第43話 3人で始まりのダンジョンへと
主人公は、家を1日以上留守にする事により発生するイベントを開始しました。
朝起きると、見慣れた天井だ。
はあ。
昨日で最低限の俺の強化育成は終わった。
では、引き続き始まりのダンジョンへ行き中級のボスを倒してから上級に挑戦するか、と言うとゲームでの攻略順はそうではなかった。
始まりのダンジョン上級からは、魔物が数匹から数十匹のグループを造っている。
しかも、魔物の密度は変わらず、会敵する頻度は高いので、1人ではMP不足になり直ぐに帰還する事になる。
まあ、それはそれでレベル上げにはなるし偽装スキルの隠形をしたまま戦闘をしないで探索すると言った方法もある。
だけど、魔物の数が多い上にランクも上がるので隠れていたのを発見される等のイレギュラーが起こる可能性もあり危険だろう。
ゲームでも、不慣れな時は始まりのダンジョン上級で死んだ事があったしね。
なので、他の適正難度のダンジョンとかで鍛えた方が効率は良いとゲームではなっていた。
だから、始まりのダンジョン上級については、MPを潤沢に使える様に自キャラを育成するか、パーティメンバーを5人以上にして全員今の俺程度に鍛えてから攻略を始め、宝箱を得たりボスを倒し発生する宝箱を入手して俺や仲間を強化すると良かったんだよな。
まあ、現状は中級のボスが残っているんだけどね。
それは、イベントを終えてからだ。
昨日の晩御飯の残りを朝食にして、メルに影に入ってもらい、雑貨屋に行って日持ちするパンとか塩漬け肉とか乾燥果物とかの携帯食料を18食分程度買い大き目のバッグに入れる。
更に、魔物肉の干し肉やイモ類や小麦・大麦や豆類や塩・味噌・バター・砂糖等の調味料も袋や樽で買う。
全部で7万2千GAZUも掛かったが、携帯食料はタダにしてくれたし、昨日宝箱からの収入で十分払える。
狭い村の顔見知りなので、予備の家の倉庫の鍵を渡し、買った物を倉庫の中に入れておいてもらう事にして、村の外に出る門に向かう。
うん。
隠れながらついて来ているのが二人。
感知スキルが無かったら気が付かない程上手な尾行かも。
ゲームであったイベントは、やっぱり起こるんだ。
いや。
昨日の会話だって、イベントが起こる為の会話をなぞっているんだけどね。
門から外へ出て、メルの為の草を刈ったりしながら、俺達を監視している人が居ないか調べたりもしながら、迂回して始まりのダンジョンの入り口のある崖に向かった。
やっぱり、二人は付いて来ている。
しかも、結構悲壮な気配を纏っている。
大丈夫なのかな?
そう思いつつ、彼女達から見える位置で岩山に触れ始まりのダンジョンへ繋がる通路へと入る。
そして寝床にしていた処に、家から持って来た予備の布団を格納箱から出し敷いて準備をしておく。
さて。
二人が中に入るのを躊躇している様なら、格納箱に入っているアイテムの整理をと思った処で、完全武装をした幼馴染のマドリーンとアリーサの二人が通路の中に入って来た。
「こ、ここは何?」と、マドリーンが薄暗い通路に突っ立っている俺の姿を直ぐに見つけて聞いて来る。
マドリーンは、すらっとした体格に長い黒髪で美人の人間族。
出る処が程よい大きさでウエストが細いスレンダーなタイプ。
身長は俺より低いが、女性にしては少し大きいくらいか。
村長の長女と言うのが影響しているのか、同い年なのにお姉さんタイプと言うか面倒見のいいタイプと言うか、おせっかいタイプと言うか。
少し気の強いタイプで、しっかり者の少し手前と言う感じかな。
今は魔物と戦うつもりだったのか革鎧に身を包み、鉄棒タイプの槌を持っている。
そのマドリーンについて通路に入って来たのがアリーサ。
俺と同じく今年成人を迎える歳なのに、背は低くバストは小さめ。
でも、ウエストは細く、ヒップは人並みかな。
でも結局小柄だから、ウエスト以外は幼児体系っぽく見えてしまう。
それだけでなく、服と防具に隠れているが、小さめの兎耳や小さくて丸い尻尾を生やしている兎人族だ
アリーサは、相手によってはオドオドする事が多く、小動物タイプの可愛さがある美少女って感じ。
だから、昔は同世代の男の子に良くいじめられていたな。
髪は栗色で少し癖毛のショートカット。
目は大きくて少したれ目かな。
彼女も完全武装で革鎧を着こみ、鉄の棒タイプの槌を持っている。
そして、今は俺を見つけてほっとした顔をしている。
マドリーンが、俺を睨みつけながら近づいて来たので、質問に答える事にした。
始まりのダンジョンで幼馴染達と合流しました。
どんな話になるのでしょうか。