第61話 準備万端すぎたボス戦
主人公は、事前に戦いの段取りを決め、ボス戦に挑む様です。
初めてのCランクの魔物。
しかも、女性の仲間が居るのに相手はゴブリン系。
慎重に行きたいところだけど、旅立ちの前にボス戦後に発生する宝箱から戦利品を得ておきたい。
本当は忍びでレベル上限になり、その上位職の5級職の上忍になってから戦いを挑む方が間違いがないんだけど。
でも、他の勇者候補から命を狙われる様になるまで、それ程時間は無いかもしれない。
ならば、勝てるなら戦いを挑むべきだと結論を出し、戦いに付いて考えてみたのだけど、相手の事が正確に分からないから、どうしようもないんだよな。
ただ、Cランクだと5級職でそれなりのレベルなら、確実に勝てると言う目安はある。
現状4級職で、それなりのレベル。
でも、俺は基本4職に全て才能が有り、基本4職とその上級職を極めてきた上での4級職。
しかも、隠されたダンジョンを攻略し、それなりの宝玉を得て、それで力を強化してある。
だから、勝てると思うんだよね。
まあ、戦ってみて、駄目そうなら魔法で足止めして逃げよう。
と言っても、モンスタートレイン状態だと、何処まで追いかけて来るのやら。
不安な事もあるけど、少しはリスクを取らないと、どうしても強くなるスピードは遅くなる。
だから、行けるのなら戦うべき。
そして、行けると判断し、安全策を取りながら戦いを挑む事にする。
マドリーンとアリーサには、ボス部屋の入り口が見える曲がり角付近で待機してもらい、俺だけ前に進む。
二人には、アリーサの聖魔障壁とマドリーンの風の護りで自分達を護ってもらいながら、俺自身もボス部屋の入り口付近まで移動し聖魔障壁を張る。
それで、ゴブリンキングに気が付かれるかと思ったが、大丈夫だった。
なら話は簡単だと、ボス部屋に入ると同時に爆裂火槍を4つ発生させ、頭に撃ち込む。
……、楽勝だ。
ゴブリンキングは、魔法を撃ち込まれた事に気が付く事すらなく、「ドゥゥゥォ」と言う音を立て、焦げ臭い嫌なにおいをさせながら爆裂火槍に頭部を吹っ飛ばされて消滅していく。
そして、周りの魔素をかき集める感じになり宝箱が発生。
感知スキルの探索で周りの安全確認をしながら、始まりのダンジョンのボスを倒した事により発生した宝箱に向かう。
すると、二人もホッとした表情で、こちらの駆けて来る。
二人も宝箱に到着したタイミングで「宝箱の中身については、均等に分けると言っても難しいから、俺がリーダーと言う事で俺に任せてもらっても良いのかな?」と二人の意見を聞いておく事にする。
「ヨシマサ君の物でいいよ。私は連れて来てもらっているだけだし、今後も足手まといになる気がするから」とアリーサの返事。
「そんな事ないよ。頼りにしているから」と言いつつマドリーンの方を確認すると、難しい顔をしながら「勇者候補が決めるのが間違いないか。うん。それで良いよ。自分を優先してね」との事。
マドリーンの方からは「話し合いにしましょう」と言った声が出るかとも思ったんだけど、ひょっとすると俺より勇者候補の大変さを理解したり、勇者候補と言う立場を重く思っていたりするのかもしれない。
そんな推測もしつつ宝箱の罠の確認をした上で空けると、簡易転移の宝玉、神酒2個、魔晶石A4個、エリクサーⅣ5個、転移魔法スキルの宝玉、剣技スキルの宝玉、槌技スキルの宝玉、土魔法スキルの宝玉、薬学スキルの宝玉、意匠スキルの宝玉、ゴブリンキングの魔石C、ミスリルの剣、ミスリルの盾、ミスリルの全身鎧が入っている。
レアな転移魔法スキルの宝玉があると言う事は、当たりだな。
一応鑑定スキルで名称を確認した宝玉の名称を読み上げる。
そして、簡易転移の宝玉をマドリーンに渡し使えるかどうか試してもらったんだけど、駄目だった。
念の為に、アリーサにも試してもらってから俺が使う。
これで、簡易転移先に設定できる場所指定の数が10増えて、合計20になった。
でも、今回手に入れた転移魔法でも、単体の転移が出来る様になるんだよな。
あちゃ~。
今まで転移魔法の転移先指定である座標刻印魔法を使っていない。
幸運ステータスを100とかにすると、下手をすればゲームをクリアした時点でも取得していない事がある転移魔法。
それが、こんなに簡単にランク2になれると思っていなかったから。
今は単体の転移しか出来ないとはいえ、出来る事の幅がかなり広がる筈だから。
なので、転移魔法スキルの宝玉も二人に断りを入れて自分で使う。
後は同じく二人に断りを入れて薬学スキルも取得した。
すると、「土魔法スキルの宝玉とか剣技スキルの宝玉は使わないの?」と、マドリーンが聞いて来た。
なので「土魔法の専門家を俺以外に造る事になるかもしれないし、どうしても必要になるまでは置いておくよ。これを使ってランク5に出来るのなら使ったんだけどね」と説明すると、納得したようだ。
なので、残ったスキル追加の宝玉は今後の方針次第と、とりあえず亜空間収納へ入れておくことにした。
主人公は、得た一部の宝玉については直ぐに使う事を止めて、後に備える方針にした様です。




