第298話 襲って来る者達と世界の理
主人公は、亜空間部屋で寝ていたのですが、警戒はしています。
総合商店で大量に買った為、悪い連中に目を付けられたから。
その連中がやって来るようです。
今朝は、と言うか深夜に睡眠スキルではなく感知スキルの警告により目を覚ます。
感知スキルの察知で悪意を感じていたから、亜空間部屋のドアを通じ探索の魔力の網を宿の周りにも広げておいたから。
全く。
余計なMPを消費させた上に、泥棒までしに来るか。
不愉快さに顔をしかめながら起き上がると、ラファエラも目覚めてしまう。
「ご主人様。盗賊が来たんですね」
「ああ」
「……、荷馬車の荷物狙いですよね」
「盗賊ならそうだし、君達も狙うなら強盗か。
その辺を確認して、相手次第では暗殺してくる」
「私も行きます」
「ああ。今回は、俺が極忍への転職条件を得る為に俺だけに行かせて」
本当は、汚れ仕事って思ってしまう人殺しなんてさせたくないからだけど、そう言っておく。
「……、はい」
複雑そうなラファエラの為に癒し担当のメルに影から出て来てもらってから二人を亜空間部屋に残し、亜空間部屋のドアと俺自身に偽装スキルの隠形が掛かっているのを確認。
更に明鏡止水スキルで偽装スキルの力の強化をして、亜空間部屋から出た。
盗賊どもは、少しずつ包囲を狭めている感じか。
クラリッサは、と言うと感知スキルの警告で目覚め、どうしようか決めかねている感じか。
まあ、荷馬車の荷物程度なら盗られても良いのかもしれないが、気配はもっと凶悪な感じだな。
ステータスウィンドウに犯罪歴が載る上に、感知なんてスキルがあるから、王都みたいに鑑定や感知と言ったスキルを備えている人が多い場所では、犯罪は起きないって思っていたんだけど。
人なんてこんなものか。
いや。
社会制度の歪みが原因ってパターンもあるか。
貧しい人達も多いみたいだし。
だけど、理不尽にこちらから奪うと言うのなら。
何より、こちらに危害を加えて来るなら。
俺は躊躇しない。
そう心に決めてある。
クラリッサの御両親を殺したのは人だしね。
地下室から地上一階へと移動しながら、相手の状態を確認する。
俺自身に偽装スキルの隠形をかけ、ドアとかに偽装スキルの変化していないと偽装する事で、彼奴らは俺の存在や移動を感知していない様だ。
まあ、ランク5を超える感知スキルを持っているなら、盗賊なんてしなくても生活できるか。
偽装スキルで隠れている俺達を感知出来るだけのスキルを持っているとなると、戦士と斥候の才能を持つダブル以上だろうし。
そう言う人なら国からスカウトを受けるなり、冒険者として大成したりしているだろうけど。
でも、絶対ではないか。
人殺しが好きな奴も。
他人から盗む事に喜びを感じるような奴も、多様な人の中には居るかもしれないし。
権力者によって理不尽な目にあって、盗賊に落ちたなんて、ありそうだしね。
でも、こちらに向かって来る以上、温情は掛けない。
玄関のドアを開けて外に出ても、こちらの偽装スキルによる偽装や隠形を見破れていない様だし、後は暗殺するかどうかだ。
さて。
どちらだろう。
この世界の理だと、殺人者には殺人者とステータスウィンドウの称号欄に称号が載る。
犯罪者の場合は犯罪者と。
まあ、犯罪者の方は多少の暴力では載らないとか、盗んだモノの金額が低い場合とか、相手が盗まれた事をあまり悪く思っていない場合とか、善悪の判断がまだ十分でない子供だと載らない事があるとか、色々と判断の難しい処はあるけど。
重い罪だけとか、加害者と被害者の意思を読み取り悪質なモノだと世界の理が判断した場合に犯罪者と載るのでは、と言われているって話だけど、まあそれは良いか。
兎に角、世界の理で罪を認定し、称号が付与される。
その称号は、1人の殺害ごとに殺人者の称号が3日付く。
まあ、その人のステータスウィンドウの称号欄を解析鑑定すると、期間経過で消えた犯罪歴が確認出来たりするが、それは高ランクの鑑定スキルといった特別な力を持った人にしかバレない。
そんな世界の理になっている。
また、殺人者の称号持ち場合、相手を注視すると赤黒いオーラに包まれていて、他の人に簡単に分かる様になっている。
犯罪者の場合は、紫だ。
そして、殺人者の称号持ちを殺しても殺人者の称号は付かないし、オーラも赤黒くならない。
犯罪者の場合は、手足を切り落として死なない様に治療をすると言った死なない程度の暴行をしても、犯罪者の所有物を自分の物としても、犯罪にならない。
そんな理になっているから犯罪が少ないかと言うと、既に盗賊を全滅させたことがあるので分かる通り、どうしてもそう言う人がいるんだよね。
また、罪を犯さないと罪の認定がなくオーラの表示が無いのかだけど。
まあ、未だ犯罪の行っていないので罪の認定は無いけど、正当防衛は許される、と言う理なのだろう。
例えば、相手が俺に殺意を持ち、更にそれを実行すると意識した途端、その人はオレンジ色のオーラに包まれ、その人を俺が殺しても殺人者にならない。
犯罪の場合は黄色のオーラだ。
ちなみに、正当防衛だと色付きのオーラが見える場合は、オーラは害意・悪意を無くしてから3時間で消える。
ちなみに、奴らはまだオーラを纏っていない。
まだ、決断しきっていないと言う事だろう。
いや。
プロだから、ギリギリまで意志を確定させていないのかもな。
と、慎重に対処する事にした。
主人公は、殺人に未だ抵抗があるのか、同じ様な事を何度もぐるぐる考えた上で慎重に対処するようです。




