第71話 旅立ち
主人公は、マドリーンの兄に、今後どうすべきなのかについて忠告しました。
まあ、何が正解かなんてわからないのですが。
すると、妹を頼むと言われたようです。
「マドリーンはこんな風に厳しいけど、マドリーンが選んだ君なら何とかするんだろうから、よろしく頼むよ」と言うマドリーンのお兄さんと、その言葉を受け止めた俺にマドリーンは不服顔だ。
結構、厳しい処もあるって認識していないのだろうか。
ふと視線を感じ周りを見回すと、アランとオズワルトが複雑そうにこちらを見ている。
二人は、それぞれマドリーンとアリーサが好きだと言うゲーム設定だったし、現実でもそれは感じていた。
それを俺一人で外に連れ出す状況だからな。
と言うか、徴兵前に告白していたのは聞いたけど、今回の帰郷では告白しなかったのだろうか。
まあ、彼女達を好きな人はイッパイ居た感じだったから、他にも複雑そうな人は居るけど、あの二人は仲間として外に連れ出せる人だったし、幼馴染だから、何というか。
そんな事を考えながらマドリーンの方を向くと「そろそろ行きましょう」と出立を進めて来る。
まあ、キリが無いだろうからな。
すると、マドリーンの妹が抱き着いて「いや~」とか言っている。
嘘泣きっぽいけど、まあ、それは言わずにおこう。
でも、お姉さんなのか。
「こんな、どうなるか分からない時代だから、後で後悔しても良い様に、自分で選んだ道を進んで行くしかないのよ」と、頭を撫でている。
まあ、そうだよね。
「ヨシマサちゃん、アリーサちゃん。キリがないから行こうか」
そう言って、マドリーンは妹を母に預け、村から外に出る門に向かい始め、アリーサも門に向かい始める。
ゲームだと、こんな重い感じじゃなかったんだけど。
でも、現実だとこんなモノか。
「では、行こうか」と、先に歩いていた二人に追いつき言うと頷く二人。
後ろから「お姉さまの為に殺しておけば」とか「昨日の夜、皆と説得に行ったのに居ないなんて」とかいう声も聞こえてくるが、無視だな。
村の門から出て、見送りに来てくれている人達に、二人が手を振っている。
でも、俺にはそう言う人は居ないか。
幼馴染達は、複雑そうにマドリーンとアリーサに手を振っている感じだし。
そんな風に思っていたけど「ヨシマサ、頑張るのよ~」と母の友達だったご婦人連中や父の友人だった人達が声を掛けてくれた。
それに手を振ってこたえて、3人で首都へと向かう道を進み始める事にした。
この星は、前住んでいた地球より小さい星と言う感じで、山の天辺とかに登らなくても星の丸さが分かる。
だからか、少し進むと地面が邪魔して地面やそこに立つ人は見えなくなる。
そんな事を考えながら3人で進む。
村の城壁の上に立って俺達を見ていた人も、もう見えなくなった。
「さて。少しでも早く王都へ行く為に走ろうか。上がっているステータスで疲れない程度のスピードで走って」
そう言うと困惑しながらも頷く二人。
うん。
いきなり疲れない程度のスピードで走ってと言っても、分からないよな。
なので、息が切れない程度のスピードを探りながら走り続ける。
流石、4級職でそれなりのレベルだから、結構なスピードだ。
隣の市町村までは20キロから60キロ程度離れているのが、この国や世界の常識で、次のバルス町まで40キロ、その次のニーチャ町まで更に40キロある。
ちなみに、おおよそ人口1000人までが村、1万人までが町、1万人を超えると市となるが、まあ、この辺はいい加減かな。
また、キロとかメートルとかの単位は、前世と同じ。
違うのが通貨とか、一年や一月の日数かな。
通貨はGAZUだし、一年は360日で、1月は30日で、週と言う考え方は無い。
でも、1年は12か月、一日が24時間、1時間が60分、1分が60秒とかは同じ。
食料品とか物の名前とかも同じで、そう言う意味で異世界感が無いんだよな。
ああ。
ゲームでもリンゴはリンゴと言った感じで同じ名前だったし、そうなるのか。
それとも、世界のフォーマットが前世と同じとでも言うのだろうか。
いや。
前世と違っているのだけど、同じに見えたり同じ名前だと理解したりしているだけなのだろうか。
まあ、細かい事は分からないし、気にしてもしょうがないのかもしれないけど。
でも、月は前世より大きくて、土星の様に環がある上に、水と雲と大地が見えているのが前世とは大違いか。
ゲームだと、空に浮かぶ大地とあわせて、続編の為に造られた設定とか言われていたが、俺が死ぬまでには続編は発売されなかったから良く分からないけどね。
そんな事を考えつつも二人の様子を確認すると、まだまだ余裕の様だ。
自転車で飛ばしている時のスピード位に感じるから、時速30~40キロとか出ている筈だけど。
まあ、話しかけてみれば余裕かどうか分かるか、と疑問に思っていた事を聞いてみる事にした。
始まりの村からの旅立ち。
移動は順調なので、気になった事を聞いておくようです。




