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第3話 魔力とその利用

 主人公は、ダンジョンへと向かう様です。

 その途中で色々と考えていた処、『ゲームと異世界の現実が同じである筈がないのでは?」と気が付いた様で。

 ゲームだとその場所に訪れた事でイベントが始まったり、イベントフラグを満たす事でイベントが始まったりした。


 だけど、あれは現実でありえるのかな。


 そう言えば、最初のイベントとして自宅で朝目覚めると同時に『魔王の狂乱が始まりました。このままでは人が滅びてしまうかもしれません。古から伝わる勇者候補とその仲間だけ入れるダンジョンへ向かい、旅立ちの準備を行いなさい。死にたくなければ、仲間を失いたくなければ急ぐべきです』と女神が出てきて告げられるCGムービーがあったんだよな。


 しかも、ダンジョンのある場所も、それで表示されるようになるんだけど。


 前世の記憶が戻ったのが、それに相当するのかな?


 あの女神は『急ぐべきです』とか言っていたけど、オフラインのゲームだったから主人公を中心に世界が動いていて、全然急ぐ必要はなかったんだけど。


 『貴方に力を』とか『期待しています』とかでなくて、『急ぐべき』なんて違和感があったんだけどまさかね……。


 ゲームに似た世界だけど、ゲームとは違う?


 それらの事を意識しておいた方が良いのではと思いつつ、ゲームでも通った隠しダンジョンへと向かう事にする。


 すると、村を出る前に村長に捕まり、やはり「ヨシマサ。お前も成人男子だ。魔王の狂乱が始まったから、自警団に入り魔物と戦え。それが嫌ならこの村から出て行く事だな」と言われてしまった。


 この辺はゲーム通りなのか。


 そう思いつつ、村から出てダンジョンへと向かう。


 装備は、鋼鉄の剣、木の盾、ビッグボアの革鎧セット。


 予備の武器は、鋼鉄の槍と銅の剣。


 魔力のこもった石である魔石で明かりが灯る魔石灯や、薬学スキルにより魔力と原材料で造られた前世の薬より効果のある魔生薬の魔傷薬・魔毒消し薬も家にあったモノを全部持って来た。


 前世には無かったこの『魔力』と言う力。


 まあ、電気みたいなエネルギーの一種なのかな。


 電気と違う点はイッパイあるけど、その中でも大きな違いと言って良い点は俺達人族、魔族、魔物等の心臓から自然に生み出される事。


 そして、それをその個体が蓄え自由に出来る点やその魔力はMPマジックポイント呼ばれ数値化され管理できる点が、前世の各種エネルギーとは違うかな。


 勿論、その魔力でモノを作りだしたりすら出来る『万能な力』と言う点が、最も大きな違いかもしれないけど。


 その俺の管理下にある魔力だけど、自分の体の様に意思により動かしたりでき、息を吐く様に体の外に出したりもできるけど、なんて言うか前世の何に置き換えれば簡単にイメージできると言うモノではない。


 あえて言うなら、筋肉を動かすエネルギーや筋肉について俺達は普段認識していないけど体は思い通りに動かせると言った事と似ている、と言った感じなのかな。


 だけど、この世界にはその良く分からない魔力を前提としたモノがたくさんある。


 スキルと呼ばれる力の行使にも魔力は必要。


 例えば、前世ではありえなかった火魔法と言ったスキルだと、火弾と念じると、支配下に置き蓄えてある魔力であるMPが消費され、対象を焼き殺したりできる火の玉が飛んでいく。


 他にも、魔法薬とか魔生薬と呼ばれる薬にも魔力が込められており、それに込められた治療の魔力により、前世では考えられない瞬時の治療や劇的な治療が可能だったりもする。


 また、人の管理下に無く空間などに満ちている魔力である魔素は、多分世界の理に管理はされているのだろうけど、人の管理下に無い高エネルギーとして存在する。


 そして、そのエネルギーが使われ魔物が発生すると言う設定だったか。


 その魔物は、その体内に魔石と言う魔力の込められた石があり、その力は人の管理下には無いが、スキルや魔道具により、その魔力を使う事も出来る。


 まあ、異世界モノではよくあった、設定か。


 ちなみに、この異世界は一年が12か月、1カ月は30日間だけで、一日は24時間で1時間は60分で1分は60秒と言った感じで、単位とかは前世に似ている。


 キロとかメートルと言った単位も同じかほぼ同じだと思う。


 野菜とか果物等の名称も同じだしね。


 世界のフォーマットが前世とほぼ同じなのか、それとも俺の頭の中か何かで、この世界の単位や名前が前世の単位や名前に変換されている可能性もあるのかな。


 でも、通貨は違っていて、食料品を基準とするとこの世界にもあるキャベツが8GAZUから30GAZUくらいだから1GAZUが10円に相当するくらいだろうか。


 でも、前世とは違って科学技術が発達していないので、物によって物価は全然違う部分もあるけどね。


 ちなみに、魔石灯や魔飛行船と言った魔力をエネルギーとする物を作れる魔機工学と言った科学に似た技術もある。


 だけど、それは誰でも習得できる技術ではなく、結果魔機工学を使って製造できる人の数が少ない為に、簡単なモノでもそれなりの値段になる。


 例えば、前世だと数百円で買えた懐中電灯の代わりとなる魔石灯が数万円以上すると言う感じ。


 そんな事も思い出したり考えたりしていたら、ゲームで何度も通った場所である森の中の崖の下にある大岩に到着した。


 ゲームだともっと近くにあった感じで簡単に到着したんだけど、と思いつつその大岩に触れてみる。


 軽く殴ってもみたが、岩だね。


 だけど、これは世界の理で作られた触れられる幻影って感じのモノって設定だった。


 なので、ゲームでこの岩の所まで移動した時に出た選択肢の『岩だよな。やっぱり』と『これは偽物』とのメッセージを思い出し、『これは偽物』と思いつつ触ると、手が岩をすり抜ける。


 すると、岩の一部が半透明になり、地下へと向かう洞窟になり、その先には黒っぽいコンクリートで作られた様に見える、縦横12メートル程度、奥行き50メートル程度の地下へと向かう長い通路が視界に広がる。


 そして、その奥には地下一階へと向かう階段が。


 ふう。


 これが異世界の現実の始まりのダンジョンへと向かう通路か。


 そう思いつつ、多分誰にも取られないだろうと、寝袋や大き目の袋や4日分の食料等を通路に置く。


 重いし嵩張るからね。


 この奥の階段の先にある始まりのダンジョン初級は、迷宮タイプのダンジョンで、弱いモンスターが湧く。


 しかも、このダンジョンは薄っすらと明るく、松明とか魔石灯とかライト(照明魔法)と言った照明が必要ない。


 現状、持てる荷物が限られているから、非常にありがたい設定だ。


 何十回どころか、何百回・何千回とクリアした始まりのダンジョンの初級は地下2階までだった。


 急ごう。


 ゲームではあまり無かった『時間経過による手遅れ』が起らない様にする為に。

 主人公は、ダンジョンに到着しました。

 ここで、戦いを始めるようです。

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