第281話 ゴブリンエンペラー戦
主人公は、初めての始まりのダンジョン上級の中ボス戦に挑むようです。
その為に、幾つかスキルの宝玉を使いスキルを強化しましたが。
中ボスの居る大き目の部屋の前で、あらためて気配を探る。
今まで戦って来た敵の中では一番強いとは思うが、俺も強くなってきているので、どうなんだろう、と言う感じか。
まあ、勝てると思っているから挑戦するんだけどね。
隠れて攻撃して完封と行きたい。
所詮、ゴブリンエンペラーは感知に優れている、と言う設定のモンスターでは無いんだから。
だけど、Bランクに属する以上、Bランクとして最低限の感知能力は持っている。
それがどの程度か、なんだよね。
少なくとも、偽装の隠形を施していない感知スキルの探索に反応はしなかった。
なら、少なくとも最初の一撃は、こちらが先手を打てる筈。
いや。
先手を打てるだろう、くらいか。
先ずは、明鏡止水スキルを使い、全てのスキルを12分間強化する。
次に、覚醒スキルを使い知力、精神力を上げ、器用と俊敏を少し上げる。
更に、限界突破を使用し、HPとMP以外のステータスを上げる。
そして、聖魔法の聖の祝福を使い、HPとMP以外のステータスを上げる。
意を決し、迷宮の中の巨大な部屋と言う感じのボス部屋に入る。
まだ俺に気が付かないが。
赤い全身鎧と別名斧槍とも呼ばれる槍と斧の両方の機能を持つ赤いハルバートと巨大な赤い盾を持っているゴブリンエンペラー。
皇帝って感じではなく、強戦士と言う感じだけど。
ああ。
豪華なマントを付けているのが、戦士っぽくないか。
さて。
MP回復薬Ⅳを飲んでMPは、ほぼ満タンだ。
初撃の魔法は何を選択すべきか。
ボス部屋に入るまでは、強化した槍系の魔法を雨の様に打ち込むつもりだったが。
立ったまま眠り、部屋の真ん中で佇んでいるオークエンペラー。
俺の1.5倍から2倍の身長があり、やせ型か。
鎧を着ているから動きは早そうに見えないが、ランクBだから、それでも高速で動きそうだ。
床と天井に土魔法の硬質化を掛け、火魔法の広域業火の高温化と効果時間延長をイメージにより指定して発動させ、その直後に土魔法の大地創造で天井と地面のサンドイッチで潰す。
そうするつもりで魔法を発動。
しかし、奴は業火の発動と同時に俺を見つけ、大地創造に驚きながらも俺に突進してきてハルバートで攻撃して来る。
それを聖魔障壁で防ぎ、距離をとったのだけど。
必殺とまではいわないが、業火と大地創造の合わせ技による攻撃を、あっさりと回避されてしまった。
土魔法は、その属性上、どうしてもスピードを上げにくいからな。
しかし、業火は避けきれずに奴を焼いたはずなのに。
そう注視すると、鎧の隙間から見えている目の近辺は焼けている様に見える。
しかし、あっという間に焼け跡がなくなってしまった。
再生スキルかよ。
俺がそう突っ込んでいると、目を開きこちらを睨んでくる。
……、感知系のスキルか何かで、目が見えなくても敵の位置を把握し攻撃できるんだ。
さて、どうする。
そう考えながら、火槍を大量発生させ打ち込む。
すると、それを盾で防ぎながら接近してくる。
接近戦に拘っているのか、それしか出来ないのか。
攻撃を爆裂火槍に変更し、更に巨大石槍も追加して、奴の接近を阻もうとしたが、盾でキッチリ防ぎながら接近してくる。
鋼鉄の盾程度なら、既にひしゃげて役に立たなくなっている筈の魔法の攻撃にも、全く傷んだ様子の無い赤い巨大な盾。
流石、魔法的金属のヒヒイロカネか。
超硬金属アダマンタイトと同レベルの魔法的金属で、熱に強くそれ程重くない為、防具としてはオリハルコンに次ぐ金属とも言われている、だったかな。
イメージで槍系魔法の軌跡をかえて、奴の頭部や腹部を狙うが、鎧の隙間や目の部分に空いた隙間を狙っても上手く鎧を使われ、ダメージを与えられていない。
それどころか、鎧にも殆ど傷を付けられていないか。
役に立たない魔法攻撃を続けてもMPを消費するだけだけど、奴の攻略方法を見つける為には、と次は巨大氷槍も追加して打ち込むが、奴の前進は止まらない様だ。
ならば、と先程取得したばかりの爆裂魔法ランク4の連鎖爆裂を、その攻撃力を上げるとイメージにより強化し、撃ち込んでみる。
奴にとって全方位から連続して起こる爆発。
どうダメージを与えられるか確認しながら奴からの距離をとるが、混乱はさせられたがダメージは与えられていない感じなのか。
なので、更にイメージにより爆発を強力にして打ち込んでみるが、やはり致命傷には程遠そうだ。
しかし、あまり爆裂魔法を強化すると、このダンジョンの天井とかが崩れそうだし。
そう思いつつ、奴の鎧を見てみると、鎧に凹んだ処も無いから、鎧に爆発の攻撃の多くが防がれているのか。
そんな分析をしていると、奴が突撃してきてハルバートを振るう。
それを強めに張っている聖魔障壁の形を変える事で受け流し、奴の体が流れたタイミングで、氷魔法の超低温細氷を奴に使ってみる。
倒すのは無理でも、動きを鈍らせられないかなと言う狙いでだ。
しかし、凍り付いたようにも見える鎧を着たまま、素早い動きでハルバートを叩き付けて来る。
あそこまで冷えた金属なら、皮膚に張り付いて皮膚が剥がれるとかありそうだけど、耐久ステータスが高いから、そうはならないか。
そんな分析をしつつ、聖魔障壁の形を変えて受け流そうとしたが、器用にハルバート振るう角度を変え、こちらの聖魔障壁を叩き壊してきた。
しかし、無理な変更だったのだろう。
「ドゥン」と地面にハルバートは撃ち込まれた事もあり、連続して攻撃はして来なかったので、もう一度聖魔障壁を張り、超低温細氷を打ち込んでみる。
俺自身、聖魔障壁に守られながら魔法の効果範囲を出ると、奴も俺を追いかけてきて、更にハルバートを打ち付けて来る。
そして、また器用に角度を調整し、聖魔障壁を破壊しやがった。
魔法による攻撃があまり通用しない魔物の様です。
大丈夫なのでしょうか。




