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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第1章 旅立ちまでの違い編

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第42話 イベント開始

 主人公は、改めて前世と今いる異世界を比較し始めた様です。

 始まりのダンジョンで色々と意識したおかげで、前世の知識を色々と思い出した。


 思い出したと言うか、意識して思い出した記憶については鮮明になったと言う感じかな。


 なので、改めてこの異世界の状況と比較すると、なんて言うか。


 基本中世だけど、一部近代というか。


 力を持つ者と持たない者の差が大きいとも言えるのか。


 例えば、家なんかも色々だ。


 建設なんてスキルがあるから、そのスキルを持っている人が造った家は、良く出来ている。


 木で出来たり、石で出来たり、コンクリートで出来ていたり、レンガで出来ていたりと、この村でもバリエーションがあるのだけど。


 建設スキルを使い家を建てると、石を積み上げ、粘度で隙間を埋め、それに木の天井を張り付けただけでも丈夫になるのだからスキルの力は大きいのだろう。


 それに対し、倉庫なんかをスキルを持っていない人が造っていたりするんだけど、それは、まあ、酷いのも多いし。


 そう言えば、この村でも土魔法使いに頼んで造られた下水道はあるな。


 どうも、国に強制されているらしい。


 まあ、前世だとちゃんと整備しないと疫病がはやったりしたから、この世界でもその辺は同じで疫病対策で必須だと知られているのかもね。


 でも、村の外の川に、そのまま生活排水を流し出しているけど、大丈夫なのかね。


 スライムとか水の精霊とかが浄化してくれていると言う設定の小説とかもあったけど、どうなんだろう。


 まあ、人の住んでいる領域は狭く、人口も少ないから自然に浄化できる程度の生活排水ではあるのかもしれないけど。


 王都とか人口の多い処だと、どうなっているのか、機会があれば見てみよう。


 そんな事を考えながら、周りを見るとふと目に入る村長の立派な家。


 土魔法スキルがランク5になると大地創造と言う地面を思い通りに操作できる魔法を取得出来、その魔法と建設スキルの両方を持っている人が造った建物なんかは、本当に丈夫そうだし、機能美すら感じるんだよな。


 その上に、更にデザインについて支援してくれる意匠スキルなんて持っていたら、豪華だったり、綺麗だったりする建物も造れる様になる。


 まあ、そこまで行くとお金が相当必要なのか、この村だと村長の家とか程度で殆ど無いんだけどね。


 そして、目に入る窓の向こうのカーテンに映る人の影。


 それで改めて思い出したけど、俺は人族でその人族の中の人間族だ。


 キャラクリエイトで人間を選んでいたからなのかな。


 前世では当たり前に居た種族だけど、この世界にも居て、この大陸だと人口に占める割合が多く、権力者には人間族が多いんだったか。


 幸い、ゲームだと他の人族の弾圧とか軋轢とかは表現されていなかったが、現実だとどうなのだろう。


 いや。


 軋轢程度ならゲーム内でもあったのか。


 種族間の相性とかあったもんな。


 だから人間族を選んでいたんだった。


 ちなみに他の人族として、前世だとゲームとかアニメとかの中にしか居なかった亜人達がいる。


 犬人族や猫人族と言った獣人族。


 エルフやドワーフと言った種族も居る。


 そう言えば、仲間にはならなかったけどエルダードワーフとかハイエルフとかも居たか。


 イベント・クエストでお世話になった種族ではあるが、異世界の現実だとどんな感じになるのだろう。


 そんな事を考えていると、俺の家に到着した。



 さて、イベントは今起こるのか、明日の朝起こるのか。


 そう思いつつ、比較的粗末な木造の家の鍵を開け、中に入り暖炉に火をともして簡単なスープを造る事に。


 収穫から三日以上過ぎた為にしなびている葉物野菜と根菜、生活魔法で作った水を鍋に入れ、塩漬けの魔イノシシの肉を少し入れて、カビの生えたパンのカビの部分を削ぎ取っていると「ドンドンドン」とドアを叩く音。


 ああ。


 イベントが始まるのは今日なんだ。


 少しグッタリとしながら、扉を開けると二人の女性が立っている。


 「ちょっと。ヨシマサちゃん。何していたのよ」


 そうお姉さん面してお説教モードなのは幼馴染で、この村の村長の長女のマドリーン。


 「マサヨシ君、野菜が水不足で枯れそうになっていたよ」


 そう心配そうに言ってきたのも、幼馴染のアリーサだ。


 「はあ」と溜息をつくと、マドリーンの怒りに火を注いだようで「ねえ。3日も留守にして何をしていたの。畑もほったらかしにして」と怒った口調で言って来る。


 なので、ゲームの会話を思い出し、今後の為に注意しながら発言と行動をする事に。


 「ああ。魔物を狩りに行っていた」


 そう言うと二人とも驚いているが「ど。どうして」と誰何して来たのはマドリーンの方。


 アリーサの方は、心配そうな表情で黙って聞いている。


 いや。


 ちょっと涙目かも。


 ゲームだと、ここで『強くならないと、守りたい人を守れない』か『村長に、魔王の狂乱が始まったから自警団に入るか、この村から出て行けと言われた。だから、村を出る前に強くなる事にしたから』の2つの選択肢があった。


 ここですべき返事は。


 「強くならないと、守りたい人を守れない」


 「えっ。魔王の狂乱の事」とマドリーンは何故か驚いているが、横に居るアリーサも驚いているか。


 だからゲームの通り「そう。畑を耕すだけで安心して暮らしていける時代は、終わったんだよ」と言うと「そ。そんな」とマドリーンが絶句する。


 「と言う事で、明日も狩りに行くから、食事をして寝たいんだけど良いよね」


 そうゲーム内であった発言だけをして扉を閉めるが、二人の驚き困った表情が心に刺さった。


 二人には、俺の性格が急変したように見えるだろうし。


 あの娘達に明日強引に選択を迫る。


 結果は、ゲーム通りになるのだろうか。


 ゲームでは、このタイミングで『村長に、魔王の狂乱が始まったから自警団に入るかこの村から出て行けと言われた。だから、村を出る前に強くなる事にしたから』と言うと、目的通りにはならないんだよな。


 だから、これで良い筈と今は深く考えずに、食事をし、携帯食の準備をし、感知スキルの探索で二人が無事に家に帰った事を確認。


 そして、隠形の掛かっているメルを家の中に出して食事を出してあげ、寝る事にした。

 イベントが開始したようです。

 主人公は気が重いようですが、どんなイベントなのでしょうか。

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