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第68話 旅立ちの朝

 主人公は、昨日も始まりのダンジョンへの通路で寝ました。

 目を覚ますと、多少見慣れて来た始まりのダンジョンへと繋がる通路の天井。


 周りを見回すと、メルが行儀よく座っていたのが立ち上がり、俺の傍までくる。


 それを撫でてあげながらステータスウィンドウを表示して時間を確認すると、朝の6時半か。


 今から村に戻り出立の準備と言うか、出立かもな。


 はあ。


 強くなる為に籠ったこの始まりのダンジョンと、しばらくお別れだ。


 それは良いんだけど、同行者が出来ると言うのは、その人達に対する責任が生じる。


 まあ、同格なら各個人が自分の行動に責任を持てばいいのだろうけど、俺が強引に連れ出す人達だから。


 しかも、勇者候補って事で、命を狙われそうなんだよな。


 王都へ行って、マドリーンが読んだと言う本や他の勇者・勇者候補について書いていある本を読んでみないと。


 そう思いつつ、生活魔法で体を洗浄し、格納箱から携帯食を取り出して食べ、メルにも食事を与えながら、昨日得たスキル追加の宝玉を使うかどうか迷う。


 まあ、宝珠を自分優先で使っていいって言われているし、事後報告で良いか。


 移動の為には、格納箱と生活魔法と亜空間魔法のランクは高い方が良いだろうし。


 鑑定スキルもランクを高くしておいた方が間違いないし。


 と4つのスキル追加の宝玉を使う。


 格納箱スキルが3になりスキルがランク3で全く鍛えられていない状況でも一辺が8メートルの立方体程度の大きさの物が400個格納できるようになったから、馬車とかゴーレムとかも格納できるようになったのはありがたい。


 生活魔法スキルは4になり、ランク3でグレードが上がった事により取得出来る簡易トイレ作成、簡易風呂作成、簡易キッチン作成魔法と、ランク4で簡易住居作成魔法が使える様になった。


 これで生活魔法により日持ちはしない仮初の素材で家が造れる様になったので、そこで休みをとれるようになるのだけど。


 まあ、簡易住居の頑丈さはそれ程でもないらしいし、造るだけでなく維持にもMPは結構使うから、俺のMPが不足する事になると想定できる。


 だから、今のMPの状況だとあまり使いどころは無いかな。


 でも、イザと言う時に欲しいスキルだ。


 また、簡易トイレ作成とか簡易風呂作成とかは、これから使う事になるのだろう。


 昨日のダンジョン探索中のトイレとか、二人は恥ずかしそうに俺に断りを入れていたしね。


 そして、亜空間魔法スキルはランク2になり、亜空間収納魔法で5メートルほどの大きさの物を収納できるようになり、しかも収納した物の時間を止められると言う、便利機能が追加された。


 これで、異世界モノによくある温かい食事を入れておいて、野外やダンジョンでそれを取り出して食べると言うパターンが可能となった。


 また、鑑定スキルは3になったので、自分に対しては解析鑑定が、同じパーティメンバーには、詳細鑑定が、第三者は鑑定、敵対者には簡易鑑定、戦闘中の相手は名称鑑定が出来る様になった。


 まあ、対象との距離でも難易度が変わるのでもっと強化したい。


 鑑定スキルの宝珠は宝箱から出易い筈なので、未発見のダンジョンへ行き宝箱を手に入れる方向の強化も考えないと。


 さて、二人の家に行ってこの村からの旅立ちをしないとな。



 始まりのダンジョンから隠れて移動し、街道へ出てから隠形を解除して走って村へ。


 特別な従魔であるメルには、目立たない様に途中で影に入ってもらった。


 村の城壁の門に辿り着くと、中年の恰幅の良い門番のワンズと同じく中年の痩せ気味の門番のハリスが複雑そうにしている。


 俺が村を出る事を聞いたのだろう。


 一応のステータスウィンドウのチェックを終えて、一度自分の家に行こうとするとワンズの方が「村に帰ってくるんだよな」と、声を掛けて来たけど。


 「満足する強さになるのか、強くなるのを諦めるのか、どっちになるか分からないけど、そうなるのに何年かかるか分からないですからね」


 そう振りむいて言うと。


 「ああ。そうなるか。ご両親は才能があったのに中途半端で戦いに出されて、ああなったからな。

気持ちはわかるよ。

  俺達は、何とか生き残れているから良かったんだけど」


 そう複雑そうな表情でワンズが告げて来る。


 二人も父と同じ戦士職だからな。


 重戦士になれれば、と思いつつもう中年か。


 「昨日、村長に嫌味を言ったので、発奮してくれれば強くなる機会はあるかもしれませんけどね」


 「いや。もう若い者に手を掛けるべきだよ。俺らは、自警団兼門番で人生を終えるだろうし」と、ワンズは乗り気では無いが。


 「……、この前の村の集会でも話は出ていましたけど、あまり魔王の狂乱を舐めない方が良いようですよ。

  魔王の殺し合いだけでなく、魔物の活性化があるそうですから。

  まあ、どの程度活性化するかは、良く分からないんですけどね」


 「そっか。そうだな。家族は守らなければならないし。まあ、強くなる事も考えとくよ」と言うワンズに手を振って自宅に戻った。

 主人公は、スキル追加の宝玉を使い強化をした後、村に戻りました。

 後は、無事に旅立つだけでしょう。

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