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第54話 お告げと苦しい言い訳

 主人公は、多分ゲームと同じだろうとマドリーンとアリーサには力があると伝えました。

 その事を知っている理由について、どう説明するのでしょう。


 新年、あけましておめでとうございます。

 本年も、よろしくお願いします。

 二人が戦闘訓練をしていたら、多分自分から自警団とか騎士団に入ったんじゃないかな。


 そう言う会話からマドリーンが『勇者候補は未来が見える』と言う話を思い出した様だ。


 なので「……、嘘かな。本当に未来が見えるのなら、勇者候補との殺し合いの事だって知っていた筈だし」と説明する。


 すると「そっか。そうだよね。でも未来が見えないなら、何で私達が自警団とかに入るって話になるの?」と、マドリーンは新たな疑問が出来た様で不思議そうに確認してくる。


 「え~と、二人は真面目だから、力があると分かれば、多分自分から自警団とか騎士団とかに入るんじゃないかって予想だよ」


 「私達才能が有るの?」と、マドリーンはその詳細を聞きたそうにしているけど、どう説明しよう。


 ゲームでのマドリーンとアリーサはシングル(基本4職の内一つに才能がある)だった。


 だから、二人には才能がある筈、とは説明できないよな。


 勇者候補は未来が見えるって、ゲーム知識が役に立つと言う事なんだろうけど、結構違っているんだけどな。


 でも、流石に基本4職に才能がある無しについては、同じだろう。


 そう思ったので、間違っていたら申し訳ないと思いつつ「マドリーンは魔法使い。アリーサは信者になれると思う」と言う決断をした。


 「そ、そうなの。何でそれを知っているの?」と、マドリーンは自分が魔法使いになれる事に驚きながらも確認してくる。


 「未来は読めない。だけど、強くなる為に必要な事の一部は思い出せるって感じかな。正直、それが本当に正しいかどうか分からない部分もあって、今も迷いながら強くなる方法を模索しているって感じ。

  その強くなる為の情報には、俺の組むパーティが強くなる為に必要な情報も含まれていて、マドリーンとアリーサはステータスが高く、俺と相性が良く、魔法使いと信者に転職出来るって知っている感じかな。

  でも、その情報は本当に正しいかどうか分からないし、情報不足でもあるから『未来が見える』ではなく情報が途切れ途切れの『お告げ』って感じかな」


 「途切れ途切れなんだ。厄介そうだね」とマドリーンは困り顔をしたかと思うと「それで、私達は相性がいいんだ」と少し嬉しそうに聞いて来る。


 「ああ。それは間違いがないと思うよ」


 「ふ~ん。きっと、皆にそういう事言うんでしょうね。女たらしのヨシマサちゃんは」とマドリーンは、今度は拗ねた感じで言って来る。


 それは可愛いのだけど、今後も異性の仲間を増やし続ける事になるから、先にその事を告げておくことにする。


 「ああ。本当に相性のいい人しか仲間にする気ないしね」


 そう俺がこれから仲間になる人達にも『相性がいい』と言うつもりだと遠回りに告げると「そ。そうなの?」と、マドリーンの予想外の返事だったみたいで驚いている。


 この世界はゲームでは無い。


 だから、ゲームだと決まった人しか仲間に出来なかったが、ゲームで仲間に出来なかった人もパーティに加える事は出来る筈。


 だけど……。


 ゲームで仲間にした人は裏切らなかった。


 1人の女性を相手にするだけでも胃に穴があきそうになる俺でも、ハーレム状態で生活できる女性達だった。


 まあ、それはゲームと異世界の現実では違いそうか。


 現に、二人を仲間にする過程でも、結構違ったしな。


 でも、ゲーム内での相性や会話による好感度上昇とかも思い出せる。


 そして何より一般の人たちより皆ステータスが高かったし、俺が重視していた俊敏ステータスが高い人達ばかりだったからな。


 勿論、そう言う人を選んでいたからだけど。


 だから、ゲームで仲間に出来た人を仲間にするのが間違いないだろう。


 まあ、ゲームでは仲間に出来なかった人でも、始まりのダンジョンに一緒に入れるかどうかは気になるけどね。


 でも、駄目だった場合、始まりのダンジョン上級や終末に一緒に行けないんだから、使い辛い人材になってしまうのか。


 やっぱり、ゲームで仲間にした人を仲間にする方向で行こう。


 そう決断しつつ「ああ。仲間に出来る人についても、お告げみたいなのがあって、多分全員女性になるよ」と言うと。


 「そ。そうなの。でも、それはヨシマサちゃんがただの女好きだからじゃないの?」


 そうジト目をしながら行って来るマドリーンの横で、アリーサまで蔑んだ目で見て来ている様な。


 異性を仲間に選ぶ理由か。


 勿論、戦闘画面とかイベントCGとかで、皆の麗しい姿を見るのは好きだったけど。


 でも、それだけでもないんだよな。


 でも、『ゲームでは『一緒に寝る』で異性キャラを選ぶと好感度が上がったから、この世界でも異性を選択するんだよ』なんて言える訳がないし、どういうべきか。


 交流術スキルに頼りながら、彼女達に説明しておく。


 「え~と。俺達は魔物や魔族と戦う訳でしょ。命を懸けて。

  その戦い方は、人によって違うんだよね。

  例えば、圧倒的に弱い魔物を大量に狩ってレベル上げをしたい人。自分より少し弱い程度の魔物を倒してレベル上げをしたい人。自分と同程度の魔物と戦って一気にレベルを上げたい人とかね。

  そう言う人それぞれの好みと言うか人生観と言うか価値観の違いがあって、一緒に戦っているうちに上手くいかない人が出て来る。

  それは分かるでしょ」


 「そうね。掛かっているのは自分達の命だから、そう言った事で価値観が違うと、確かに凄いストレスになりそうだね」と、マドリーンには相性が大切と言う事は伝わった様だ。


 「だけど、俺の受けたお告げだと、異性の仲間だと、そう言うのが起き辛いんだよね」


 「そうなの? どういう理屈で?」と、マドリーンは俺の発言が信じられない様で、少し怒った感じで聞かれるが。


 「さあ? その辺は俺にも分からないけど」と、素直に言っておく。


 「……、なんか納得できない」と、不貞腐れた感じのマドリーンと、その横で不思議そうなマリーサ。


 「そうなんだ。でも、俺に示されたお告げだと、俺達が強くなっていく道筋はそういう風になっているんだよね」


 そう言いつつ思い出したのは、同性は2回目のプレイまでしか仲間にした事ないから、数名しか知らないと言う事実。


 だから、お告げと言うか同性キャラに関するゲームの情報を持っていないんだよな。


 せめてキャラ情報を調べておけば、思い出せたのかもしれないけど、それもほぼしていないから。


 そんな事を思い出したので、それを何とか問題のない形で伝える事にする。


 「仲間にして有用な人達は、お告げだと殆ど女性だったんだよね。お告げから示された道から外れて強くなる方法だってあるだろうけど、そうなると、手さぐりで進む方向を決める事が今以上に多くなりそうだし」


 と、そこまで言うと、マドリーンもアリーサも、しょうがないのかなって感じになってくれたか。

 

 かなり苦しい言い訳だったけど。

 

 そんな風に思っていると、地下4階に到着した。

 異性ばかりを仲間にする理由。

 主人公が咄嗟に思い出さなかった理由としては、悲劇から救い出す事により仲間になる人の場合、男性より女性を優先するからと言うのもあるのですが。


 第一章の掲載を終えるまでは、毎日投稿を続けようと思っています。

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