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第6話 魔物で確認と異世界の現実

 主人公は、ステータス値について、色々と確認していました。

 そして、ついに魔物と出会うようです。

 ゲームでは自分のキャラのステータスである俊敏と幸運が高く設定した。


 現在、俊敏が高いのだから、多分幸運も高い筈。


 まあ、宝箱から入手できるアイテムの良し悪しでそれは分かるだろう。 


 そんな事を考えながら移動し、曲がり角から先を除くとダンジョンの通路で寝ている感じのレッサースライムを発見。


 半透明で陸に上がったクラゲの様な魔物、かな?


 魔物は、この世界では彼方此方に湧く。


 この世界は、魔素と呼ばれる人に管理されていない魔力に満ちており、その濃さは場所によって結構違うらしい。


 その魔素の濃さやその場所の特色等に応じ、魔素を元に発生するのが魔物。


 必ず体内に魔石を持ち、人や魔族に敵対し襲ってくる存在と言う設定だったか。


 まあ、魔物を従魔化するスキルを持つと仲間に出来るパターンも有るが。


 その魔物であるレッサースライムを見つけた後、一度隠れ、鋼鉄の剣から銅の剣持ち替える。


 この銅の剣。


 正確には、銅合金である青銅の剣になるのか。


 父が6歳の誕生日にプレゼントしてくれた訓練用の剣だけど、父の話だとGランクの魔物なら戦える強度があるって話だった。


 子供の時は両手持ちだったけど、今持つと短くて軽く片手用の剣だ。


 ゲームでの初期装備として与えられていた銅の剣はこれだったと思う。


 だから、これで試してみようと決断し、曲がり角から出てレッサースライムへと近づいていくと、レッサースライムがウニョウニョと接近して来たかと思うと、飛び掛かって来る。


 なので、それに対して銅の剣で切りつける。


 俊敏ステータスを高めに設定してあるお陰か、余裕をもって剣で切り落とせる。


 剣で切り落として地面に叩き落とし、更に切りつけると世界に溶ける様に消えて魔石が残った。


 この世界は、ゲーム同様魔物を倒すと世界の理により掻き消えて有用な戦利品だけが残る。


 前世の知識だとあり得ない事だけど、そういう風に世界が創り込まれていると言う事なのだろう。


 そして、レッサースライムを倒した後に戦利品として残ったのが魔石。


 魔物が持つ魔力の塊である濃い紫色の透明な石だ。


 魔力の塊である為、この世界ではそれを取り出しエネルギーとする技術が確立していると言うか、利用できるスキルが何種類もありこの世界で必要且つ必須の物資なので、魔物を狩るモノの主たる収入が魔石の売却代金だったかな。


 まあ、他の戦利品も手に入る事があるから、主たる収入とまで断言は出来ないか。


 しかし、銅の剣で2回切ったら戦利品となったか。


 これは、多分ノーマルモードの難易度だな。


 イージーモードだと、銅の剣でレッサースライムに1回きりつけると戦利品に。


 ノーマルモードで2回。


 ハードモードで4回。


 デスモードで8回だったはず。


 まあ、ゲームでこの判断が出来るのは初心者職のLV1の時の話し。


 既に初心者LV5だから断言は出来ないけど、LV5程度だとそれ程ステータスは成長していないから、この計算で会っている筈だ。


 なら、それ程厳しい世界ではないと思いたいが、ゲームと現実は違う部分もあるだろうからな。


 と言うか、同じなわけがない。


 そして、それが怖いから慎重に行こうと思っている。


 例えばゲームでは、俺が死んだら所持金が失われ、復活する場所として登録してある市町村で蘇生して再スタートだ。


 そして、事前にセーブしてあったデータをロードして、死を無かったことに出来る。


 しかし、ここは異世界とは言え現実だから、自動で蘇生して再スタートもセーブ&ロードも無い。


 まあ、転生者である俺には自動で蘇生する可能性もあるのかもしれないけど、試して失敗なら、もうそれで終わりだから試しようがないし、セーブ及びロード機能はステータスウィンドウのメニュー内に装備されていないから無いと思った方が間違いないだろう。


 そんな怖い状態だから、正直戦いに出るのが嫌になるけど、それが当たり前だとこの世界で生きて来た知識が教えてくれる。


 他にも、この世界で生きて来た知識からすると、ゲームとは致命的に違う点があり、それも怖いんだよな。


 と言うのも、ゲームだと仲間が死んだら神像を祀っている教会や神殿に行き、そこで多少のお布施をすれば仲間は蘇生した。


 どれだけ時間が経っていてもだ。


 だけど、この世界では、そんな仕組みは無いと知っている。


 だって、そんな仕組みがあれば、魔物と戦って死んだ両親を俺が蘇生させている又は蘇生してもらう為に頑張ってお金を貯めているだろう。


 だけど、死んで時間が経てばたつほど蘇生の確率が下がる極一部の強い人しか使えない『蘇生』の魔法や、同じく時間の経過とともに蘇生率が下がる高額で俺なんかでは買えない『蘇生の雫』と言ったマジックアイテムしか、蘇生の手段はない。


 この事実に気が付いていて、慎重に冒険をしようと思わない訳がない。


 更に、今気になっているのは、ゲームだと決まった攻撃パターンしかなかったけど、それはゲーム制作のコスト削減やデータ量の制限があるからで、現実の魔物はもっと多彩な攻撃をしてくるかもしれない、と言った怖さだ。


 それ以前に、俺はVRゴーグルをした上で特殊なジョイスティックを使っていた。


 視線による操作とか、キーボードとか、他の入力媒体もあったが、それが楽だったから。


 でも、この世界での戦闘では、ジョイスティックは無い。


 と言うか、『攻撃』コマンドを選択すると、ゲームだと自動で攻撃が当たったり外れたりしていたのが、異世界の現実だと俺の体の動きや素早さ、レッサースライムの動きの予測が上手く行ったかどうかで攻撃が当たったり外れたりする。


 正直、ゲームとは違い過ぎる。


 レッサースライムの動きも、ゲームだと立ち止まって攻撃の時だけ突進してくるパターンだったけど、ゲームでは見た事の無い動きをしていた。


 まあ、レッサースライム程度なら素早くないので気にする必要も無いのかもしれないが、違う魔物だと集中して思った通りに素早く体を動かし、相手の動きを正確に予測する等しないと、魔物に攻撃は当たりそうにない。


 ゲームとは全然違うと、一匹のレッサースライムと戦った程度で思い知らされる。


 戦利品もワザワザ自分拾ってバッグとかに入れないと駄目だしね。


 そして、他にもどんな違いがあるか分かったモノではない。


 こんな事なら、ゲームとこの異世界の現実の違いに気が付けるように、農業なんかせず、もっと魔物と戦ったり戦い方を教わったりして、経験や知識を得ていれば良かった。


 そう後悔しつつ、武器を攻撃力の高い鋼鉄の剣にかえて魔物を倒していく事にした。

 主人公は、慎重な性格なのか、異世界の現実とゲームとの違いに気が付き始めています。

 それが生死を分けるかもしれないし、良い傾向なのかな。

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