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第57話 強くなっていく二人

 主人公は、ステータスが上がる事による注意点を言った処、少し勘違いがあった様です。

 俺の成長の加護の恩恵を受けながらDランクの魔物を倒した事により、マドリーンとアリーサは初心者職であっという間にレベル上限になった。


 なので、一気に強くなる事による注意点をこのタイミングで言っておく。


 『頭にきた』とか言って全力でホホをぶったりしたら、首の骨が折れるとかありそうだしね。


 まあ、注意したので二人なら大丈夫だろう。


 また、ステータスが高くなった事に対する勘違いがあったので、それを訂正しておく。


 そして「転職するの?」と一応確認してみたのだけど。


 「もうレベル10になっちゃったからね。どの道、ヨシマサちゃんの偽装スキルに頼らないと駄目だろうし」と、マドリーンも周りを偽る覚悟を決めた様だ。


 このまま初心者職LV10で居るのなら、偽装しなくても『基本4職に才能が無かった』と弱いふりをする事も出来るけど、どちらにしろ嘘をつく事になるしね。


 そう思っていると「それに、このままだと、ここに居るのも怖いから」と、マドリーンは心細そうに言って来る。


 焦ってDランクの魔物の居る場所に連れて来たのは、間違いだったかもな。


 2級職か3級職になった後、簡易転移でここに来れば良かっただけなんだから。


 そう思いつつ「そっか。そうだね。なら転職してスキルの選択に移って」と先に進む事を提案する。


 「うん。あ。火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、杖技が手に入るって話だけど」と、マドリーンは真剣な感じで。


 「私は、傷治療魔法と、異常治療魔法と、杖技だって」とアリーサは凄く嬉しそうに告げて来る。


 「で、二人はどうするの?」


 そう言うと、二人で顔を見合わせて「どうすれば良いの?」と声をあわせて聞いて来る。


 「そうだね。2級職のレベル上限であるレベル20になるまで3回スキルを取得出来るから、マドリーンの方は、杖技を1回。後は、自分が欲しい魔法を2つで良いかな」


 「そうなの?」とマドリーンは不思議そう。


 多分、杖技を取得する意味が分からないのだろうと、説明しておくことにする。


 「杖技は、剣技とかの様に接近戦に特化したスキルではなく、杖を使う事により魔法の威力なんかを強化できるスキルだけど、それでも杖を使った接近戦についても教えてくれるからね。やむなく近接戦闘になった時の保険になる」


 「そっか。後は、魔法は何でも良いの?」と、マドリーンはアッサリ納得して選ぶ魔法について聞いて来る。


 「俺は将来錬金術スキルを極め、持っているスキルのスキル追加の宝玉を造るつもりだから一通り取得したけど、マドリーンがその選択をしないなら一通り魔法スキルを取得する必要はないでしょ。だから、自分の欲しい、得意になりそうな魔法を選ぶと良いよ」


 そう言っても悩んでいるので。


 「俺は、4元素魔法だと、火魔法がランク4,風魔法がランク1、水魔法がランク1、土魔法がランク3だね。参考までに氷魔法がランク4かな」


 「そうなんだ。なら違う力の方が良いよね」と、自身なさげなマドリーン。


 「本人との相性もあるだろうから、何とも言えないな。直感で選んでもいいと思うよ」


 「そっか。なら水かな。うん。水魔法を選ぶね」と、マドリーンは水魔法に思い入れがあるのかな。


 「了解。で、次はアリーサだけど、同じ理由で3回の内1回は杖技を取るのがお勧め。と言うか、それぞれ1回ずつ取得すれば良いと思うよ。悩むのは次の神官からかな」


 「うん」


 そう返事をしたアリーサもスキルを選択したようだ。


 すると、待ち構えていた感じでマドリーンが確認してくる


 「ヨシマサちゃんはスキルをどのモードにしているの?」


 「あ~。あったね。最初教育モードで一通り説明を受け、理解した後は指導して欲しいスキルは指示モード、簡単に使いこなせそうなスキルは聞きたい時に聞きたい内容を聞く為に対話モードかな」


