第228話 ダンジョン地下2階での経験
主人公を除いた仲間達は、大量の中位スケルトンと戦っています。
絶え間なく現れる中位スケルトン達。
マドリーン達は焦ったようで。
王都近くの隠されたダンジョン、地下2階。
ここに居る魔物は、中位スケルトン。
スケルトンナイト、メイジ、プーリスト、スカウトだ。
スケルトンスカウトの感知力の高さにより、戦闘の気配を感じて洞窟の奥から奥から絶え間なく現れるそれらのスケルトンに対し、魔法で攻撃しているマドリーンのMPは不足気味になる。
「ヨシマサちゃん。エリクサー使って良い?」とマドリーンからの問いかけに「必要と思ったのなら使って」と返事を。
それでエリクサーを使ったのだけど、ランク2とランク3しか渡していなかったこともあり、回復量の少なさにマドリーンは驚いている。
そして、不安そうに俺の方を見てく来たので、ラファエラに「こちらに向かっている魔物の状況を皆に教えて」と指示をする。
すると、ラファエラだけでなく、マドリーンとアリーサも感知系の魔法を使って状況を確認している。
それで、もうすぐ終わりだと分かったようだけど、色々と不満なのか眉をひそめている。
そんな状況でも、数分でこの近辺に居た中位スケルトンはとりあえず全滅してくれた。
スケルトンナイトは、鉄の剣、槍、盾を。
スケルトンメイジは、ボロボロの木製の杖を。
スケルトンプーリストは、鉄の槌を。
スケルトンスカウトは、鉄の小剣を装備していた。
それが戦利品になるのかだけど、あまりボロボロの物は世界の理で戦利品とは認識されず、スケルトンの骨と一緒に消えたりしているが、それなりの数、剣、槍、盾、槌、小剣が落ちているのでそれを亜空間収納に回収する。
勿論、中位スケルトンの魔石も回収だ。
一通りの作業を終えて皆の元に帰ると、マドリーンとラファエラが、結構落ち込んでいる感じか。
「どうしたの?」とある程度落ち込む理由を予想はしているが、二人に聞いておく。
「自分の力で状況を把握する事を忘れるだなんて」と、マドリーンが落ち込みながら言ってくる。
「まあ、戦闘に没頭している時はそんなもんだし、感知にもMPが必要だから、それも節約していたって事でしょ」
そう言うと、マドリーンが複雑そうな表情になる。
すると今度はラファエラが「私は探索が仕事なのに、それを忘れていました。ごめんなさい」と頭を下げて4人に謝ってくる。
「いや。探索に意識を持って行って、接近戦で不覚を取るのだと意味がないでしょ。だから、あんなもんだと思うよ」
そう言うと、あまり落ち込んでいなかったアリーサが「私が土探索で確認すべきだったんだよね」とも言って来る。
「う~ん。クラリッサもだけど、範囲浄化で効率よくスケルトンたちを浄化するのに一生懸命だったし、撃ち込まれてくる魔物の魔法から皆を聖魔障壁で守っていたんだし。難しいんじゃない」
そう言うと、皆は何が正解なんだろうって感じになってきた。
「まあ、余裕があるモノが、とか指揮官が意識しておく事なんだろうね」
「じゃあ。サブリーダーだった私なんだ」とマドリーンは眉をひそめながら確認してくるが。
「まあ、予備戦力だった、俺で良いんじゃない」と言っておく。
そう言うと、マドリーンを中心に皆は『ヨシマサ君に頼らない戦闘訓練だったんじゃないの?』って無言で言って来ている感じか。
「いや。次同じ様な事が有ったら、自分か仲間が気付くでしょ。それで良いと思うけど」
「そうなんだけど。情けないって言うか。エリクサー2本も無駄にしたし」とマドリーンは魔法薬を使った事も気にしている。
なので「エリクサーを飲んでいいと言ったのは、それも経験だと思ったからだし、気にするより次への糧とすべきだと思うけど」と励ましておく。
すると「そうなんだけど」と、マドリーンは何故か悔しそう。
「で、エリクサーは、ランク2と3を1本ずつ使ったのかな」
そう言うと頷いているので、新たにエリクサーのランク2を1本、3を1本、4を2本渡す。
アリーサにもクラリッサにもラファエラにもランク4のエリクサーを2本ずつ渡し、先に進む事にした。
「新しく貰ったエリクサーは、ランク4なんだ」と、魔法薬学スキルにランクを教わったのか、格納箱に入れたことでランクが分かったのか。
新たに渡したエリクサーについて、少し元気になったマドリーンが聞いて来る。
「ああ。確かランク0のエリクサーやMP回復薬でMPが200,ランク1で400、ランク2で800,ランク3で1600、ランク4で3200回復するからね。
緊急時に、MPを全快できるでしょ」
「……、勿体ない気がするけど」とマドリーンは渋い表情をしている。
確かに、買うと幾らするんだろう、と思うけど「命には代えられないでしょ」と言っておく。
「そうだけどさ。でも、エリクサーは宝箱で得ているって話でしょ。数に限りがあるのに」とマドリーンは入手方法について懸念している様だ。
「でも、その内、薬草の生えている隠されたダンジョンへ行く事もあるだろうから、そこで万草とか魔力草を採取して、魔法薬学で造れば良いだけって、朝にも話したかな」
「……、そうだったね。まあ、なんとかなるのか」とマドリーンは未だ納得できない感じみたい。
なので「そう。まあ、俺がエッチで慰めるまで、落ち込んだままでもいいけどね」と冗談を言っておく。
「馬鹿」と言って、普段に近い状態になったかな。
そんなやり取りをしながら、戦闘する度に集団で集まってくる中位スケルトンを倒す。
俺は聖魔法スキルがランク4.5だし魔力操作スキルをランク4で持っているので、範囲浄化の効果範囲をかなり大きく出来る。
なので、一集団1~3回の範囲浄化で奇麗さっぱり成仏してもらえる。
しかも、経験値は39倍だから、順調に職業経験値を得ながら、全てのこの階層の宝箱を回収する。
そして、3階層に相当する洞窟へと下り始めた。
主人公達は、一つ一つ経験をしつつ、地下3階へと向かうようです。