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第203話 転職の先延ばし

 主人公は、裁縫神の祠地下3階で、順調に魔物を倒しています。

 もっとも、ちょっと厄介そうな羊の魔物との戦闘時に、皆を隔離する形で守りつつ戦ったことに不満を持つ者がいるようです。

 ちょっと厄介そうだった羊の魔物。


 空間に漂わせた羊毛で感知し、感知した俺達に対し羊毛を槍の様に使ったり、鞭の様に使ったり、ロボットアームの様に使ったり。


 厄介だったのは、こちらの攻撃魔法が羊毛のロボットアームで防がれた事だ。


 しかも、集団で突撃してきたので、皆を聖魔障壁で守りつつ、俺だけで魔物を引き付けて戦ったんだけど。


 なんかマドリーンが何かを叫んでいた様な。


 ちょっと嫌な予感を覚えつつ、マドリーン達を保護していた聖魔障壁を解除し近づいていくと「何で私達だけ聖魔障壁で隔離するのよ」と予想通りマドリーンは怒っている様だ。


 「いや。あの魔物の戦い方が良く分からなかったから」


 「じゃあ、私達は黙って見ていろ、って事」と未だ怒っているので、正論をぶつけると言うか、必要な事を言っておく。


 「いや。マドリーンとアリーサとクラリッサで聖魔障壁を3重に張り、それでも障壁が破られることを想定して回避運動をとれる様にしておかないと駄目なんじゃない」


 そう言うと不満そうな目で俺を見ているけど、反論はして来ないマドリーン。


 「あとは、自分が戦う事も想定して戦いを見ていないと駄目だし」


 「それは、そうしていたけど」とマドリーンはマダマダ不満そう。


 「他にも、俺の援護がどう出来るか考えたり、逃げる準備をしたりしておくとかもあるね」


 「逃げるの?」とマドリーンは不満な上に理解できないと言った感じで眉をひそめながら言ってくる。


 「『先に逃げて』って俺が叫んだら、皆には先に逃げてもらって、それを俺が追っかけるってパターンも有るだろうし」と、そういう事も考えておいてと言ったんだけど。


 不満そうに黙り込んでしまった。


 「どうしたの?」


 「なんでもない」


 そう言ったマドリーン以外の3人も、微妙な顔をしている。


 『ひょっとして、何も考えずにボーっと俺の戦闘を見ていたの?』と聞きたくなったが、一度否定されたし止めておこう。


 少なくとも、俺の戦い方は見て学習していたはずだし、酷く怒らせるような気がするし。


 ああ。


 皆も好戦的なタイプではないから、不満そうにしている理由は、魔物を倒したかったなんて理由では無いだろう。


 俺一人に戦わせるのは申し訳ないと言った理由なら良いが、俺を心配する気持ちから不服なのだとしたら、『人の気持ちが分からないの』等と激怒されそうだしね。



 未だ居る強めの固体に向かいながら道中での狩りを続ける。


 リーサルキャタピラー達は隠れたままノーマルの火槍で倒す。


 普通に草を食べているリーサルシープ達も、同様に隠れたままのノーマル火矢で。


 羊毛の結界を張っているリーサルシープ達は、結界の外から羊毛を火弾で焼き、焼かれた事を感知し突撃してきた処を火魔法ランク5で身に付ける広域超高温攻撃魔法である業火インフェルノで倒す事にした。


 うん。


 羊毛の結界を使っている個体と言うか、集団で動くリーサルシープには、広域攻撃の方が相性はいい。


 試しに火魔法ランク4で身に付ける高温攻撃魔法の火嵐ファイアーストームも使ったが、ノーマルでなく高温広域強化タイプでないと仕留めきれなかった。


 なので、ノーマルの火嵐では突撃してくるリーサルシープに火槍を使う事になった上に、高温広域強化タイプでも倒すまでに時間が掛かり、残酷な感じになったので一気に業火で倒す事に。


