第81話 強盗団への決断
主人公は、街道を封鎖していた強盗達を倒しました。
その過程で、マドリーンとアリーサが人を殺せるかも試したのですが。
強盗にとどめを刺したマドリーンとアリーサを抱きしめる。
やり過ぎだし、他に方法があったのでは。
でも、後悔先に立たずだ。
彼女達の心のケアに何をすればいいだろう。
そう思い抱きしめ続けていたが、アリーサが「もう大丈夫」と言ってきた。
ここで、こうしている間にも、酷い目にあっている人が居るかもしれない。
そう言い訳をして、先に進む事にする。
強盗達の根城は、村や街道からそう離れていない。
魔素が濃い場所で発生する強い魔物達に襲われる危険を考えれば、ある程度魔素が薄く比較的安全な場所となる市町村近辺や街道近くから離れられるはずも無いか。
とは言え、ある程度の人数で、ある程度の戦力が揃っていれば、まあ何とかなるのかもしれないが、奴らの根城は村から数キロしか離れていない。
なので、街道や村からの感知スキルによる探索で、奴らの状況はずっと把握している。
感知している強盗達の気配は、その多くが戦士系の職業。
斥候や魔法使いや信者も居るが、残り70名程度の盗賊の集団の中で数名程度しかいない。
しかも、斥候系の強盗は能力が低いみたいで街道に居た盗賊達を倒しても、何の反応も無かった。
まあ、優秀な人材なら強盗になんてならなくても生活できるのだろうけど。
いや。
ゲームでのキャラ紹介情報だと、クラリッサの御両親が村を守る為に戦い、優秀な隠密や魔導士を殲滅したんだったか。
真面に戦ったら勝てないと気付いた強盗団が、子供を人質にして気をそらした間に、父親の方が致命傷をもらい、その事を更に盾にされたので、母親の方が子供と子供を盾にしていた強盗以外を全て風の龍で殲滅したのだったか。
自身と旦那さんも。
それで、強い連中はほぼ壊滅させたから娘は大丈夫。
そう思っての自決だったのに、村人達の裏切りと覇気の無さにクラリッサまで犠牲になる処だったんだよな。
なので、俺がかっさらいます。
いただきます。
出来るなら、幸せにします。
……、幸せに出来るのかな。
ゲームだとそんな処まで描写されていたかと言うと、幸せそうではあったが。
あれが、本心か上辺だけなのか。
ゲームだから幸せそうな表情になっているだけだったのか。
ゲームクリア後の世界でも幸せだったのか。
色々と課題はあるが、どうすれば良いのか。
まあ、とりあえずはゲームの内容を参考に関係を進めるしかないか。
ああ。
今は、強盗団について考えないと。
しかし、戦士といった才能があるのに、態々強盗になっている連中だ。
まあ、生い立ちとか生活環境とかに、可哀そうな部分があったのかもしれない。
だけど、他人に迷惑をかけている時点、と言うか殺し奪っている時点で、もうそれを考慮する必要はない、と俺は決めつけるべきだな。
前の世界なら、例え行動が救いようのないモノだとしても、犯罪者たちの事情も考慮していたのかもしれないが。
でも、正直俺にはそんな余裕はないし、優しくないし、正しくも無い。
そう結論付けて、既にクラリッサの御両親により半壊状態にある俺達より弱い強盗達を惨殺する事とした。
微妙に長かったので、2話に分けて明日残りを投稿します。




