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第202話 羊の魔物

 主人公達は、裁縫神の祠の地下3階で魔物を狩っています。

 羊と蚕の魔物を大量に。

 すると、ちょっと変な魔物に出会ったようで。

 裁縫神の祠地下3階にいるリーサルキャタピラーとリーサルシープを倒し、裁縫に使える戦利品を集めつつ、感知している強い個体へと向かう。


 先ずは、芋虫或いはカイコで強そうな奴を倒し、その次は羊で強そうな奴の方へ向かったのだけど。


 何だ、こりゃ。


 糸で自分を中心とした一定の空間に結界を作っているのか。


 感知スキルが、ここより先には人の目には見えない程の細い糸が漂っていると教えてくれる。


 これに触れると感知されるのだろう。


 う~ん。


 半径200メートルくらいの空間に毛糸を使った結界を張っている。


 だから、こちらの攻撃は漂っている毛に触れ確実に感知される気がする。


 MPの残量チェックの為に開きっぱなしにしてあるステータスウィンドウを見ると、MPは結構減っているな。


 魔物の討伐に主に槍系の魔法を使っているし、戦利品確保の為に無視できる魔物も倒しまくっているし、今日は俺だけが攻撃魔法を使っているからしょうがない。


 MP回復薬Ⅱを飲み、皆に注意を促してから、目の前の糸が漂っている空間に火嵐を発生さ、糸の結界を消滅させる。


 すると、こちらに向かって走り出す、リーサルシープの群れ。


 攻撃を受けると逃げ出すパターンで考えていたんだけど、こちらに突っ込んでくるとは。


 その結果、糸の結界が聖魔障壁に触れ、それによりこちらを見つけ殺意が向けられた事を感知スキルの察知が感知する。


 71匹の群れだからと爆裂火槍を71発発生させ、全てのリーサルシープの首を狙って発射したのだけど、リーサルシープの群れのリーダーらしき奴が、自分の羊毛を左右に伸ばし鞭みたいに使って、爆裂火槍を撃ち落としてしまった。


 ……、おいおいおい。


 MPを結構使ったのに、半分程度しか倒せていないぞ。


 羊毛の鞭なんて、爆裂する火の槍の一撃で燃え落ちそうなのに、ボロボロになりながらも30発以上を撃ち落とすとか。


 しかも、こちらに走りながらだぞ。


 もう一度と思いつつMPの残量を見ると、強化した火槍を71発も撃っているし、それ程余裕はない。


 こんな事なら、もうワンランク上のMP回復薬を使えばよかった。


 そう思いつつ意識を奴に戻すとある程度燃えていた奴の羊毛の鞭も大分回復してきている。


 羊毛操作スキルで毛を伸ばし、新しい毛に替えているのだろう。


 しかし、あの羊毛の鞭は、なんて言うか、普通の鞭とは違う動きかも。


 毛自身が動く為の力を持って動いていると言うか、鞭みたいにしならないと言うか。


 素早いロボットアームに似ているのか。


 糸操作系には糸操作系の動きの法則が有るのかも。


 メルの毛糸操作をもっと見せてもらっていれば良かったか。


 一時的に聖魔障壁を外して外へ出た後、皆に聖魔障壁を張り別方向へ走りつつ挑発スキルを使用する。


 よし。


 リーサルシープたちの群れは目立つ様に動いている俺に向かって来ている。


 でも、聖魔障壁の中で、聖魔障壁を叩きながらマドリーン達が何か叫んでいる気はするが、今は魔物に集中する。


 次の手として、高速火槍を残り36匹に撃ち込む。


 もう復元された羊毛の鞭で幾つかが撃ち落とされるが、高速火槍の方が羊毛で撃ち落とされずにリーサルシープを倒せる様だ。


 それを確認しているうちに羊毛の鞭の射程に入ってしまったが、風の護りで弾きながら接近し、一瞬風の護りを解いて残ったリーサルシープの急所に対しミスリルの槍を突き刺して倒す。


 羊のリーダーは怒り狂っているが、こっちだって死にたくないから倒すしかない。


 まあ、彼奴らのテリトリーに入って来たのは俺達だから、俺達の方が悪いとも言えるが。


 MP節約の為に、奴らの突撃を動き回る事で回避しつつ槍で倒していると、風の護りを解いた一瞬を狙って毛の鞭で攻撃してくるようになったので、それを全力でかわし、残りは接近して火槍を撃ち込み倒す。


 MPは大丈夫そうだ。


 と残った厄介なリーサルシープに粘着火槍を二発撃ち込むと、それも羊毛の鞭で防がれたが、狙い通り羊毛の鞭は焼け落ちてくれる。


 だけど、それでは鞭の全てを燃やしてはくれないか。


 自分の羊毛が焼け落ちる様を見ていたかと思うと、羊毛を二本の巨大な角状にして俺の方に突っ込んでくる。


 その勢いに、風の護りを破られるかもと注意しつつ、粘着火槍を打ち込むと、角状の羊毛をまたもロボットアームの様に動かし撃ち落とされる。


 変幻自在な体毛か。


 これは、あの羊毛を動いて避けても、それに応じた動きをされ攻撃を受けてしまいそうか。


 なら、こちらも攻撃に転じるしかない。


 そう覚悟を決めて、槍を構え周りに高速火槍を4つほど漂わせて、火槍と一緒に突っ込む。


 火槍と俺のどちらを攻撃すべきか悩んだ感じのリーサルシープ。


 でも、俺にターゲットを決めた感じで羊毛の角を俺に伸ばしながら突っ込んでくるので、火槍を待機させ、風の護りを厚くし、大きくジャンプ。


 そのまま飛翔スキルで奴の上を飛び越えると、羊毛の槍で俺を刺そうとしていた奴は、そんなの有りかよって感じでこちらを見ている。


 ボーゼンとした感じで上を超えて行く俺を見ている奴に『隙あり』と待機させていた高速火槍を頭部に撃ち込むと、戦利品に変わって行く。


 ふう。


 飛翔スキルはランク1で自由に飛べるわけではないので、リーサルシープが呆けてくれたおかげで助かった。


 まあ、攻撃があっても飛翔で距離をとったので、それ程強い攻撃は出来ず、風の護りが防いでくれたとは思うが。


 戦利品を回収し、皆の元に戻ると、マドリーンが俺を睨んでいるような。

 主人公は、マドリーン達を守りながら一人で戦ったようですが。

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