 「そっか。それで良いんだよね」


 「その辺は、俺も手探りだけどね。気になるスキルがあるなら、ずっと教育モードでも良い気もするし」


 「私も、その辺考えてみるよ」


 そうマドリーンが言ってきたので「なら、これを渡しておくか」と言って、格納箱の中からゴブリンハイメイジの持っていた魔樹の杖Ⅱの束を取り出し、そこから2本取り出して生活魔法の洗浄を掛ける。


 「これ、ゴブリンハイメイジが持っていたグレード2の魔樹の杖だけど、生活魔法の洗浄を掛けたし、持ってみる?」と二人に渡すと、こわごわ受け取ってくれる。


 そして、最初恐々と、途中からブンブンと振りまわすアリーサ。


 憧れの魔法使いって感じだろうからな。


 そして難しい顔に変わった。


 魔法を使おうとしてスキルに止められたのかな。


 「治療魔法は、治療する必要が無い場合、魔法の使用を止めてくるからね」と、難しい顔になった理由を予想して聞いてみたのだけど。


 「す。凄いです。傷治療魔法スキルさんが懇切丁寧に教えてくれるんです」と、また目をキラキラさせている。


 杖を振りまわしている途中に傷治療魔法を教育モードにしたみたいで、魔法スキルが教えてくれたり会話できる事に感動して、動きが止まり難しい表情になっていた様だ。


 「そうだね。スキル凄いよね」と、可愛いアリーサに同意していると横で杖を構え水魔法の水弾を発生させ壁に撃ち込んでいるマドリーン。


 彼女は、実際に使ってみてスキルの力を感じたかったようだ。


 そして「こ、こんな力なのね」と呟いている。


 二人とも感動している感じだから、このままだと時間が掛かりそうと判断し。


 「ああ。申し訳ないけど、移動しながらスキルからの話を聞いたり確認をしたりして。次の獲物に向かうから」


 そう言うと二人とも頷いたので、次の獲物に向かった。



 二人も俺も偽装スキルの隠形で隠れながら、爆裂火槍でハイオークを倒す。


 一匹当たり15万の職業経験値。


 それを成長の加護で10倍になり、それを3人で分けると一人当たり50万。


 これで二人とも、2級職のレベル上限であるレベル20となった。


 当然「なんで一匹ハイオークを倒して、レベル上限になっているの」と、細かい事も気にするマドリーンは驚いている。


 まあ、アリーサも驚いているけどね。


 「やっぱり、本物の勇者候補で、成長の加護を持っているんだ」とマドリーンが自分で答えを言うので、逆に俺の方から「勇者候補の偽物っているの?」と質問してみる。


 「王国から、結構な資金や物資の援助があるから、騙る者はいるんだって。

  まあ、直ぐに世界の理によって犯罪者って称号が付き、嘘ってバレるんだけど、それでもね」


 そうマドリーンから人の業を感じされられる話を聞くことに。


 俺が『嫌だ嫌だ』と思っていると「マサちゃんは、取得経験値は何倍になるの?」と、過去の魔王の狂乱に関する本を読んで詳しいマドリーンが聞いて来る。


 「10倍だよ。それで15万の職業経験値が10倍の150万になり、3分割で一人当たり50万になったんだよ」と、俺のステータスウィンドウのログを確認しながら告げると。


 「本当に、そうなんだね」と、マドリーンは少しずつ俺が勇者候補だと実感している感じなのだろうか。


 はあ。


 そんな二人を見ていて改めて考えちゃね。


 勇者候補同士で殺し合うのもそうだけど、俺が原因で二人まで殺されるかもしれないなんて嫌なんだけどな。


 そう『改めて強くならないと』と思っていると、二人から「どのスキルを選べばいいの?」と次の質問が来た。


 また、キッチリ説明しないと駄目なんだろうな。

 マドリーンとアリーサは、1級職の初心者ノービスを卒業し、2級職でもレベル上限になったようです。

 一気に強くなるのは良いのですが、一定のレベルに達した事で取得出来るスキルについて、どのスキルを選択すれば良いのかで困っている様です。

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