第306話 弱く偽装した状態は
主人公は、早めに出立し、食料や荷馬車などを亜空間収納し、料理神の祠に向かうようです。
今日は神像へのお祈りツアーがあるからですが。
しかし、弱く偽装しているのに当てにされる等、想定外の事態になっている様です。
25万GAZUも払い、料理神の祠へのツアーに参加する。
まあ、料理士への転職条件を得られるから、金額に見合うモノではあるんだけど。
以前、俺達だけで行って魔物の多さで逃げ帰る事になった祠だしね。
しかし、弱く偽装しているのに、戦力として頼りにされるかもしれないとは。
まあ、魔王の狂乱の時代に入ったばかりだから、魔王の狂乱についてや魔族の様子を調査する為に戦力が割かれてしまい、こういった場所の戦力が不足してしまうのは分かるが。
そう思いつつ、料理神の祠へ出発するまで冒険者ギルドの掲示板を見たりしていると、ギルドの職員から呼び出され、冒険者パーティを紹介される。
そこでパーティ名と名前程度の簡単な自己紹介の後、直ぐに料理神の祠に出発。
なので、今は軽く走り移動しながら互いの職業と言った自己紹介や今回の事についての説明を受ける事に。
今俺と話しているのが、ミスリルの絆と言う冒険者パーティのリーダーのガロードさん。
年齢は20代後半だろうか。
ステータスが高くなると若い期間が長くなるから、見た目で判断は難しいけどね。
戦士系と僧侶系の素質を持つ騎士職に就いている人間の男性だ。
既に4級職だから、それなりの強者と言えるだろう。
ただ、俺達の様に他の4級職を極めたりはしていないので、大神官で身に付けるスキルは得ていない様だけど。
その横に居るのは、メルルさん。
忍び職で猫人族の女性。
彼女も20代後半に見えるが、真実は分からない。
なお、二人は夫婦との事。
二人に続いて走っているのが、男のドワーフのバルドーさん。
重戦士と採掘士を経て5級職の鍛冶師となっているそうだ。
そのバルドーさんの横に居るのが、男の狼人族のゲーリックさん。
重戦士から木工士になっているそうだ。
そのバルドーさんの後ろに居るのが人間の女性のスターリアさん。
今は大神官職だそうだ。
そのスターリアさんの横に居るのが、キツネ人族で女性のオベリアさん。
今は魔究師だそうだ。
4級職と5級職からなる、結構強いパーティとの事。
ちなみに、後ろの女性二人は、うちの女性陣4人と話し込んでいるので、俺が話しているのは前に居る4人だ。
で、今はリーダーであるガロードさんを中心に説明を受けたり、質問を受けたりしている。
「今回は、強いパーティの下に斥候系や魔法使い系の居るパーティを付けて、万が一に備える事になったんだ。
だから、君らは基本俺達の指揮下になる」
そのガロードさんの説明に「駄目だと思ったら、逃げても良いですか?」と、直球で聞いてみる。
「あ~。君が隠密だったか。まあ、しょうがないけど、他の人の足を引っ張る逃げ方は止めてね」
「どういう逃げ方でしょう?」
「悲鳴を上げながら逃げたりとか、周りの人の邪魔をしたりとかかな」
「なるほど」
「しかし、とんだハーレムパーティだと思ったけど、そうでもないのか?」と、ゲーリックさんが言って来る。
「ん。ある意味ハーレムパーティですけどね」と素直に認めてみると。
「ああ。そう言う意味じゃなく、ちゃんと戦力のバランスが取れているって事」と、ゲーリックさんが俺の勘違い部分を指摘してくれる。
「正直、マダマダですけどね」
「しかし、皆3級職でレベル27だろう」と、ゲーリックさんは、おだててくる感じ。
今回、他のパーティと一緒に行動すると言う事で、しっかりと皆のステータスウィンドウを偽装している。
俺は、隠密LV27。
持っているスキルは、感知ランク3に、偽装ランク3と言う事にしている。
正直、4級職の忍びにしておこうかと思ったんだけど、忍び職でもレベル40に達していると、国からの指名依頼と言う名の徴兵があったそうなんだよね。
だから、これで良かったのかなと思うが、スキルにもステータスにも力が無さすぎる設定なので注意が必要だろう。
マドリーンは、魔導士LV27。
風魔法ランク4、杖技ランク1、水魔法ランク1との偽装。
風槍を多弾頭で使える設定にしておいた。
アリーサは、神官LV27。
生活魔法がランク2で、傷治療魔法、異常治療魔法、杖技、生活魔法、精神異常耐性がランク1と言う事にしてある。
クラリッサが、重戦士LV27。
剣技ランク3、体術ランク2、強打ランク1にしてある。
装備は、鋼鉄の大剣Ⅱに変更してもらった。
ラファエラが、重戦士LV27.
剣技ランク3,盾技ランク2、体術ランク1との設定だ。
装備は、鋼鉄の剣Ⅱと鋼鉄の盾Ⅱに変更してもらっている。
正直、この辺のスキルに付いては明かしたくなかったが、向こうがある程度明かしてきたので、しょうがないと言う事でミスリルの絆の人達に偽装後の職業とスキルに付いて話した。
「レベル30になれば4級職か5級職になって、もう一ランク上に行けるだろう。
もう強者への入り口近くに居ると言って良いと思うけど」
そうガロードさんは言ってくれるが。
「いえ。ここからのレベル上げが大変です。焦って強めの魔物と戦ったりしたら、あっさり死にそうですし」と、俺なりの意見を言っておく。
「良く知っているな」とバルドーさんが褒めてくれている感じ。
「いえ。2級職から3級職になる時も、ある程度大変でしたから。まあ、知り合いにお金を払ってレベリングしてもらい、比較的簡単に突破できたから良かったんですど」と『当たり前でしょ』と言う感じで言っておく。
「まあ、そうだよね。皆が通る道だ。まあ、そう言う道があるだけでも、俺達は恵まれているのだろうけど」と、ゲーリックさんが過去を思い出す感じで言って来る。
戦士にすら才能がない人が半分は居るからな。
友人に才能が無かったりしたら、色々と思う処は出て来るのだろう。
「しかし、魔王の狂乱から慌てて鍛え始めたとはな。大変だっただろう」とガロードさんが言って来るが、その意味が分からなかったので「大変?」と聞き返す。
「魔王の狂乱が始まると、世界に満ちている魔力である魔素が濃くなるんだそうだ。
だから、同じ魔物でも微妙に強化されているのを知らないのか?」
そうガロードさんは心配そうに聞いて来る。
「……、知りませんでした」と、正直に返事をしておく。
「大丈夫かよ」と、ガロードさんは心配から呆れた感じに変わる。
「まあ、感知スキルのお陰で、強そうなのは避けているんですけど、変だなとは思っていました。
3級職の俺達なら楽に倒せる筈のEランクの魔物にすら、苦戦した事がありましたから」
「あ~、感知スキルのお陰で自然に危機を回避していたのか。
なら、その感覚を信じればいいけど、パーティが全員3級職でボスがDランクだから何とかなるか、なんて戦いを挑んだら何も出来ず全滅する事もあるから注意した方が良い」
そうガロードさんには俺の発言に違和感を持たずに信じてもらえたようだ。
なので変に言い訳はせず「はい。ありがとうございます」と素直に返事をしておいた。
魔王の狂乱の時代は、世界に満ちている魔素が濃くなり、微妙に魔物が強化されている。
ゲームだと、その時間軸は魔王の狂乱の時代だけなので、ゲームの知識がメインの主人公は知らなかったようです。
だとしても、勉強不足なのは否めませんが。




