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第41話 村と文明レベル

 主人公は、始まりのダンジョンで寝泊まりするのではなく、今日は家に帰る様です。

 その移動の間に、色々と思い出した前世の事と今いる世界とを比較する様です。

 始まりのダンジョン中級での狩りを終え、今日は家に帰る事にした。


 なので、ダンジョンの位置がバレない様に俺自身に偽装スキルの隠形を掛けた上で迂回し、街道に出て隠形を解き村に向かって小走りで進んでいる。


 メルには影に入ってもらったので、安全確認以外にする事が無い。


 と言うか、安全確認しながら、色々と考え込んでしまう。


 この3日間で思い出した前世の事。


 なんて言うか、思い出したと言うか、思い出そうとした事については記憶が鮮明になったと言う感じかな。


 なので、その思い出した事及びプラスαから自然と前世と今の世界の比較をしてしまうのだけど、なんて言えば良いのか。

 

 村は、巨大な城壁で囲まれている。


 土魔法に大地を操る事で城壁等を造れる魔法があり、それにより造られた高さが10メートル弱で厚さが3メートル以上ある結構丈夫で凄い城壁。


 その城壁が直径一キロ程度の汚い形の円状になっており、村人を守っている。


 それを見ながら、村の門へ。


 上から門番に「誰だ」と誰何される。


 夜だから、盗賊や夜に活性化する魔物を警戒し、門は閉まっているからだ。


 誰何に「ヨシマサです」と答えると魔石灯で照らされ、俺だと確認され、梯子が下ろされる。


 それで門の上に登り、ステータスウィンドウを可視モードで見せて、お礼を言って城壁から村の方へ降りて自分の家に向かう。


 そして、前世とは違う、土星の様な環を持ち大陸と海を持ち雲まである様に見えるこの世界の月の光を頼りに家に向かう。


 以前より月明かりで村の様子が良く見えるのは、今忍び職で暗視が出来るからなのか、ステータスが上がった事によるのか。


 それとも、感覚強化スキルをランク1だけど取得しているからか。


 でも、感覚強化の強化機能はOFFにしているから、単に上がった器用ステータスか何かが影響しているのだろう。


 ああ。


 暗視機能はONにしてあったか。


 しかし、改めて村の様子を見ていると思う。


 この世界は歪かな。


 前世の知識と比較すれば、だけど。


 剣や盾を使っての戦闘なんて技術レベルが中世だ。


 王国や帝国しかなく、民主主義なんてどこにも無い筈だし。


 生活レベルも基本中世から近代程度になるのだろうか。


 うちの場合、食事は薪を使った竈とか暖炉とかで火を通すし、水は井戸から汲んできた水を水瓶に貯めておいて使っているし。


 でも、魔法により前世より便利な部分もあるし、魔道具にも電気製品と同等以上のモノがあると聞く。


 俺でも入手できる魔石灯や魔石コンロは、前世と同レベルの便利な物か。


 俺達が畑を耕す道具は鍬とかだけど、農業をしてくれるゴーレムが居ると聞いた事もあるし。


 農作物は、基本前世と同じだけど、連作不良とか聞いた事が無い。


 ただ、美味しい作物を作ろうとしたり、収穫量を多くしようとすると、近くの森から腐葉土を持ってきて土に混ぜたりする。


 畑を耕す等しなければ、根の張りが悪くなり、作物の品質が下がると言うのもあるか。


 でも、柑橘類とリンゴと梨と葡萄とキーウィと桃とバナナ等が、同じ地域で取れたりするのは、前世から考えると気候を無視しているから異常か。


 でも、実がなる時期とかは、前世に準じている気もする。


 そう言えば、前世の日本に準ずる四季はあるから、この星が太陽に対して傾いているといった地軸の傾きとかもあるのだろう。


 後、この村では稲作はしていなくて麦やトウモロコシがメインか。


 イモや豆類もあるけど。


 そう言えば、作物に対する害虫は居ないし、病気も作物をあまり密集させていなければ発生しないと聞いているから、やっぱり前世とは違うか。


 作物は、前世より水不足にも強そうだけど、他にも細かい違いはイッパイありそうで、良く分からないけどね。


 他の歪な点と言うと、人の移動には馬車が使われる事も多いが、走る事も多いと言うのもあるか。


 ステータス制が採用されていて、強くなった人は馬鹿みたいにタフで素早くなれるから。


 ちなみに馬車に関連するスキルとして、ゴーレムを造れる人形使い魔法スキルと言うのがある。


 その力は一般的では無いのだけど、一度ゴーレムを造ると長持ちするからか、馬代わりのゴーレムや馬車として自走するゴーレムが多く存在し使われているので、前世の中世等と違い馬の数は少ないかも。


 後は、俺は未だ乗った事が無いけど魔飛行船と言った魔道具により空を移動する事もできる。


 ゲームでは良く使った移動手段だったんだけどね。


 俺でも乗った事のある自走するゴーレム馬車とかは、自動車に近いのか。


 だけど、そう言う前世の中世より移動手段がありそうなのに、人が住む領域である城壁に囲まれた市町村は孤立しがちだ。


 なんせ、移動途中に魔物が出るから、命がけになるしね。


 だからか、海産物は乾物しか見たことが無いし、この村では値段が高めか。


 でも、胡椒とか唐辛子みたいなのも村で造れるので、調味料が不足する事はないのか。


 他にも、味噌や醤油みたいな発酵により造る調味料も、料理スキルにより安全に早く造れるらしく、ありふれている。


 塩は、彼方此方に岩塩の地層があるらしいし、魔法の応用により少量なら造れるから、前世程重要視されていない。


 水は、基本川や井戸から得られるが、魔法により確保する事も出来るし、その方がきれいな水だったりする。


 だけど、大量に水を造るのにはそれなりのMPが必要だし、水を作れる魔法を持つ人はそれ程居ないので、各家に風呂があったりはしない。


 まあ、風呂の部屋は確保されていても、水を張り湯を沸かすと言う作業が出来る人達だけが風呂に入れる状況なのかな。


 俺は、沸かした湯で体をふいている程度だし。

 前世と比べると、この異世界の文明レベルは歪のようです。

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