第83話 怖い表情
主人公は、強盗団を惨殺する決断をし、偽装スキルの隠形による奇襲時にどういう見破られ方があるかを確認し、ついに奇襲をかけるようです。
強盗団に奇襲をかける為の心構えをし、隠れながら攻撃した場合にどういう見破られ方をするかを一応確認。
それで、準備完了かな。
先ずは、手作り感の酷いテントの中で寝ている斥候二人に近づいていく。
感知スキルの探索で詳細に二人の斥候から出る魔力について感知してみる。
と言うのも、感知スキルがランク3以上になると魔力について詳細に感知できる様になる。
なので、スキルに指示をすれば、パーティを組んでいると発生する魔力による薄っすらとした繋がりも感知できる。
そう感知スキルから教わったので、パーティを組んでいる奴に攻撃した事により隠形が解かれると言う可能性を考慮し、斥候達がパーティを組んでいるかどうかを確認したかったからだ。
しかし、二人の斥候からも、他に居る盗賊達からも、そう言う魔力の繋がりは感知出来ない。
自由時間は、パーティを解散しているのか。
まあ、偽装と言ったスキルで魔力の繋がりを隠している場合も想定できるが、そんな風に危機感を持っている感じはない。
ならば、と覚悟を決めて斥候の二人に近づき喉から脳に掛けて剣を突き刺して即死させ、死体を偽装スキルで生きている様に偽装する。
そして、戦利品のコンテナの横で捕まっている女性達について4人でゲスイ話をしている赤黒いオーラを纏う斥候1人に戦士3人を一気に槍の4連撃で致命傷を与え、そのまま生きていると偽装を施す。
まだ、気が付かれていない。
次は、魔法使い4人か。
うち二人の気配は、酷いテントの中。
先ずは、そこへ行き寝ている二人に剣を突き刺して即死させ、生きているように偽装。
残りの二人は、戦利品のコンテナの近くのテントで何かを喰っていたのを後ろから心臓を突き刺して倒す。
後は、信者職と戦士職か重戦士職だ。
問題は、赤黒いオーラを纏っていない連中もいるんだよな。
まあ、赤黒いオーラ纏っている奴を殺してから隠形を解除すれば、こちらを発見し殺意を持って襲って来るだろうから、それを返り討ちでいいか。
でもその前に、リーダーをやっておくか。
ゴーレム馬車に隠形をかけ、周りからドアを開けたことやゴーレム馬車に異常があっても認識されないようにしてからドアを開ける。
そして中に入ると、まあ、自分のなら兎も角、他人の嫌なにおいだ。
幸い、人質にされそうな人は居ない。
リーダーっぽい奴1人だ。
ミスリルの槌を亜空間収納から取り出し、両手両足を殴り折り、騒いでいる奴の口に槌を突きこんで黙らせる。
こういう時、気絶させるスキルとか欲しいな。
そう思いつつ、ゴーレム馬車の外に出てみたが、まだリーダー以外の強盗団は俺に気が付いていない。
流石、ランク4.5の偽装スキルか。
早めに、もう一度偽装スキルを取得し、ランク5にした方が良さそうだ。
そう考えつつ、高熱火矢を赤黒いオーラを纏っている人の数発生させ打ち込む。
突然、仲間が火で焼かれ驚いている無傷の強盗は、まだ7名いる。
隠形を解除して姿を現すと、サブリーダー格が居たのか「彼奴だ。殺せ」と言って生き残りに指示を与えながら後ろで様子を見ている。
幸い、全員オレンジのオーラに包まれた。
逃げれば良いモノを、正当防衛成立。
まあ、逃げたって捕まえて村に連れて行っただけだけど。
奴らとは圧倒的に違う俊敏ステータスの恩恵により奴らの攻撃を避けながらミスリルの槌を頭に打ち込んで、最後の1人迄、キッチリと倒した。
3人の元に戻り「すまない。これから捕まっている人を助けるから、手伝って」と言うと「わ、私との約束は」とクラリッサが悲壮な表情で言って来る。
「ボスらしき奴は、両手両足を折って残してあるけど」と言うと、急いで強盗の根城に向かい始めた。
その様子を2人が複雑そうに見ているが、俺達も行くしかない。
「あそこのコンテナの中に、人が居るから」と二人に助ける様に指示をして、クラリッサの後を追う。
遺体を色々と確認していたが、俺の方に向かい「何処にいるんですか?」と必死な表情で聞いて来たので教えるのではなく、俺がゴーレム馬車の中に入り、奴を外に放り出す。
「こ。この人が」
そう震える声で確認してくる。
「なんだ。村からの貢ぎ物って言っていたエルフじゃねえか」と、歯が折れたせいで、発音が悪くなった口で言って来る。
「あ。貴方たちが、父と母を」
「ん。ああ。あの面倒なエルフの夫妻の娘か。
最後まで手間かけさせやがって。
玩具にしてからぶっ殺そうかと思っていたら、自分で夫共々自爆しやがって」
やはり、ゲームの設定どおり、そういう事があったのか。
「代わりにお前を犯してやるから、俺にまたがれや」と下品な事を言っているので、どうするかなとクラリッサを見ると黙って奴を見ている。
それも感情を感じさせない暗い目で。
それを見た強盗団のリーダーは、折れて真面に動かない手足で、這って逃げようとする。
その背中を踏みつけて「こんな汚れ仕事、俺がやるけど」とクラリッサに言ってみたのだけど。
何も言わずに首を横に振り、父の形見だと言う大剣を振り上げ、何とも言えない怖い表情を見せたかと思うと、大剣を強盗団のリーダーの頭に打ち下ろした。
クラリッサは、両親の敵を討ったようです。