 メルの成長した個体に見える羊の魔物が「ヴェェェェ」と苦しそうに叫びつつ焼死している姿は、ちょっとね。


 なお、戦利品の羊毛は、例え業火で倒した事により灰となっていても、ある程度復活してくれる。


 なので、時間に対し得られる戦利品は余り変わらないと、突撃してくるリーサルシープ達には業火を使う事に。


 そもそも、異常に強くなった魔物が居るかもしれない隠されていない方のダンジョンだから、魔法で一気に倒すつもりだったしね。


 だけど、その為にいつも以上に攻撃魔法を使用する事になっている。


 しかも、使う攻撃魔法は弾系魔法ではなく、消費MPの多い火槍と業火。


 消費MPを抑える為に、ノーマルの火槍とノーマルの業火を使ったとしても、数を使えばMPの消費量が結構な事になる。


 なので、途中でMP回復薬Ⅱを2本、Ⅲを1本使う事になった。


 その甲斐あって、裁縫の原材料を大量に確保。


 まあ、今日無理しなくてもまた来ればいいだけなんだけどね。


 と、地下4階への階段に近づいた処で、3人からの申告があった。


 「マサちゃん、大神官でレベル上限になったけど」と、マドリーン。


 「あ。私も魔究師でレベル上限だ」とアリーサ。


 「私も、騎士でレベル上限になりました」とクラリッサ。


 「スキルを取得したら転職すれば良いのかな?」とマドリーンが3人を代表して聞いて来る。


 流石、サブリーダーだ。


 まあ、そんな事を言うと、文句と愚痴が始まりそうなので言わないけどね。


 「え~と。3人はラファエラと違って薬師系や鍛冶系になっていないでしょ。

  もし、薬師と採掘士でレベル上限になり、魔法薬師と鍛冶師でレベル26以上になるつもりが有るのなら、転職は地下4階に行ってからの方が良いのかな」


 「どうして?」


 「行った事の無い地下4階に生産系職業の3級職や5級職の低レベルで向かうのは、リスクがあるかもしれないでしょ。だから、転職は地下4階の様子を見てからにすべきかなって」


 「そうなんだ。そんなに違うかな」


 「あ~。5級職なら低レベルでも4級職と変わらないだろうから、3級職でレベル上限になり、5級職で最低限のレベル上げをして向かえば良いだけか。

  いや。5級職で転職可能となるレベル26には直ぐになれるから、生産系で一通りレベル上げをして次の戦闘系の4級職に転職し、最低限のレベル上げをして向かえば良いだけかな」


 「ここで転職すると面倒そうなのか」と、俺が細かい事を言ったので、マドリーンが面倒そうに言って来る。


 「面倒って程でもないと思うけどね」


 俺がそう言うと「心配性のマサちゃんからすれば、4級職でレベル40の状態で地下4階へ行くのが正解っぽいね」とマドリーンは決断したようだ。


 「まあ、4級職で最低限のレベルアップをしている状態よりステータスの上では強い状態だから、転職しないで地下4階に行くのが間違いがないか」


 「なら、それで行こうか」とマドリーンは既に見えている階段に向かい始める。


 「まあ、スキルは選ぼうね。まあ、階段を下りながらでも良いんだけど」


 俺がそう言うと「ヨシマサさん。あの、私は5級職の聖騎士へ転職可能になったんですが、マドリーンさんやアリーサさんと同じで良いでしょうか?」とクラリッサか聞き難そうに聞いてくる。


 「あっ。ごめん。そっか、騎士でレベル上限になったから聖騎士へと転職可能になったんだ。

  となると、クラリッサは聖騎士に転職し、最低限のレベル上げをしてから地下4階に降りよう」


 「すいません」


 「いや。言ってくれて助かったよ。ベストを尽くしておかないと、どんなイレギュラーがあるかもしれないからね」


 「はい」


 そう返事をしてくれた後、気配が変わったクラリッサは聖騎士になった様だ。


 なので、地下4階への階段へ向かう途中に寄り道をして6匹リーサルキャタピラー倒し、クラリッサを聖騎士LV24にしてから地下4階へと向かう事となった。

 主人公は、地下四階を警戒し、皆の転職に待ったをかけたり、最低限のレベル上げをして地下4階に向かうようです。

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