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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第4章 4人目の仲間編

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第222話 隠形が見破られたけど

 主人公は、ゲームより異世界の現実の方がMPの管理がシビアだと思ったようです。

 それで、MPを回復させる手段について考えたのですが。

 とりあえず、未発見のダンジョンで魔法薬を手に入れるのが効率が良さそうと、ダンジョンの探索を続けるようです。

 ラファエラの偽装スキルによる隠形で姿を隠したままコボルト達に接近して行く。


 『どうなるかな』と思いつつの接近だったが、俺達を感知出来ない様だ。


 それを皆で確認しながら、マドリーンとアリーサが、それぞれ水矢と石矢を発生させ打ち込みコボルト達を倒す。


 レベルが上がってEランク相当になっているので、魔法の威力不足が心配だったが、それは大丈夫だったようだ。


 まあ、二人は魔法の威力に係わる知力が職業補正で高くなる魔究師と大神官だし、マドリーンの水魔法はランク5、アリーサの土魔法はランク4.5だから、矢系魔法の威力も上がっているのだろう。


 そう推測しつつ、次のコボルトのグループに向かい一方的に倒そうとすると、事態が変化した。



 皆で隠れたまま接近し、十分に射程距離に入った処で、マドリーンが水矢をアリーサが石矢を発生させると、コボルト達の内、一匹がこちらを睨んだ。


 すると、意識の一部を共有しているのか、残りのコボルト達11匹が俺達を睨む。


 「焦らず攻撃して」と念の為に皆に告げて、ミスリルの槍を構えながら皆の前に出る。


 水矢と石矢の攻撃により9匹が致命傷を負い、3匹が頭部にダメージを受け重症状態になったので、それに槍で止めを刺す。


 う~ん。


 振り返ると、クラリッサと一緒に武器を構えながら、マドリーンとアリーサを守る位置にいるラファエラが落ち込んでいるのが見えた。


 なので、キッチリ説明をすることに。


 「偽装スキルの隠形の強度を下げると、Eランクの魔物でも、ああなる場合があるんだね。

  気が付いたのは一匹だけだったから、あのコボルトはレベルアップにより感知系のスキルが強化されていたと思って良いのかな。

  ああいう場合に対処出来る様に、しばらくこの感じで戦おうか。

  それとも、もう少し偽装の強度を下げるようにスキルに指示して戦ってみる?」


 そう言うと、ラファエラは隠形が解かれたのが別にミスでも何でもないと気が付いた様だけど、疑問が出てきたようで「隠形が見破られたのに、問題なかったのですか?」と申し訳なさそうに聞いて来る。


 「強い敵になればなるほど、強めの隠形でも見破られて戦闘になってしまう事がある。

  だから、隠れていたけど見破られて戦闘になった、と言うのにも慣れておかないと駄目だし、対処法も考えて身に付けておく必要があるよ」


 「対処って、どうするのよ」と眉をひそめながらマドリーンが聞いて来る。


 多分、自分で考えさせても答えは出すだろうなとも思いつつ、説明を続ける。


 「隠形が見破られる事を前提にして準備しておく、と言うのが大前提。

  後は、見破られにくく行動する、と言うのもあるね。

  例えば、全員忍び足で歩くとか、魔物の視野に気を付けながら移動するとか、移動に音が出ない様な防具にするとか、攻撃のタイミングまであまり殺意を持たない様にしておくとか、変化に気を付けつつだけど敵として強く意識しないとかもあるかな。

  まあ、相手の持っているスキルや能力次第、と言うのもあるけどね。

  後は、まだ魔力操作スキルを手に入れていないマドリーンとアリーサなら、発見され難くとイメージしながらの魔法使用と言った事が、隠形が見破られにくくなる工夫かな」


 「そっか。さっきの場合は、攻撃魔法が発動すると同時にこちらを感知していたもんね」とマドリーンは良く敵を観察していた様だ。


 「うん。俺達が明確な殺意を持ったので、それが感知されたと言うパターンもあるけど、その辺も意識しながら試してみないとね」


 「そう言えば、魔法の方じゃなくて、私達の方を睨んでいたから、そっちの可能性も有るのか」と、マドリーンは何が原因で隠形が見破られる結果になったかを考え込んだけど、相手次第で良く分からない部分なんだよね。


 そう思いつつ結論を皆に言っておく。


 「後は、近づいている途中で発見されるとか、攻撃魔法を撃ったと同時に発見されるとか、攻撃が命中すると同時に発見されると言ったように、色々なタイミングで見破られるから、まあ、色々と経験して慣れておくのが良いと思うんだけど」


 そう言うと、皆が頷いたので、戦闘を繰り返す事にした。



 結論から言うと、ランク5に達しているラファエラの偽装スキルによる隠形の強度が『標準』ままでも、こちらの隠形を見破るコボルトは殆ど居なかった。


 それこそ百数十匹に1匹だろう。


 なので、ラファエラに偽装スキルの隠形の強度を『弱め』まで下げて貰って、ワザとこちらを感知出来る固体を増やし、様々なタイミングで隠形が見破られることを体験して貰う事にした。


 ただ。


 『何が原因で隠形が見破られるのか、相手次第で良く分からない』、と言うのが何とかならないかと、少しチャレンジしたんだけど。


 隠形が見破られる原因の内、相手の持つ力について確認したいとなると、鑑定で相手のスキル及びそのランクやステータス値をちゃんと把握する事が最低限必要。


 それは、敵対する者に対する詳細鑑定が必要で、鑑定ランク5から可能だから、今の俺でも可能。


 だけど、感知や感覚強化のスキルランクだけでなく、器用ステータスにも影響を受けるのだから、それぞれの数値を意識し、細かくチェックする必要がある。


 なのに、チェックを進めると、同じ数値でも見破られたり見破られなかったりしてしまった。


 まあ、スキルのランクは分かってもランク内のグレードは分からないし、感知する能力に数値に現れない個人差があるのかもしれないし、周りの環境が影響している可能性もあるし、運不運とかまで影響があるのかもしれない。


 つまり、分からない事は分からないし面倒過ぎると言う事に気が付いて、結局どのスキルが何ランクで器用ステータスが幾らから『弱い』に設定した隠形を見破られるのか、については検証を諦めた。


 まあ、何が隠形を見破られる切っ掛けになっているかは『接近したら』『視界に入ったから』『大き目の音をたてたから』『魔法をロックオンしたら・攻撃を開始したら・攻撃が命中したら』『殺すと強く思ったら』等と、改めて確認できたし皆と共有出来たんだけどね。


 と言う事で、余裕があるようなら、成長していないLV1の固体が居る所で、もう少し調べようと言う結論になり、先を急ぐ事に。


 地下2階は、イレギュラーが無い限りハイコボルトのLV1と言う階層だから。


 でも、多分何か必要性を感じない限り、これ以上は調べないだろうけどね。

 主人公達は、地下一階での戦闘を終えて、地下二階へと移動するようです。

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