第244話 厄介そうなスライム系とデーモン系
主人公は、この大陸の全ての始まりのダンジョンへと到達し、初級と中級をすべてクリア。
皆は、2つ目の職業の素質を得た事で就ける職業に、もう少しで全て就けそう。
という事で、この先の鍛え方について話し合いをし、今日の予定を立てたようです。
とりあえず、今日の予定を決めて、この大陸の北側にある、王都近くの隠されたダンジョンに向かう。
魔物のパターンは、昨日クリアした人型をした犬の魔物の系統に思えるコボルト達が居るパターン。
さっさとクリアして、次に向かうべきかな。
そうサクッと決め、俺ではなくラファエラに偽装スキルの隠形で姿を隠す作業を御願いし、宝箱を回収してから下の階層へと向かう作業を繰り返している。
まあ、繰り返すって言ったって、地下3階までしかないんだけど。
通り道に居た魔物は俺が倒し、宝箱の中身も回収して、ボスの居る部屋の外からボスを攻撃して、ボス部屋の後ろの部屋にある宝箱の中身も回収。
うん。
ラファエラが偽装スキルの強度を上げていたみたいで、特に何もなく戦力強化の為の戦利品を手に入れられた。
その戦利品は、地下一階が火魔法・風魔法・杖技・斧技・鑑定・格納箱の宝玉、36332GAZU、魔晶石C5個、ミスリルの剣Ⅲ、ミスリルの槌Ⅲ。
地下2階が、火魔法・土魔法・槍技・剣技・生活魔法・闇魔法の宝玉、182542GAZU、魔晶石B5個、ミスリルの剣Ⅲ、ミスリルの槍Ⅲ、ミスリルの杖Ⅲ、エリクサーⅡ11個。
地下3階が、水魔法・聖魔法・魔力回復・弓技・剣技の宝玉、425552GAZU、MP回復薬Ⅲ11個、アダマンタイトの槍Ⅲ、アダマンタイトの斧Ⅲ、魔晶石B11個。
ボス部屋の後ろにあった宝箱から、瞬動・光魔法・交流術の宝玉、665223GAZU、エリクサーⅣ7本、魔晶石A8個が手に入った。
ここで必ず入手出来るのは瞬動の宝玉だったか。
ゲームだと、戦闘時に瞬動スキルを使うと超高速移動のCGが攻撃時と防御時に表示されたり、攻撃の命中率が上がったり、敵からの攻撃の回避率が上がったりするんだったか。
現実だと、超高速移動する強力な力ではありそうなんだけど、ランク1だと1メートル程度だからな。
まあ、緊急回避に使ったり、攻撃のタイミングを読ませないのに使ったり、相手を幻惑したり、ならランク1でも使えるような気はするが、上手く使えばだろうし、大きな魔物とかには、あまり効果が無いかもしれない。
試しに使うのも勿体ないか。
今後、CランクやBランクの魔物が居る場所にある宝箱から入手できるだろうし、その入手状況次第では、使える力となるかも。
後は、魔力回復スキルの宝玉も手に入った。
欲しい欲しいと思っていると手に入らないってジンクスは、この世界には無いのかもしれない。
逆に、欲しいと思っている物が手に入っている気がする。
勿論、魔素の濃さの薄い場所にある宝箱でも手に入る物ならば、だけどね。
ああ。
幸運ステータス高めにしているんだから、当然なんだよな。
ツェーリカ王国の王都近くの隠されたダンジョンをクリアし、次はネハス王国の王都ホーラルへと簡易転移で移動。
そして、隠されたダンジョンに向かう。
不自然にハッキリとした記憶から、小さな山の山頂近くのちょっとした崖に触れると、触れる幻覚が解かれ中に入れる様に。
皆と幻覚の中に入り、地下一階に向かおうとすると、ここは迷宮タイプじゃなく洞窟タイプの様だ。
また土の中にもぐったりする魔物がいるのかな。
そう思いつつ、感知スキルの探索により、感知の魔力を伸ばして行って、魔物の分布やマップを確認し、それを皆に告げておく。
「地下一階が、Eランクのポイズンスライムにビッグセンティピード(大ムカデ)だね。
地下二階が、Eランクのビッグクラブ(大蟹)にインプ。
地下三階が、Dランクの擬態スライムと、アサシンセンティピード(殺人ムカデ)。
ボスが、Cランクのレッサーデーモンだね」
「うぇ。ムカデが2つも出るんだ」と、マドリーンが嫌そうに言う。
「うん。と言うか、中位スライムも何気に危険だし、悪魔系のインプやレッサーデーモンも厄介だし、ビッグクラブは硬いし、嫌なダンジョンだね。
まあ、LV1しか居ないだろうけど」
そう注意点を言うと「……、そっか。気持ち悪いとか言っていられないんだ」と、マドリーンが気持ちを切り替えたようだ。
まあ、気持ち悪いモノは気持ち悪いし、嫌なモノは嫌だろうけどね。
「中位スライムは、やっぱり危険なんですか」と前衛職としての矜持からかクラリッサが真面目に聞いて来た。
ゲームだと奇襲がある程度で、普通に戦って倒していたんだけど、現実だと違うだろうな。
と小説やアニメとかで見た厄介そうな部分を皆に言っておく。
「ポイズンスライムは、戦っていると飛び散った体液とかから毒をもらう事があるし、Dランクとなった擬態スライムは、岩とか天井とか地面とかに潜んでいて、見つけられないと奇襲を受ける事になるから結構危険だね。
前衛以外は状態異常耐性持っていないでしょ。
まあ、異常治療魔法が在るから、気が付いた人が治療すれば良いんだけどさ」
「悪魔系も厄介なんですか」と、今度はラファエラが確認してくる。
「ああ。あいつら魔法を使って来るからね。空は飛ぶし、力は強いし、体は丈夫だし、状態異常攻撃とかが得意とかもあったかな。
まあ、LV1のインプなら、そうでもないだろうけど」
「レッサーデーモンの方が危険なんですね」とラファエラは心配そうに聞いて来る。
「うん。まあ、レッサーデーモンだと即死攻撃とかは無く、麻痺攻撃とか毒攻撃とかだったかな。
他にも、混乱させる攻撃とかがあったかな」
「……、それは危険ですよね」と前衛で盾役もするラファエラの表情は真剣だ。
「まあ、気になるなら事前に聖魔法の状態異常耐性向上をかけておくとか、装備品に耐性向上の効果を付けておくとかあるけどね。
でも、確か爪による攻撃により付与される状態異常だから、先ずは攻撃を受けない事か。
後は、固体によっては、それなりのランクの魔法を使ったかも」
「それは厄介そうですね」と、ラファエラの表情が今度は困った感じになる。
「ああ。常に聖魔障壁とか風の護りとかで魔法を防ぐと言う意識は持っていた方が良いかも。
しかも、風の護りだと相性が悪い攻撃だと守り切れないから、その辺はアリーサがマドリーンとラファエラを守るって意識を持ってもらった方が良いかな」
「うん」
「と言う事は、私は攻撃に専念なのかな」と、ラファエラとの会話を真剣に聞いていたマドリーンが確認してくる。
「基本それで臨機応変になのかな。
まあ、ここはレベル1の魔物ばかりの筈だから、それ程危険はないと思うけど、駄目だと思ったら、もっと簡単にクリアできる他の国の王都近くの隠されたダンジョンへ行く事も考えているから」
「了解」とのマドリーンの返事を聞いて、しばらく進むと、地下一階相当に到着したようだ。
主人公は、王都近くの隠されたダンジョンの中でも、難易度高めのダンジョンを攻略するようです。




