第227話 中位スケルトンとの戦い
主人公は、本日2つ目の王都近くの隠されたダンジョンを攻略しています。
次は地下2階なのですが。
王都近くの隠されたダンジョンの地下一階をクリアし、地下二階に向かっている。
そこで、地下二階にいる魔物を紹介するのと合わせて、スケルトンプーリストが使ってくる邪魔法について説明。
敵の攻撃を避けるだけでなく、聖魔障壁で防ぐことも意識しておいて、と言った忠告もしていると地下2階相当に到着。
皆に暗視の闇魔法を追加で掛けて、最初の魔物の集団へ。
始まりのダンジョン中級までとは違い、数体から数十体の魔物が一塊になって、洞窟の彼方此方に居る。
それを爆裂火矢なんかで倒していくのだけど。
やっぱり、スカウト系(斥候系)が居る為に、戦闘と言った目立つことをすると感知されてしまう。
幸い、攻撃魔法を発生させた時でも、発射した時でもなく、敵に命中した時に感知される程度。
でも、近くにいた中位スケルトンの全てが、俺達に向かって来ている。
幸い、ここは洞窟であり、開けた場所ではない。
四方八方から攻撃されて、対処しきれないって事は無さそうか。
今いる場所は、縦横25メートルくらいはありそうな広めの洞窟内の部屋。
その前方と後方に洞窟が続いているんだけど、進行方向となる前の洞窟の少し先に分岐があり、その両方から大量の中位スケルトンの集団が来ている。
まあ、火嵐や範囲浄化を使って順次全滅させて行こうかなと思っていると、皆の表情が目に入る。
「戦ってみたいの?」
「はい」と答えたのはラファエラか。
ラファエラは、現状聖魔法も攻撃魔法も使えないんだけど、大丈夫かな。
そう思いつつ、残りの3人を見ると協力しながら倒しますって感じか。
「聖魔法の範囲浄化ならフレンドファイアを気にしなくていいんだけど、マドリーンは単体にしか浄化が使えないから、他の魔法を使うよね。
その辺を考慮しながら、なのかな」
そう俺なりに思いついた注意点を言うと、頷いて、ラファエラとクラリッサが前へでて、その後ろにマドリーンとアリーサが続く。
感知による探索をやり直し、厄介そうな魔物が居ない事を確認し、彼女達の戦いを見守る。
まずは、アリーサとクラリッサの範囲浄化が発動する。
場所指定で発生させたり、対象に中位スケルトンを指定したりして、その発動範囲に居た中位スケルトンだけでなく、発動範囲に突っ込んできたスケルトンも浄化している。
しかし、中位スケルトンだからか、その発動範囲を避けてこちらに接近してこようとする個体も居るし、指定しないと範囲浄化は3秒程度で消えるので、倒せる数は限られている様だ。
しかも、スケルトンメイジからは、火弾や火矢が。
スケルトンプーリストからは、邪牙が飛んでくる。
それを冷静にクラリッサやアリーサが聖魔障壁で防ぎ、マドリーンが浄化範囲を避けて接近してこようとしているスケルトンファイターやスカウトにノーマルの水槍を。
遠くから魔法を撃ち込んできている奴に、ノーマルの風槍を打ち込んでいる。
槍系の魔法だとオーバーキルかなとも思うが、確実に倒すには必要か。
倒しても、倒しても、次々に中位スケルトンの集団がやってくる。
そのうちに、ラファエラが、ハグレ気味になっていて後衛の襲い掛かりそうにも見える魔物に対し1人で接近戦を始めた。
同じ前衛のクラリッサは、範囲浄化魔法や聖魔障壁を状況に応じて使っているからだ。
さて。皆のMPの残量は、と鑑定で見て見るとマドリーンのMPが結構減っている。
範囲浄化を複数回使うのと、数十体以上居る攻撃対象に槍系の魔法を使うのとでは、消費MPが全然違うからな。
そう思っていると「ヨシマサちゃん。エリクサー使って良い?」とマドリーンが聞いて来る。
何事も経験だし、「必要と思ったのなら使って」と言うと、「逃げるのでもヨシマサちゃんに代わるのでも良いんだけど」と言って来る。
「折角だから、出来るだけ戦ってみたら」
そう言うと、エリクサーを一つ飲んだんだけど。
「えっ。これしか回復しないの」とか驚いている。
彼女に渡しているエリクサーは、ランク2と3か。
マドリーンは4級職の魔究師でレベル38。
最大MPは1825だと言うのに、ランク2で400、ランク3で800しか回復しないからな。
わざわざマドリーンが使うエリクサーを鑑定しなかったけど、あの驚きようだと、ランク2のエリクサーを使ったのだろう。
MP回復薬も渡しておけばよかったか。
そんな風に思っていると、マドリーンが俺をチラ見してくる。
なので「ラファエラ。こちらに向かっている魔物の状況を皆に教えて」と指示をする。
「あっ。ごめんなさい」とラファエラが謝ってくるが。
「接近戦や魔法戦に注力していると、そんな感じだよ。別にマドリーンの風探索でも、アリーサの土探索でも、ある程度分かる筈だし」
俺が追加でそう言うと、マドリーンが慌ててもう一つエリクサーを飲んだかと思うと一気に大量の水槍と風槍を発生させ撃ち込んで、敵の数を減らす。
そして、風探索を使ったようだ。
「あっ。もう直ぐ終わりなんだ」
「そういう事。ここの戦闘について感知し向かって来る魔物はそろそろ終わりだから、焦らなくても良かっただろうね」
そう言うと眉をひそめながら黙り込んでしまったマドリーン。
でも、魔法を使い、敵を殲滅するのは止めない。
それから数分で、中位スケルトンたちは全滅した。
皆の戦闘訓練は、上手く行かなかった点があったようです。




