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第220話 ワニス王国の王都近くの隠されたダンジョン地下一階

 主人公は、他の転生者のいない王国の王都近くの隠されたダンジョンへとやってきました。

 それで、今日も、順調に皆を強化できるのでしょうか。

 ここは、ワニス王国の王都近くの隠されたダンジョン。


 しかも、未発見状態で宝箱がイッパイある。


 そして、迷宮タイプのダンジョンなので明かりは必要ない。


 地下3階までで、ボスはCランクの優しい方のダンジョンだ。


 その地下1階にいるのは、コボルト。


 前世では、醜い妖精・精霊って言う地域もあったけど、ゲーム及びこの世界だと魔物。


 本来Fランクの弱い魔物なんだけど、ここの固体はレベルが21になり、ステータスやスキル等が強化された強化種のコボルトとなりEランクの魔物となっている。


 コボルトは、犬が二本足で人の様に立っている魔物。


 手もあって武器も持てる。


 まあ、コボルト程度なら持っているのは木の棍棒とか骨の棍棒とか。


 前世で犬好きだった俺としては複雑な部分も多少あるんだけど、残念ながら犬の様に可愛い顔をしていなくて、人相の悪い魔物。


 だから、倒すのに躊躇はしなくて済むんだけど。


 ここは、魔物が溢れだすスタンピートが無い隠されたダンジョンなので、立ったまま寝ている様に佇んでいるコボルト達。


 犬は、耳も鼻も良いが、寝ている時にも機能しているのは耳だったかな。


 まあ、古い知識だから間違っているかもしれないし、前世とは違うかもしれないし、魔物だし。


 ただ、感知能力には気を付けて戦うべきかな。


 まあ、ゲームだとそんな設定は無かったけど。


 佇んでいる21匹の頭部に爆裂火矢を撃ち込むと、全て戦利品に変わって行く。


 人に置き換えて強化状況を考えると、レベル21だと生まれた時に持っているスキルに加えLV11、LV21と2回スキルを取得している事になる。


 人と違って、LV1の状態で複数のスキルを持っている事があるらしいし、その生まれ持ったスキルがランク2とか3と言った事も普通にあるらしいから、その上で2回同じスキルを取得し強化していると予想すると、結構な力ではある。


 まあ、コボルト程度なら、そこまで注意しなくてもいいとは思うが。


 そんな事を考えながら、コボルトの集団に隠れたまま魔法を撃ち込んで倒していく。


 次は、俺だけ姿を現して、剣や槍で戦ったけど、まあ、問題はないか。


 レベルアップで強くなった強化種とは言え、所詮Eランクでしかないし。


 そう考えて、皆に戦ってもらうと、別の結果が待っていた。



 「ラファエラ。俺の偽装スキルの隠形を解くから、ラファエラが偽装スキルで皆を隠してみて。

  それで、しばらく戦ってみよう」


 「ん。そう言う戦い方するんだ」と質問して来たのは、サブリーダーのマドリーンだ。


 「ああ。まあ、俺の偽装スキルがランク5.1。ラファエラの偽装スキルがランク5だから、この程度のダンジョンなら違いは出てこないと思うけど。

  でも、隠れた状態で戦って、敵を殲滅するって方式を皆だけでも問題なく出来るか、試しておこうかなって」


 「私達だけだと出来ないのかな?」とマドリーンは皆を代表した感じで不思議そうに聞いてくる。


 「ラファエラが偽装にどれだけMPが必要かで変わってくるかもね」


 「そっか。MP不足で、隠れたまま半日魔物を倒し続けるとか出来ないかもしれないんだ」とマドリーンは問題点に気が付いたようだ。


 「なまじランク5なんて強力な偽装で、5人を隠形させるんだからね」


 「……。MP不足になる場合はどうすれば良いのですか?」と不安そうに聞いて来たのはラファエラだ。


 「ああ。感知なんかでも出来るけど、消費MPを減らすとか偽装の強度を下げるとかスキルに指示すれば、消費MPは減らせる。

  だけど、効果は下がるって感じかな」


 「……、それだと魔物に見つかってしまうのでは?」と、ラファエラは困り顔で確認してくる。


 「その可能性は上がるだろうね。感知による探索にも結構MPが必要だし、どこまで効果を下げればいいのかと言うのをラファエラに実感してもらいながら戦ってみた方が良いのかなって。

  そういう意味だと、各スキルメニュー内にある、強度とか範囲とかの設定メニューを開き、細かく指定しながら試すのが良いかな」


 「……、はい」と返事をしたラファエラは、あまり納得していないと言うか不安そうだ。


 「と言うか、感知をしながら、偽装をしながら、魔法攻撃をするって、ヨシマサちゃんくらいしか出来ないの?」とマドリーンが確認してくる。


 「ラファエラもランク1で持っている魔力回復スキルのランクが上がれば、出来るのかもね」


 「確か、ヨシマサちゃんが持っている魔力操作スキルは、魔力を効率よく使える様になり消費MPを減らし、更に周りに満ちている魔素も使用して、消費MPを減らせるんだよね」と流石サブリーダーは、その辺も細かく確認してくる。


 「そうだね。魔力節減の効果はランク2から、魔素利用の効果はランク3からだけどね」


 「で、今は?」とマドリーンは何故か眉をひそめながら確認してくる。


 「ランク4だよ」


 そう伝えると、マドリーンも含め全員が黙り込んでしまう。


 スキルを持っていれば、どの程度MPを節約できるかスキルに確認できるんだけど、まだ魔力操作スキルは俺しか持っていないからな。


 スキルについて書かれている本の内容とかを思い出しているのかもしれない。


 ああ。


 魔素利用の効果がその場所の魔素の濃さによって変わるから、具体的な数値が分からない事とかも思い出したのかも。


 そう思いつつ、皆に注意をしておく。


 「だから、俺以外は一人では戦わず、必ずパーティで戦ってと言う事かな」


 「そっか。その辺が違うから私達だけの力で、どうなるのか試すんだね」


 そう納得したマドリーンの返事を聞きながらラファエラを見る。


 すると、本人以外には見えないステータスウィンドウを開き、偽装スキルメニュー内の強度設定の数値と感知スキルメニューの中から感知スキルによる察知と探索の強度設定とか探索の範囲設定をいじっているんだろう。


 難しい顔をしている。


 あれ?


 偽装強度メニューとか、探索範囲指定メニューとかは、魔力操作スキルが無いと出てこないんだったかな?


 ゲームだと確実に始まりのダンジョン初級で魔力操作スキルを得ていたから、当たり前にあるメニューだと思っていたけど、違っていたか。


 そんな事を思い出していると、ラファエラがステータスウィンドウだけでなく、メニューすら俺も見える可視モード(全表示)に切り替えて、俺にステータスウィンドウを見せて来た。

 主人公は、魔力操作スキル持ちとそうでない人の違いを忘れていた様です。

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