第206話 顛末の説明
主人公は、巨大な蜘蛛の魔物を倒しました。
となると、次は皆との合流でしょうか。
巨大な蜘蛛の魔物。
強くなった固体かこのダンジョンのボスかは断言できないが、多分このダンジョンのボスは広域高温業火(ワイドエリア ハイ インフェルノ)や高温業火を連発する事で焼け死んでくれた。
威力も上げたし、射程も伸ばしたし、効果範囲も広げたし、発動速度も上げたから、MP消費は結構なものだったけどね。
しかし、これが冒険者ギルドで聞いていたイレギュラーか。
厄介だな。
安全を確保する為には、早いとこ4級職を極めて、5級職以上になるべきだな。
そんな事を考えつつ、亜空間収納からエリクサーⅣを取り出し、飲む。
奴に食われた左腕を再生させる為だ。
血が噴き出しているけど、不思議とそれ程痛くは無い。
酷い痛みも異常に属するので、状態異常耐性が仕事をしてくれているのだろう。
しかし、痛みは危険信号の側面もあるから何時までも軽減してはくれず、その内のたうち回る程痛くなるかもしれないし、幾ら上がっているステータスでも出血多量で死んだり意識を失ったりするだろうから、早めに治療すべき。
なら、戦闘中に傷治療魔法をかけて、先ず出血だけでも止めておけば良かったんだけど。
でも、勝機だと、攻撃を優先したからな。
後は、強化したランク5の魔法を連発したからMPも回復させないと駄目だったけど、エリクサーで回復してくれたので助かった。
戦利品となった奴の下へと行き、戦利品の魔石を鑑定するとリーサルスパイダーの魔石Cだそうだ。
やっぱり、ボスかな。
まあ、リーサルスパイダーがこの階層に複数いて、俺が感知できていない可能性もあるけどさ。
流石に、ゲームの時は居なかった強い個体が2匹以上いるって事は無いと思いたい。
と言うか、この裁縫の祠へのツアーは未だ禁止されていなかった。
そんな状況なんだから、アサシンスパイダーが進化してリーサルスパイダーになったとしても、ゲームと同程度の強さで、あんなに強い個体はいないだろう。
だけど、注意はしないとな。
と未だ安心できない現状に少しゲンナリしながら、広範囲攻撃で倒す事を優先した為に半分以上燃やしてしまったアサシンスパイダーの戦利品も亜空間収納で回収しながら地下3階への階段へと向かった。
階段の前に落ちている大きな岩。
しかも、蜘蛛の糸がたっぷりと付いている。
生活魔法の着火で燃えてくれないかなと、蜘蛛の糸に火をつけてみるが、燃えにくいようだ。
あのリーサルスパイダーの糸だとしたら、火槍ですら燃やす事は出来ていなかったからな。
ならばと、土魔法の大地創造で糸ごと地面深くに入れていく。
すると階段が見えて来たんだけど、凄い勢いで4人が走って来た。
「だ、大丈夫だったの?」と聞いて来たのはアリーサ。
「ああ。皆が冷静に階段で待ってくれていたからね」と、ある意味侮辱になりそうな事を言ったのだけど。
「マドリーンさんが、下手に行くと足手まといになるからって」と、ラファエラが悲しそうな顔で教えてくれる。
「そう。皆を守る余裕はなかったから、申し訳ないけど、それが正解だと思うよ。ごめんね」
そう謝ると、3人は複雑そうな顔をしている。
すると一人厳しくチェックをする感じで俺を見ていたマドリーンは、「左手に手袋していないのは何で」と目ざとく聞いて来る。
「ああ。多分ここのボスのリーサルスパイダーに、左手ごと切り落とされて喰われちゃった」と、本当の事を言うと、4人とも顔をしかめている。
「馬鹿な奴だよ。俺の腕を喰いながら嘲笑っている暇があったら、止めを刺しに来ればよかったのに。
まあ、そのおかげで隙が出来たから、反撃のアイデアが浮かんで倒せたんだけどね」
そう言っても、4人とも何も言ってくれない。
なので、俺から今後について話しておく
「残っている戦利品を回収したら、裁縫神の神像へお祈りに行こうか。
後は、可能な限り裁縫の原材料を集めようよ。
多分ボスはもう倒しちゃったとは思うけど、ボスを感知できていない可能性もある。
だから、神像にお祈りするまで転職しないと言うのも手だけど、無駄になる経験値がね。
俺が転職しなければ何とかなる、とは言わないけど、この近辺で生産系の3級職を卒業し、生産系の5級職でそれなりのレベルになってからボスの間に行く、と言う安全策で行こうか」
「心配なんだ」とマドリーンが少し不安そうに聞いてくる。
「ああ。今倒したのがボスじゃないとか、もっと強い個体が居て感知出来ないパターンも絶対に無いとは言えないからね。
だけど、流石に月一回攻略されているCランクのダンジョンで、それは無さそうでしょ。
なのに、ビビり過ぎて強くなるスピードを落とすのも馬鹿みたいだし。
でも、注意はしながら行こう。
という事で、サブリーダー、これも持っておいて」
そう言って、亜空間収納から4個の聖魔法の宝玉を出して、マドリーンに渡す。
「何これ?」
「4個とも聖魔法の宝玉。
俺は後2個でランク5になり蘇生が可能に。アリーサが3個で、クラリッサが後4個でランク5だった気がするから、少なくとも、今ある宝玉で2人は蘇生魔法が使える様になるでしょ。
まあ、万が一の為かな」
そう言うと、嫌そうに格納箱から魔法の袋を取り出し、それに入れているマドリーン。
「必要な、リスクヘッジでしょ」
そう言って、先に進む事を御願いした。
主人公は、裁縫神の祠のボスと思われる強敵を倒しました。
ボス部屋で待っているタイプのボスではなかった、と言う事なのでしょうか。
それとも、魔王の狂乱が原因で起きたイレギュラーだったのでしょうか。




