第39話 地下4階
主人公は順調に強くなり、始まりのダンジョン中級の最下層、地下4階へと向かう様です。
3級職を一通り極め、忍びでレベル21以上になれば4級職も全て一人前になる処まで来ている。
つまり、それなりの力を手に入れた。
そして、今は4級職の忍び。
更に、俊敏に補正のある職業だから、地下4階でも戦えるのではないか。
そう考え、地下4階へと向かう。
また、地下4階へ向かう階段の途中に、簡易転移の場所指定をしておく。
駄目そうなら、逃げ出すことも視野に入れているからだけど、多分大丈夫だろう。
と言うのも、基本的にダンジョンは先に進むほど強い魔物が居るのだけど、この始まりのダンジョン中級の地下3階と地下4階には同じDランクの魔物が居る。
そして、地下4階はハイオークとリザードマンの筈。
どちらも、ゲームでも厄介だったゴブリンアサシンと比べれば、特徴のない楽な魔物だと推測しているから。
まあ、リザードマンは湿地帯だと厄介だ、とかありそうだけど、ここは迷宮タイプのダンジョンだしね。
一応、感知スキルの探索でも魔物の気配の強さを読み取り、それ程強そうにない事を確認。
早速、地下4階に侵入し、感知スキルの探索で見つけた魔物に接近する。
居たのはハイオーク。
相変わらず、人型の牙を生やした豚。
いや。
豚はあんな醜悪な顔はしていない。
鋼鉄製の武器も持っていない。
それなりの革鎧を着ていないか。
力は強いので、ガチで近接戦闘をするとダメージを結構受けた気はするが。
と、爆裂火槍を撃ち込み、一発で戦利品に。
感知能力は低いようで、攻撃を受ける前に気が付く事は無かった。
なら、隠れながらで倒し放題か。
と、このタイミングでレベルが21を超えた様で、またスキル取得を迫られる。
う~ん。
ここからはレベルアップによるスキル取得が思う様には行かないだろう、となると罠解除が欲しいか。
宝箱からスキル追加の宝玉を入手できる事もあるんだけど、不確実だし。
と罠解除を取得してランク2にする。
これで、それなりの罠はスキルにより解除できる筈。
次は、感知スキルの探索で感知したハイオークとは違う気配に近づいていくと、リザードマンだな。
トカゲの人型の魔物。
トカゲ人族とかもゲーム内では居たが、あれは人族。
これは、魔物だ。
剣と盾を持ち、下半身は革鎧みたいなので隠している。
この世界のリザードマンは翼を持たない様だが、尻尾はあるな。
これも偽装スキルで隠形をしたまま、爆裂火槍を打ち込むと、一発で頭を破壊出来て、戦利品の魔石が残る。
ああ。武器と盾も残っているか。
やっぱり、地下3階と4階で厄介なのはゴブリンアサシンだったかな。
まあ、油断は駄目だ。
そう思いつつ、ステータスウィンドウのログを確認すると、成長の加護の効果で10倍になった数値がオークが150万でリザードマンが180万の職業経験値だ。
ゴブリンアサシンの方が厄介なのにこっちの方が経験値多いんだと思いつつも、多分姿を隠さず近接戦闘で戦うと難易度が違うのかもな、とも思う。
それに俺達が魔物を倒して得る職業経験値は、彼奴らが内包している生命力とか魔力とかが元になっているのだとしたら、単純な強さと得られる職業経験値がイコールとは限らないか。
そんな事を考えながら、マップを埋めながら宝箱の回収を始めた。
中級では最下層と言う事もあり、ミスリルの大剣Ⅲ、ミスリルの斧Ⅲ、MP回復薬Ⅲ5個、エリクサーⅠ・5本、魔晶石B11個、225323GAZU、生活魔法スキルの宝玉、鑑定スキルの宝玉、交流術スキルの宝玉、亜空間魔法スキルの宝玉を手に入れた。
早速、宝玉を使い、生活魔法がランク3に。
これで、簡易テント作成、魔物避け、簡易家具作成が可能に。
ランク内のグレードが上がれば、簡易トイレ作成、簡易風呂作成、簡易キッチン作成まで出来る様になる。
早くグレードを上げて、仮初のトイレとか風呂とか造れる様になりたいな。
家のトイレは疫病対策で水洗だけど水は自分で運んでくる必要があるし、家に風呂ないから、生活レベルを上げられるだろうから。
まあ、MPをそれなりに使うけどね。
ゲームだと生活魔法は無意味な魔法が多くネタスキルの側面が強かったのに、現実だと大助かりだ。
また、鑑定もランク2になった。
ランク1だと自分や自分の物しか通常の鑑定が出来なかった。
これで、自分及び自分の物になら詳細鑑定も出来る様に。
更に、同じパーティメンバーについては通常鑑定できるし、第三者も簡易鑑定となり、敵対者は名称鑑定で名前は分かる様になる。
また、交流術と言うコミュニケーションをとる事が上手になる及びコミュニケーションを補佐してくれるスキルもランク1に出来た。
ゲームだと、これを持っていると仲間の好感度が上がり易くなるって効果があったけど、普通にしていれば好感度は上がるから必須では無かった。
でも、これから村から出立する為のドタバタがある筈だから、これも助かるのか。
そして、亜空間魔法。
幸運ステータスが平均値の200だと、下手すると一度も手に入らずゲームを終える程のレアスキルだった。
まあ、その辺がゲームと同じとは限らないが。
ランク1だと『亜空間収納』魔法と言う格納箱スキルと似たような事が出来る力だが、格納箱が容量と個数で制限があるのに対し、亜空間魔法の亜空間収納は、容量のみ限界があり数では制限が無い。
ゲームの時は、格納箱スキルは自動で同じ又は似たものを纏めてくれた上で格納してくれていたのが現実だと無いので、亜空間収納の方がかなり便利な力になるのか。
スキルからの基本的な説明を聞いていて、そう気が付き、亜空間魔法スキルに詳細を質問するとやはり便利そうだ。
収納目録と言った同じ機能もあるけど、明確に格納箱スキルの上位になる力の様だ。
後は、格納箱も亜空間収納も生きている魔物とか人とかを入れる事は出来ないのだけど、亜空間魔法はランクが上がれば亜空間部屋と言う生きている人や魔物も入れられる別空間を造れる様になる。
他にも、格納箱スキルは格納箱を出して、それに触れる事により出し入れするが、亜空間収納は、自分の物、パーティのモノ及び誰の物でも無い物で収納可能距離にあるモノは意識するだけで出し入れできるので、力を隠すのには亜空間収納が向いているか。
他にも細かい違いはあるけど、気になる大きな違いとなるとランク2になると、亜空間収納内の時間を止められるので劣化を防止できると言う違いもあったか。
まあ、それは先の話だけど大量の物を持ち運べる力が増えるのはラッキーだ。
主人公は、スキル追加の宝玉で、様々な力を手に入れた様です。




