第214話 隠れ職業の言霊使い
主人公は、隠れ職業に付いて皆に教えています。
ゲームと異世界の現実の違いにより、どうなるか分からない部分に気が付いて、それにも思考を持って行かれながらですが。
隠れ職業の修羅。
今でも、既に重戦士職でLV30となった事のあるクラリッサとラファエラなら7日間戦い続ければ、転職条件を満たし転職可能になる。
だけど、考えれば考えるほど、ゲームの様に転職条件を満たす事は出来無さそう。
一時中断によるトイレや食事休憩もセーブ・ロードでやり直すことも出来ないし。
クエスト表示機能が無いから途中経過も見られないしね。
という事で、とりあえず、修羅については諦めると言うか、先送りにすると決断した。
後、気になったのは、ゲームだと主人公が特定の場所へと訪れる事や特定のキャラに話しかける事がトリガーでイベントが始まる事が多かったけど、それは異世界の現実に比べて10分の1の時間しか余裕がない事に起因するのかも、とも気が付いた。
そう言うのも、ゲームと異世界の現実が違って来る原因になりそうだから、心に止めておかないと。
そう思考が横にそれた俺を、皆は心配そうに見ている。
なので、話を続ける。
「そして、最後の隠れ職業が言霊使い。
こいつは、魔究師と大神官でLV40になる必要が有るのは賢者と同じだけど、更に傀儡師でLV50になる必要がある。
そして、神官系と魔法使い系と傀儡師で覚えられる全ての魔法スキルについて700回以上使用する事が転職条件」
「えっ。全てって」と強く反応したのはアリーサか。
まあ、アリーサは魔法オタクだから、知らないうちに条件を満たしていそうだけど、使わない魔法は使わないからな。
「信者系が、傷治療魔法、異常治療魔法、生活魔法、聖魔法。
魔法使い系が、火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、幻影魔法、爆裂魔法、ダブっているけど生活魔法。
傀儡師が、死霊魔法、人形作成魔法だね。
使える魔法ではなく、魔法スキル単位で700回だし、賢者や召喚士で身に付けられる魔法とかが入っていない分、まあ、まだ簡単に転職条件を満たせるだろうけど」
「傀儡師で身に付ける魔法で、ゴーレムやスケルトンとかを700体も造らないと駄目なのか」と、アリーサは転職条件が難しい事に少し凹んでいる様だ。
死霊魔法の方は、魔物の魔石に魔法を掛けてスケルトンとかを生成すればいいけど、人形作成魔法の方はゴーレム作成に必要なゴーレムコアを700個手に入れないと駄目だしね。
逆にゴーレムコアを700個以上入手しゴーレムを造るような人は、少しでもスキルのランクを上げる為に死霊魔法スキルを取得しないだろうから、言霊使い職に就いている人が居ないんだろうな。
後は、錬金術スキルによりスキル追加の宝玉を造る予定の人でなければ、器用貧乏になってしまうからと満遍なく魔法スキルを取得するとかしないだろうし。
そんな風にこの世界に言霊使いが居ない理由を考えつつ「そうだね」と返事をしておく。
すると「と言うか、全ての魔法を身に付けないと駄目じゃん」と言って来るのはマドリーンだ。
「でも、傀儡師以外で身に付ける魔法なら、まあ、スキル追加の宝玉が出なくはないからね」
「あ~。幻影魔法とかも出るんだ」とマドリーンは、俺が言霊使いに転職する為に全ての魔法スキルを取得すべきと言わなかった理由を理解した様だ。
「4属性魔法ほどは出ないけどね」
「……、そっか。全ての魔法を見に付けようとして器用貧乏になるのも困るけど、言霊使いにはなりたいかな」と、マドリーンは意欲的だな。
「言霊使い職でのレベルアップで手に入るスキルを目的とするのなら必須だろうね。
まあ、ステータスの高さを求める為に転職する場合、基本4職の才能を手に入れ、更に賢者と召喚士と刻印魔術師を極めて大賢者になれる様になった後は、どちらが良いのかと言うのはあるけどね」
「……、そう言えば、勇者って私達もなれるんだっけ?」と、ふと思いついた感じでマドリーンが訊ねてきたが。
主人公は、次に勇者へ転職が可能となる条件を皆に話すようですが。




