第248話 インプとの戦いでは
主人公は、王都近くの隠されたダンジョンの地下二階での戦いに挑んでいます。
ビッグクラブと戦いの後はインプとの戦いの様で。
インプ。
小型の悪魔未満の魔物と言って良い存在だろう。
あのゲームでは、悪魔系最弱の魔物だったけど、悪魔系がそもそも強い魔物なので、最弱でもEランクの魔物である。
緑や赤や紫と言った皮膚をし、小さめの翼をもつ、邪悪な魔物。
角は小さいのが有ったり無かったりだったか。
ランクは低いが魔法も使って来る嫌な奴。
先ずは、偽装スキルの隠形で隠れたまま、魔法で攻撃。
悪魔系は魔法に耐性を持っている事が多いので、ビッグクラブの様に硬い甲殻を持っている訳では無いが、最初から強化した矢系の魔法で攻撃してみる。
うん。
8匹いたけど全滅だ。
インプ程度なら強化した矢系の魔法で十分なのか。
悪魔系と言っても、インプだとそれ程の強さでは無いと言う事か。
ゲームを思い出してみたけど、ノーマルの矢系魔法で倒せていたか。
と、試してみると、これも一撃で倒せている。
インプの防御力については、それ程気にする必要は無いようだ。
感知系も、攻撃してもこちらに気が付かないから、取り立てて感知能力が高いと言う事も無そう。
と言う事で、次もインプの集団が居たので、一匹残しで近接戦闘を試してみたんだけど。
仲間が死んだために、周りを警戒していたインプは、俺が姿を現すと同時に、影魔法の影隠を使い、姿を消す。
そして、闇魔法の闇弾で攻撃して来る。
それらのインプの行動を表示しっぱなしのステータスウィンドウのログ欄で確認しながら戦い、状況把握を続ける。
影隠は、影に紛れ、こちらが認識し辛くする魔法。
でも、俺の感知スキルでの感知からは逃れられるレベルでは無い様なので、しっかりとログにその状況が表示されるし、目視でも少し透明に見えるだけで丸見え。
更に、撃ってくる魔法が闇魔法の闇弾。
攻撃力は無く、精神的な異常を起こす魔法攻撃で、混乱、恐怖、眠り等の精神異常を引き起こす。
でも、精神異常耐性を持っているから俺より弱いインプ程度の魔法ならレジスト(無効化)されるし、聖魔障壁とかでも防げる。
でも、それらを持っていない人からすると厄介な敵かもな。
そう思いつつ、頭を狙ってきていた闇弾をそのまま頭部で受けてみる。
そして、闇弾を撃ち込んできた後、爪を伸ばし低空を飛びながらこちらに接近戦を仕掛けて来たインプを、ミスリルの剣で真っ二つにした。
「ふう」と一息つきながら感知スキルによる探索をし直していると、マドリーンが声を掛けて来る。
「あれってどういう事?」
「あれ?」
「インプが半透明になった事と、ワザと魔法を受けていた事」とマドリーンはきつめの口調で言ってくる。
「ああ。インプが半透明になったのは、影魔法ランク1の影隠だね」
そう言いつつ、ステータスウィンドウ内のログ欄をもう一度冷静に確認する。
ちゃんと戦闘中にも確認した『インプが影隠魔法を使った』というメッセージが戦闘終了後の今も出ているから、間違いは無いだろう。
そして、インプの魔法攻撃の方も再度確認して状況を説明する。
「後、インプが俺に撃ち込んだ魔法が、闇魔法ランク3の闇弾。眠りとか混乱とか恐怖といった精神異常を起こす魔法だね」
「なんで、ワザと受けるのよ」とマドリーンは怒っている様だ。
「おれは精神異常耐性がランク4.5もあるし、ステータスでインプを上回っているから、まず魔法にかかる事はないって判断したからだね。パーティに異常治療魔法持ちも多いし」
「あの状況で、冷静にそこまで判断していたんだ」
「ログに俺の行動だけでなくインプの行動も表示されるでしょ。
それを横目に見ながらだけどね。
まあ、影隠れや闇弾は、見た目でも分かり易いから、そちらでも判断したけど」
「そ、そんな戦い方をしているですね」と、何かを考え込み黙り込んだマドリーンにかわり、クラリッサが聞いて来る。
「ログの内容は、インプが偽装スキルで行動を偽装した場合、それを見破れていないと、間違っている事もあるけどね。
まあ、それは目視の情報でも同じだけど。
それに、俊敏ステータスで圧倒的に上回っていないと、目視は兎も角、ログを確認しながらなんて余裕もないけど」
「Eランクのインプ程度なら、それは心配いらないから、攻撃を受けてみたんですか」と、ラファエラ迄心配そうに聞いて来る。
「そうだよ」
「事前に教えておきなさいよ」とマドリーンは、また怒ってくる。
なので、咄嗟に考えた言い訳をしておく。
「いや。予想していない状況になる事に皆にも慣れてもらって、多少の事があっても冷静に対処できる様になってもらいたいって言うのも有るからね。
流石に、ワザと精神異常状態になった振りとかは、怒られそうだから出来なかったけど」
すると不服そうにマドリーンが黙り込む。
「俺に異常治療魔法を掛けようと思った人はいた?」
そう言うと、誰も何も言わない。
「隠れて敵を倒しているだけでは、そう言ったことは身に付かないから、怒らないで色々と身に付けて行ってね」
そう言うと、アリーサに「怒ってないよ。心配しているのに」と心配そうに小声で言われてしまった。
これは、白旗を上げるしかないかな。
心配そうなアリーサに白旗の様です。




