第236話 悩ましい3つ目の才能
王都近くの隠されたダンジョンのボスであるネイルモォールとの戦いは、苦戦でした。
ボス戦を終えるともう夕方だった。
なので、王都近くの感知の及びにくい場所へと転移し、走って王都の門へと向かっています。
その移動の間に、皆と共有し分析し反省している間に、王都へと到着しました。
ステータスウィンドウと門の使用許可証を見せて王都へと入る。
そして宿に戻り食堂で食事を。
なんて言うか、皆反省していると言うか考え込んでいる感じで、食事の時もそれ以降も会話は弾まなかったかな。
食事を終えて、借りている建屋に帰って来た。
は~。
メルに食事を与え、風呂に入り、皆と一緒にお風呂に入る事になったメルが風呂を終えて俺の影に入ったのを見届けてから、居間で寛いでいる皆に質問する事にする。
「皆、これから自分をどう鍛えるか、決めたのかな?」
そう聞くと「3つ目の才能を何にするかだよね」と聞いて来たのはマドリーン。
「いや。それを含めてだけどね」
「含めてと言う事は別の意味もあるんですか?」と聞いて来たのはクラリッサか。
「え~と、皆職業経験値が13憶を超えて、後1億程度で今の職業を極めるでしょ。
その先を考えると、3つ目の職業を何にするか決めているのなら、その職業に素質を得て新しく就ける職業について鍛えて行く道がある。
そうでないのなら、マドリーンとアリーサは6級職の賢者か、中途半端になっている職業でレベルを上げて行く事になる。
クラリッサは、5級職の聖騎士で、ラファエラは5級職の上忍か」
「そうなるよね」と追認して来たのはマドリーンか。
「それ以外にも、例えば神像の祠の内、Cランクの祠に行って転職条件を得ると言う方向性もあるでしょ」
「なんの祠だっけ?」と、マドリーンは覚えていそうだけど、皆の為にか、そう聞いて来る。
「料理神の祠、建設神の祠、木工神の祠だね」
「あ~、以前攻略できなかった料理神の祠でも、皆が5級職以上になったらクリアできそうか」と、マドリーンも俺と同じ認識の様だ。
「そういう事。その過程で行けると思ったら、更にBランクの神像の祠で転職条件を得に行くと言うのもある」
「何がBランクだったんだっけ」と、一応確認の為に聞くと言う感じのマドリーン。
「錬金術、付与術、魔物使い、傀儡師神の祠があるね」
「……、それをクリアすれば、また道が開けるんですよね」と、クラリッサが真剣な表情で聞いて来る。
「ああ。6級職の召喚士は、4級職の魔究師とレンジャーでレベル上限になっている外、傀儡師でレベル上限になっている必要がある。
竜騎士は、5級職の聖騎士だけでなく、魔物使いでレベル上限になっている必要がある。
生産系の最高職である魔機工士は、鍛冶師、木工士、建設士、傀儡師でレベル上限の50に。裁縫士、付与師、錬金術師でLV26以上になっている必要がある。
刻印魔術師は、付与師でレベル50の上限になる他、賢者でレベル31以上になっている必要があるか。
こんな感じで、Bランクの神像の祠をクリアすると6級職への道が開けていくからね」
「……、今すぐ3つ目の才能を決めなくても、それらの下準備をすれば、強くなるのに停滞した事にならないと言う事ですか?」と、クラリッサが確認してくるが、その通り。
「他にも、始まりのダンジョン上級の3階以降を皆で攻略するとか、隠れ職業を取得する為の下準備を始めるとか、すべき事や出来る事がある気もするから、そう言うのを皆がどう考えているのかなって、聞きたいって事なんだけど」
「……、正直、今日の戦闘の事で頭がいっぱいで、そんな事まで考えていなかったよ」と、アリーサが珍しく皆を代表するように言って来る。
「でも、明日からどうするつもりというか、どうすべきなのかって言うのを確認しておきたくてね」
俺がそう言うと「三つ目の才能を何にするか決めた人」と、サブリーダーのマドリーンが皆に聞く。
すると誰も手を上げない。
「と言う事は、3つ目の才能を決めない形での、皆の強化か」
「うん。後は、私達が悩んだりしている間、ヨシマサちゃん優先で鍛えるのでも良いと思うけど」とのマドリーンの指摘に「ああ。それもあるか」と返事をし、今日の会議は終わった。
さて、後は、夜のお務めだ。
皆と皆のこれからについて軽く話しました。
なかなか、皆3つ目の才能については決断できないようです。




