第235話 属性無効と高耐性の検証を
主人公は、王都近くの隠されたダンジョンのボスであるネイルモォールを倒しました。
苦戦の結果、ですが。
ボス戦を終えると夕方近くだったので、地下3階で魔物を狩って皆のレベルを上げる、と言う事はせずに、戦利品を回収し、直ぐに宿に帰ることにする。
転移で王都近郊まで戻り、王都の門まで移動しながら、改めて亜空間収納内に入れてあるダンジョンで得た宝箱からの戦利品を確認しておく事にする。
地下1階が火魔法、水魔法、体術、斧技、格納箱、格納箱スキルの宝玉、54332GAZU、魔晶石C5個、ミスリルの剣Ⅲ、ミスリルの槌Ⅲ。
地下2階が、風魔法、土魔法、槍技、弓技、鑑定、生活魔法の宝玉、244363GAZU、魔晶石B7個、ミスリルの弓Ⅲ及びミスリルの矢200本、ミスリルの斧Ⅲ、ミスリルの槍Ⅲ、エリクサーⅡ8個。
地下3階が、闇魔法、光魔法、盾技、弓技、鞭技の宝玉、445224GAZU、MP回復薬Ⅲ8、アダマンタイトの剣Ⅲ、アダマンタイトの槌Ⅲ、魔晶石B8個。
ボス部屋の後ろにあった宝箱から、思念伝達、裁縫、MP向上スキルの宝玉、642835GAZU、エリクサーⅣ4本、魔晶石A3個。
ここで確実に手に入る宝玉は、思念伝達の宝玉だったか。
ランク1だと、一方通行で1メートル以内の距離でしか出来ないから、現状死にスキルだろうな。
ゲームだと、会話イベントの時に、稀に『二人だけの内緒の話し』と言う形の選択肢が出た程度だったか。
でも、手足を縛られて捕まっている状態で喋れないときには役に立つのか。
まあ、現状は宝玉を持っておくだけにしよう。
従魔のメルともある程度意思疎通出来ているしね。
さて、家路を急ぐかと思った処で、俺の確認作業が終るのを待っていた感じのマドリーンが聞いて来た。
「何なのよ、あのボス。午前中に行ったダンジョンと同じCランクのボスなんでしょ」
周りに誰も居ない事は確認しているから、普通に話しても大丈夫そうではあるけど、と少し警戒したのだけど、マドリーンがキッチリ防音用の風の護りをしているので、安心して俺の意見を話す事に。
「ああ。同じCランクなんだけど、特化型は怖いよね」
「特化型なの?」とマドリーンは眉をひそめながら聞いてくる。
「ああ。土属性に対して高強化と無効の属性を持っていたみたいだね」
「コウキョウカ?」と、マドリーンは良く分からないと言う感じ。
「強化の度合いが高い属性って事だね」
「攻撃の時に、土魔法の威力を上げられるんだ」とマドリーンも納得した感じに。
「そう。それも自然に、だろうね。石槍だと思ったのが石弾だと気が付いた時は、ヤバイと思ったよ」
「あ~。石槍大きかったもんね」
「ああ。戦闘中は、魔物のサイズによって発生する魔法が大きくなるのかと思ったけど、他の体の大きな魔物について思い出したら、多少大きくなっているのかな程度で、あんなサイズの違いは無かったからな。
だから、あれは土属性の高強化だろう、って推測ではあるんだけどね」
「……、そして攻撃を受けた場合は、無効にできるんだ」とマドリーンは今度は無効の方を確認してくる。
「完全に無い事には出来なかったみたいで、大地創造魔法で地面から引きずり出す事は出来ていたけどね」
そう言うと、マドリーンがランク5の魔法ですら無効化された事実を思い出したのか、絶句気味に黙り込んでしまう。
「しかし、土属性無効って属性を持っている敵だと、あんな感じになるとはね。
余裕があればもっと検証したかったんだけど」
「戦闘中に検証していたのですか?」と心配そうに聞いて来たのはラファエラか。
「いや。色々と分析はしていたけど、検証まではしなかった。本当は土魔法とかもっと撃ち込んでみたかったんだけどね」
「ひょっとして、それで後手、後手に回っていたんだ」と、納得と言った感じの口調とその表情が怒り気味のマドリーンが指摘してくる。
「そうだよ。そんな事をしていると危険だと思って、途中で止める様に何度も意識したけどね」
「で、最初の話に戻るけど、あれでCランクなの?」と、マドリーンはあれがCランクなのが納得できない様で、再度確認してくる。
「魔石はCランクだったかな。でも特別な固体だったとは思うよ」
「特別?」とマドリーンが詳細な説明を求めてくる感じ。
「ああ。ネイルモウルは土属性の攻撃に対し、高い耐性を持っている。でも、それは固体によって違って来る事があるんだ。
例えLV1の魔物でも、全てが全く同じ力を持っている訳では無いって言う話の通りにね。
通常のLV1のネイルモウルは土属性に対し高耐性持ち。でも、低耐性持ちも偶にいるし、逆に無効属性持ちも極稀にいるんだ。
今回は、そのあまり居ない土属性無効持ちにあたったって事。
後は、魔王の狂乱で濃くなった魔素の影響で強くなったとかもあるのかな」
「……、油断できないのね」とマドリーンは疲れたような声をだしている。
「だから、未だにCランクのダンジョンにしか行っていないんだけどね。
一応報告しておくと、土魔法は質量攻撃の部分があるから、あんな風に大きく重くなると、威力が上がる側面があるから怖かったけど、受けたダメージはそれ程でもなかったから、石弾は石弾だったかも。
土魔法ランク3までしか持っていない様だったし、土属性の特殊攻撃も持っていない様だったから、あれで済んだけど、洞窟と言う地形と併せて結構厄介な組み合わせだったんだろうね」
「は~。ヨシマサちゃんが苦戦するのも当然なのか」とマドリーンは言ってくるが。
「ん~。正直今日一時期就いていた賢者で戦いを挑んでいたら、アッサリ勝っていたかも。
後は、土属性が無効かもしれないと思った時点でそれを無視して、火とか氷属性で一機果敢に攻撃していたら、もっと早くに終わったと思うよ。
後は、土属性無効ではないけど、土属性高耐性程度の固体なら、ファングアースワームかアサシンアントに居そうだから、そう言うのに土魔法を撃ち込んで、魔法がどうなるとか試しておけばよかったのかもね」
「どうなるの?」
「魔法を弱めたり無効にしたりするのって、精神ステータスが関係するでしょ。
まあ、物理攻撃の側面があると、耐久ステータスも関係するけど。
後は、魔法耐性スキルも影響するか。
それは、肉体や精神自体が魔法に対して強くなり、ダメージを受けにくくするって思っていたんだ。
無効もその延長だと思っていたんだけど、無効は思っていた感じと違ったからね。
となると、ひょっとして高耐性を持っている奴だと、無効と同じ様に、触れた又は触れそうになった魔法を、もっと直接的に破壊したり弱めたりする効果とか持っているかもって思ったんだよね。
もしそうなら、属性攻撃無効にああいう効果があるって事前に予測できただろうから、あそこまで混乱して苦戦する事にならなくて済んだかも」
「戦いの検証は大事って事?」と何故か少しからかう感じのマドリーン。
「時間も職業経験値も大事だからね。まあ、程々に効率よく、かな」
そんな結論をだしていると、王都の門が近づいて来ていた。
主人公達は、ボス戦の反省と検証をしているうちに、王都の門へとたどり着いたようです。




