第261話 始まりのダンジョン上級の地下三階には
主人公は、スキル追加の宝玉で皆を強化して寝ました。
既に、この大陸の始まりのダンジョン初級、中級は全て制覇。
今朝は何をするつもりなのでしょう。
朝目が覚めると、見知らぬ天井だ。
マドリーンとアリーサはまだ寝ているので、そっとベッドからでて、亜空間部屋の扉へと向かう。
亜空間部屋内のベッドに寝ながら、感知の糸を伸ばして借りている宿の中を探る事も出来る、と確認したが効率が悪い。
なので、扉に触れながら、キッチリ感知スキルの探索で宿やその周りの様子を感知する。
ついでに、昨日行った全知の神の教会や聖なる神の教会も調べたが、異常は無さそう。
一応、ステータスウィンドウを開いてみたが、MPは減っていない。
亜空間部屋1つなら造りっぱなしでもMPが減ったりはしない様だ。
一応亜空間魔法スキルに確認した処、作成にMPを多く使う事で、維持のMPの消費量を落としているそうだ。
まあ、そうでないとユックリ休める部屋にはならないか。
それらを確認して、亜空間部屋から出る。
そして、簡易転移で昨日行ったムーバラス王国の始まりの村へと。
すると、空はもう明るいし。
まあ、寝るのが遅かったからな。
それでも、少し走っておこう。
この大陸にある全ての王国の王都近くに簡易転移の場所指定や転移魔法の座標刻印をするとしたら、このムーバラス王国と、魔族の領域との緩衝地帯である2つの王国の、王都にも行っておくべきだし。
始まりの村から東へ進み2つ目の町で道が分岐するので、その近郊に座標刻印をしてから南西へと下る。
村、町、市と通り過ぎると、王都ゴルドルだ。
王都近郊の感知スキルの探索が調べ難そうな所へ座標刻印と場所指定を。
王都から南へ進み、市と町を超えると次の町が国境の大河に面した町になる。
それ南に進み、村を超えた次の市が国境の都市と言える魔飛行艇の発着基地のあるアンガル市。
そこに1000GAZU払って入り、また乗船賃20000GAZU支払って魔飛行船で大河を超え、ウワーム王国のキメズ市へと。
そこで、1000GAZU払って市街に出て、感知が調べ難そうな所に座標刻印をして皆の所に戻った。
「ヨシマサちゃん。今日も走っていたんだ」と、地下室で皆と裁縫をしていたマドリーンが聞いて来る。
「ああ。王都近くに転移できるようになっていない国が、まだ3つあったからね。
今朝で、後2つに出来けど」
「と言うか朝方までしていたのに、元気よね」とマドリーンは苦笑気味に言って来る。
「まあ、昨日でこの大陸の全ての始まりのダンジョン初級、中級に行ったから、一回休憩って感じの夜だったし、今朝はあまり走れてないけどね」
「そっか。上級に行くの?」とマドリーンは少し心配そうに聞いて来る。
「うん。上級の1~2階を廻るのか、3階まで行くのかは悩んでいるけどね」
「そうなんだ。当然、地下3階は危険なんだよね」
「うん。魔物のランクが上がるから3階以下へ行くのは危険だろうね」
「じゃあ、地下1、2階を廻り宝箱と職業経験値を得て強くなるんだ」と、マドリーンは安全な方を選んでねと言う意味を込めて言って来ている感じかな。
「いや。とりあえず、一度3階へは行ってみようと思っている」
「なんで?」とマドリーンは不思議そうに聞いて来る。
「お告げだと、地下3階から得られる宝の質が上がるのと、地下3階に中ボスがいるんだよね」
「中ボス?」と、マドリーンは中ボスの事は知らない様なので、説明する事にする。
「上級は、地下6階まであるんだけど、その最下層にボスが居るだけでなく、その途中にボスに準ずる中ボスがいるんだよ」
「中ボスを倒したいの?」と、マドリーンは危険な事だと思っているのか、険しい顔をしながら聞いて来る。
「そういう事。まあ、とりあえず様子を見てみたいだけだけど、倒せばリーダーの加護が手に入るから、弱い奴が中ボスならって感じ」
「あ~。あれか~」と、マドリーンは本か何かで読んで知っている様だ。
すると「リーダーの加護って何なんですか?」と、クラリッサが聞いて来る。
「リーダーの加護は、パーティのリーダーが持っていると、パーティの人数の上限を6人より増やす事が出来るんだ」
「それは凄い事なんですか」と不思議そうにラファエラが聞いて来る。
「簡易転移とかパーティ単位でしか出来ないからね。
でも、他にパーティ単位でないと駄目とか無いのか。
ああ。同じパーティだと鑑定がし易いとかあるけどね。
それとは別に、この加護を持っていると、本来なら7人いれば7等分する経験値が6等分で計算されるらしいよ」
「確かにパーティの人数が増えるのは良さそうですし、取得する経験値が減らないのも良いと思いますけど」と、まだラファエラは危険な目にあってまで取りに行く理由が分からない様だ。
「この加護は、リーダーの宝珠を使うと身に付けられるんだけど、リーダーの宝玉1個でパーティの上限が6人から7人へ。
更に2個使うと7人から8人へ。更に4個で8人から9人へ。8個で9人から10人へ。16個で10から11人へ。32個で11人から12人に、パーティの最大人数が増やせるんだよね。」
「そこまで行くと、凄いですけど」
「でも、ラファエラが知らない位、滅多に手に入らない宝玉の一種だからね。
まあ、普通は7人が上限かな。
でも、始まりのダンジョン終末で宝箱を空けると、多少は手に入る宝玉でね。
お告げだと、勇者候補が2~8個程度は手に入れる宝玉らしいよ」
「それって、この大陸の始まりのダンジョンの上級や終末の全てを廻れるヨシマサちゃんだと、10倍になるって事」と、マドリーンは俺が指摘しようと思っていた事に気が付いたようだ。
「そう。1パーティ12人する為に63個手に入れようとは思わないけど、9人体制とかに出来たら、人数が増えた時に皆の育成が早く出来るでしょ」
「と言うか、2人仲間が増えるって言っていたのは、それもあったからか。
7人になるのに良いのかなって思っていたんだよね」
そうマドリーンは、彼女が心配していた事を教えて来る。
「ああ。それもあったね」
そこまで言うと、ラファエラも必要だと思ってくれたようだ。
だけど「5人で上級の3階に行くのでは駄目なんですか?」と聞いて来る。
「もう少し、皆で戦闘訓練をしてからかな。
遠からず行く事になるとは思うけど、それはもう少し皆が強くなってからだね。
まだ、行っていない王都近くの隠されたダンジョンは3つあるし、転職する為にまわりたい神像の祠もイッパイあるし。
それらを終えたらかな」
「そっか。そうですね」と、ラファエラは、あまり納得していない感じだけど、遠からず行く事になるだろうし、気にしてもしょうがないかな。
「さて、皆で朝御飯に行こう」
そう言って、食堂へと全員で向かった。
皆の剣と盾になる。
そう宣言しているラファエラには、何か思う処がある様です
大丈夫なのでしょうか。




