第270話 今日二つ目のダンジョンへ
主人公は、新しく職業を得た前衛二人の育成をしつつ、王都近くの隠されたダンジョンをクリアしました。
まだ時間がある様で、もう一つ攻略に向かうようです。
ラリス王国の王都エリラル近郊へ簡易転移。
そこから、王都近くの隠されたダンジョンへと向かう。
崖の下にある岩を偽物だと思いつつ触れると半透明になり中に入れる様に。
なるほど。
明かりのある迷宮タイプのダンジョンの様だ。
皆と階段へと向かい、階段を下りながら感知の魔力を伸ばしてダンジョン内を探る。
このダンジョンは、死霊系が多いタイプだったか。
まあ、明るいダンジョンだからミスマッチだけど、その方が怖くなくていい。
そう思いつつ皆に説明する。
「ここは、地下一階がEランクのビッグバット、ビッグビー。
地下二階がEランクのファントムとグール。
地下三階がDランクのワイトとマミー。
ボスがCランクのレイスだね。
全員聖魔法を持っているし、死霊系やゾンビ系は浄化をすればいいんだけど。
まあ、経験値の事を考えると、俺が倒すべきか。
ああ。
それはDランクからにして、地下二階のファントムとグールは戦ってもいいけど」
「そうですね。死霊系もゾンビ系も戦っておきます」とラファエラは、前向きだ。
クラリッサも、その横で頷いている。
「そっか。前にこのパターンの魔物と戦ったのはリエル王国の王都近くの隠されたダンジョンだから、ラファエラは居なかったか。
飛び回る死霊の魔物に、聖魔法の範囲浄化を上手に使えないかなって、色々とやったんだけど、その練習をしてもらおうかな」
「はい」との返事をもらってから、しばらくして階段を降り終えた。
地下一階はビッグバットとビッグビー。
空を飛ぶ魔物。
「前衛のみで戦ってみる?」と聞くと二人ともやる気。
「空を飛ぶ魔物だから、魔法を絡めてみて」と指示をすると「隠形はどうしましょう?」とクラリッサに聞かれたので「無しで行ってみて」と指示してみる。
最初の魔物はジャイアントバット9匹。
天井に止まっていたのが、接近すると飛び回り始めたが、二人が風矢と火矢で全滅させた。
「ああ。二人とも一匹だけ残して、残りを剣で倒せるなら倒してみて」と更に指示を出してみる。
すると、次のジャイアントバットとの戦闘では、飛び回るジャイアントバットに機敏に追尾してくれる風矢と火矢ではなく水矢と石矢で攻撃してみた様だ。
なので、魔法が結構な確率で外れている。
なので、今度は強化した風矢と強化した火矢を撃ち込み倒した様だ。
すると、残された2匹が危機感を持ったのか接近戦を仕掛けて来る。
それを大剣で真っ二つにしたり、盾で身を守りながら剣で真っ二つにしたり。
「魔法で攻撃すると、突撃してくるんですね」と、クラリッサが不思議そうに聞いて来る。
「さあ。偶々かもしれないけど、魔法を使える敵に対しては空を飛べる有利が無い事を理解している可能性もあるのかな?」
俺がそう言うと、「何度か試してみましょうか」と言う話になったんだけど、次はビッグビー。
蜂の魔物は蝙蝠の魔物とは異なり、飛び回らず、針で攻撃してこようと一気に接近戦になる。
それを避けたりしながら真っ二つにしていく二人。
既に4級職でステータスに差があるから、前の様に体にとまられ針を刺されると言う事は無く、集団で攻めて来ているのに全て真っ二つに。
その次がジャイアントバットだったが、魔法で攻撃しないと剣での攻撃を警戒してか、なかなか剣の間合いに入って来ない。
なので、魔法で攻撃すると動きが変わり噛みつき攻撃と言う接近戦を仕掛けて来た処を見ると、敵に応じて戦い方をかえている様だ。
まあ、頭が良いって程でもないけどね。
そんな確認をした後は、俺が隠れたまま殲滅し続けて地下一階の宝箱を全て回収した。
同じ空飛ぶ魔物でも、持つ攻撃手段が接近戦しかなくても、違うロジックで戦う魔物達のようです。




