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第45話 強引に行った裏の理由

 主人公は、強引に幼馴染二人と関係を持ってしまいました。

 それには、ちゃんとした理由があるのでしょうか?

 始まりのダンジョンまで、俺を追いかけて来た幼馴染二人。


 その二人と強引に男女の仲になってしまった。


 するとマドリーンは「どうしてこんな事をするの」とゲームでは見た事の無い鬼の形相で怒っている。


 何故、こんな事をしたのか。


 ゲームの裏技を真似たからだ。


 実は、ゲームではこのスタート地点から旅立つ時に、幼馴染の男性2人と女性2人の中から一人だけパーティを組める冒険仲間として連れだす事が出来る。


 だけど、裏技・裏イベントとして異性の仲間を2人同時に冒険仲間として連れだす方法があった。


 それを恐々実行しただけなんだけど。


 エッチなゲームでは無かったので、今経験した現実に比べると細かい描写は無く表現はキス迄だったし、ある程度まで会話が進むと暗転し映像での表現は無かったし、会話も現実と比べると一部だけが表示されていると言う状況だったんだけど。


 なんだかな。


 ゲームだと、ゲームだからという感覚だったのか、その後も円満な関係だったからか、『少し酷いのでは』程度だったけど、現実に実行してみると酷いよね。


 公式攻略本に載っていた設定によると、誘ったのが男の場合は今二人の男性が所属している王国軍から二人同時に抜けられないと一人だけしか仲間に出来ないそうだ。


 そして、女性を誘った場合は事前の女性二人での話し合いの結果、先に誘われた方が俺について来る、となっているそうだ。


 だから、俺がマドリーンに対して本来なら拒絶する程強引に出ても、アリーサの手前拒絶できない。


 アリーサは、魔物に俺達が殺されてしまうかもと思うと、俺達が致している間もここから逃げられないし、終わった後の混乱に乗じれば主人公に対する思いを捨てきれず関係を持て、彼女も村から連れ出せる言う設定だった。


 だから、順番を間違えずにこんな風に強引に行かないと二人同時には仲間に出来ない、と強引に行ってみたのだけど、強引に二股かけるなんてリアルでは避けなければならないよね。


 下手をすれば『屑野郎』と刺される案件だし。


 まあ、それ以前にゲームと違っていたら性犯罪者だ……。


 じゃあ、仲間にするのは1人で良いでしょと言うのも一つの考えだけど。


 ゲームで仲間になるNPC(ノンプレイヤーキャラクター。コンピューターが操作するキャラクター)には、『好感度』と『相性』というパラメーターがあった。


 好感度は、非常に良い、良い、少し良い、普通、少し悪い、悪い、非常に悪い、の7ランクが。


 相性は、パーフェクト、グッド、リトルグッド、ノーマル、リトルバッド、バッド、ベリーバッドの7種があり、この相性の良し悪しで好感度が上下する頻度や上下する度合いに影響が有る。


 そして俺の行動の結果、仲間になった人の好感度が『非常に悪い』になると「私は私で、人族の為に頑張ります」等と言ったセリフや置手紙を残し主人公のパーティ・仲間から抜けてしまい二度と仲間に出来なくなってしまう。


 ゲームの制作会社は、単純に仲間に出来る数の上限を64とするだけでなく、こういう仕組みで仲間にする人数に上限を造っているのだと思っていたけど、これは現実世界だからそんな制限は必要ない筈。


 そう気が付くと、更にゲームと同じになるかどうか不安になって来たが今更だ。


 ちなみに、好感度が下がるタイミングは、パーティから外す、パーティに入っていない状態で1日を過ごす、会話で嫌がる発言をする、戦闘中に攻撃する、当該キャラが死ぬ、状態・精神異常を長時間放置する等がある。


 そして、あのゲームでは仲間に出来るキャラは、名前と容姿だけが違うキャラも居たからか6612人も居るそうだ。


 その中で、俺の場合お気に入りだけでも百人以上居た。


 なのに、従魔の枠を除くと、パーティの人数は最大6人又はリーダーの加護と言う力を手に入れて強化しても7~12人が限界。


 なので、お気に入り64人を仲間にすると、好感度の管理が大変と言うか不可能なんだよね。


 具体例を言うと、簡易転移が出来ない始まりのダンジョン終末を攻略する場合にはゲーム内日数が数十日とか数百日掛かかる。


 なので、踏破を途中で諦めてパーティハウスに帰ったのに、サヨナラの置手紙が数十枚重なって表示されるとかゲームだとあったんだよね。


 だけど、相性がパーフェクトの人は、パーティから外してもパーティから外した状態で数十日過ごしても好感度は下がらない。


 そして、その相性パーフェクトなキャラの数は少なく、その数少ないキャラが始まりの村に居る幼馴染キャラ達。


 つまり、マドリーンとアリーサなんだよね。


 まあ、ゲームではなく現実だと、数十日もほったらかしにして好感度が下がらないって事はないと思うけど、こんな強引な事しても仲間としてついて来てくれるのだとしたら。


 ちなみに、ゲームでは好感度が『少し悪い』以下だと、NPCキャラはやる気が無いと言う設定で『MPを節約』とか『全力で攻撃』とか『指示に従え』と言った主人公の指示に従ってくれない。


 また、好感度が『非常に良い』だと、『主人公に対する思い(友情・愛情)が力になる』と言う謎の設定で攻撃や治療の効果が10%上がるとか有ったんだけど、あれは異世界の現実だと無いんだろうな。


 それとも、現実でも『やる気に満ち溢れているから』、『気合が入っている分強くなる』と言った効果で似たような事があるのだろうか。


 なお、ゲーム内で好感度を上げる方法は、パーティで一緒に戦いレベルを上げたり転職したりする、同じパーティで魔物を倒す、ランダムに発生する話しかけられる方の会話イベントでちゃんと答える、ランダムに発生する話しかける方の会話イベントで会話の相手に選ぶ、等があった。


 また、異性の場合は宿屋やパーティハウスのベッド等で寝てHPとMPを回復させる時に、同じベッドで寝る相手に選ぶと好感度が結構上がっていたりする。


 まあ、エッチをした描写とか会話とか一切ないんだけど、多分そう言う事なんだろうなって言われていたな。


 この同じベッドで寝る好感度上げがあるから、仲間に異性を選ぶ人が多いって話もあったけど、真実はどうなんだろう。


 VRゴーグルで見る風景が好みのタイプの美女だらけで、しかも一緒に戦う、苦難に立ち向かう、って言うのが俺にとっては大きかったけど。


 でも、異世界の現実に居る彼女達にそんな事を説明する訳にはいかない。


 普通に考えて、家庭用ゲーム機やパソコンの無いこの世界の人達はVRゲームやコンピューターゲームと言う物が理解できないだろうから、そのまま説明しても意味が通じないか俺が異常者と思われるだけだろう。


 なので、事前にするつもりだった説明をする事に。


 もっとも、一部はゲームの会話メッセージそのものだけどね。

 『ゲームの裏技を使ったから』とは説明できない。

 主人公は、どう説明するのでしょう。

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