を捧げ祈ると、その神に関連する職業に転職出来る様になるからだ。
基本4職だけだけど。
ちなみに、戦いの神が戦士に、魔法の神が魔法使いに、聖なる神が信者に、見識の神が斥候に転職出来る様になる。
なお、神が神像に宿っているかどうかは、神々しさで分かるとの事だ。
その神像は、それぞれの神が気に入る像を造り祈れば神が宿る事が有るらしいから、誰でも神像は造れることになる。
でも、神が極一部とはいえ宿っている訳だから、粗末には出来ないし、したら神罰が下るとされている。
と言う事で、大きな都市の神殿・教会とか敬虔な信者がいる場所にしか神像は無いのが現状。
逆に王都の様な人の多い大きな都市なら幾つも同じ神の神像がある。
と言う事で、食堂のおかみさんにそれぞれの神の像のある教会を聞いて、大急ぎで4人で回る事に。
「神像にお祈りをしたいとか」と、言って来る司教。
感知スキルで感じた気配は、残念ながら神官職どころか信者職ですらないが、信者職に就けるかどうかに信仰心は関係ないからな。
まあ、この教会でどう教えているかは分からないから迂闊な事は言えないけど。
「はい。私達の子供に戦いの神の才能が宿る様にと、お祈りをしたくて」
そう俺が言うと、司教は頷いている。
別に嘘ではなく本当に思っている事だし、発言に後ろめたさは無いが、この後の行動が後ろめたいので神像には先に謝る事にしよう。
「田舎者なので、御布施の作法を知らないのですが」と聞くと、神像の前にお供えすれば良いとの事。
司教1人、司祭2人、俺達4人で神像のある部屋に向かい、神が宿る神像の前に。
確かに少し薄っすらと光っており神々しさがある様な。
神像の前に、各自ミスリル貨をお供えし、祈りを捧げる。
3人には長めにお祈りをと頼んであるので、俺は早めにお祈りを終え、少し下がって周りを見ている風にして『座標刻印』と『場所指定』を。
司教と司祭にお礼を言って、教会から立ち去る。
教会に行ってお祈りをし転移で移動できるようにしてから立ち去るのを4回繰り返すと、もう夕方だ。
宿である食堂に戻り、食堂で食事を。
お酒も飲めるけど、今日はお酒無しで。
その後は、借りた部屋に戻り、マドリーンに防音の風の護りをかけてもらってから、話し合いだ。
その前に、メルを影から呼び出して、食事を与える。
すると知らない人が一人いる事に驚いている様だ。
合間の食事は、俺が一人の時に与えていたからクラリッサとは『初めまして』だからだ。
「メェ~」
「ああ。この人は新しく仲間になったクラリッサだ」
「メェ~」と言っている横で、素早く動いたアリーサがモフモフしている。
それにつられて、クラリッサもモフモフと。
マドリーンもモフモフと。
動く可愛いヌイグルミだもんな。
俺もモフモフしたいけど、メルが微妙な感じなのが伝わってくるので我慢している。
まあ、メルもモフモフを楽しんでいるのが深愛の表現の一つと分かっているから、嫌って訳では無さそうなんだけどね。
メルへのモフモフが一段落したので、順番に今晩話し合う事を聞いていく事にした。
生活魔法の洗浄で奇麗にされているモフモフ。
しかも、メルは可愛いので人気の様です。