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異世界とゲームは違う様です。~やり込んだゲームに似た異世界で生き残りたいのだけど、ゲームと違う事が多過ぎて困っています~  作者: 下見野大
第4章 4人目の仲間編

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第197話 サブリーダー

 主人公は、死んでいたとはいえ、他の転生者の気配を感じて思うところがあるようです。

 それで、朝食後に皆に何かを言うようですが。

 「ちょっと、込み入った話もあるし」


 そう言ってから朝食を食べに食堂に行ったんだけど。


 皆、俺の込み入った話が気になる様で、あまり話もせず黙々と朝食を食べて部屋に戻ってきた。


 そこで、マドリーンに風の護りで防音をしてもらい、メルを呼び出す。


 すかさず、ラファエラに確保され、俺が格納箱から出した食事をもらっている。


 その様子を見ながら、まず決めてもらいたい事から話す事にする。


 「まず、4人にリーダーを決めてもらいたいんだけど」


 「リーダー? ヨシマサちゃんでしょ」とマドリーンは不思議そうに確認してくる。


 「俺を除いて、だね」


 そう言うと「なんで?」と再度確認してくるので、話さない方が良いかも、と思った事を言う事に決める。


 「今、これから話すのは、俺が勇者候補に襲撃されて死んだ後を想定した話だから」


 そうハッキリ言うと「……、嫌だって言っても、どうしようもないんだよね」と、マドリーンが嫌そうに言って来る。


 「勿論、今朝も生き残る為に頑張って来たけどね。それでも、どうしようもないかもしれないでしょ」


 そう言うとマドリーンは嫌と言う感じから気持ちを切り替えた感じで「うん。それで、リーダーってどういう意味」とその意味を問い質してくる。


 「俺が死ぬ時に、皆も一緒に死ぬ事になるのなら、まあ気にする必要はないんだけど、4人ともとか、数名生き残ったらどうする?」


 「……、どうしろって言うの?」と、マドリーンは俺が何を言いたいのか分からないって感じでイラっとしたようだ。


 「ラファエラの言っていたように、生まれた村に戻って、村を守るでも良い。

  だけど、人族の希望が俺達勇者候補だけを指すのでなければ。

  それぞれが人族を救いたいと思うのなら、皆にも人族を救えるかもしれない力の基礎となるモノを残しておきたい」


 「……、それで」と、マドリーンはしばらく沈黙した後、話の先を聞きたがって来る。


 「だから、今から決めるリーダーには、今朝得た力を預かっていてもらう」


 「……、そういう事か」と言うマドリーンも、他の3人も納得した感じになってくれた。


 「ああ。今朝の話をすると、どうも迂闊な勇者候補だったのか、何か事情があったのかは分からないんだけど、始まりのダンジョンの初級地下二階で死んでいた。

  前の時と違って遺体も何も残っていなかったから、多分だけどね」


 「えっ。それってどういう事なんですか?」とラファエラが良く分からないと言う感じで聞いて来る。


 彼女には説明した事なかったか。


 「始まりのダンジョン初級には、決まった戦利品があるんだ。

  それも途轍もなく重要なモノもある。

  一応全てを挙げると鋼鉄製でグレード2の武器が5つ、火魔法・鑑定・格納箱・生活魔法・魔力操作スキルの宝玉、成長の宝玉、簡易転移の宝玉、神酒とかと、お金や魔法薬なんだけど」


 「成長の宝玉って、ひょっとして成長の加護が得られる宝玉ですか。あっ。簡易転移もか」と、ラファエラは初めて聞く話なので、確認してくる。


 「そういう事。それが、どうも初級の地下二階で勇者候補が力尽きていたみたいで、成長の宝玉、簡易転移の宝玉、神酒だけでなく、魔力操作スキルも手に入ったんだ。

  後、前と違うのは、勇者候補が成長の加護、簡易転移の加護、神酒を手に入れる前に死んだためか、前の様に死んだと思われる場所に宝箱は無かった。

  そう言えば、レベルが上がり厄介だと思った魔物も居なかったけど、それは多分気が付かないうちに倒しちゃったんだろうな」


 「それは、分かったけど、何でリーダーが必要なのよ」


 そう言われたので、今朝走りながら決めた種類の宝玉を置いていく。


 「魔力操作スキルの宝玉、亜空間魔法の宝玉、成長の宝玉、簡易転移の宝玉を2個、神酒を8本。

  この戦利品の内、リーダーに亜空間魔法の宝玉を使ってもらい、残りの宝玉と神酒をそのリーダーに持っていてもらう」


 「……、でも簡易転移の宝玉は使えなかったよね」と、アリーサがおそるおそる聞いて来る。


 「ああ。でも、神酒4本を使いトリプルから大賢者候補になったら、ひょっとしたら使えるかもしれない。

  もし、そうなったら、その人が人族の希望って言えるようになる」


 「……、それがリーダーなんだ」とアリーサは呟くような声で確認してくる。


 「そういう事」


 「……、重要な役割過ぎるよ」と、マドリーンが嫌そうに言って来るので「そんな事言うなら、俺も責任が重すぎて嫌~って逃げ出すよ」と、キッチリ逃げ道を塞ぐ。


 「……、それはそうだけど。

  そうだね。4人の中からサブリーダーを決めておく必要はあるって事ね。

  と言うか、何で成長の宝玉を自分に使わないの?」


 そうマドリーンは、リーダーではなくサブリーダーと言い換えて行ってくる。


 まあ、確かにサブリーダーかな。


 そう思いつつ「ああ。この成長の宝玉は2倍だったんだ」と質問に答えておく。


 「そっか。既に31倍のヨシマサちゃんには、余り大きな力じゃないんだ」とマドリーンは俺の意図をあっさりと言い当てる。


 「そう言う事。6倍とか8倍とかなら俺が生き残る可能性を上げる為に使わせてもらったんだけどね」


 「……、ヨシマサちゃんがサブリーダーを決めるのでは駄目なの?」とマドリーンは何故か不満そうに言ってくる。


 「それでも良いけど、俺は皆なら誰でも良いと思うから、4人に決めてもらうので良いかなって」


 「でも、仲間はまだ増えるんでしょ。その人達が入ってからでも良いんじゃない」と、相変わらずマドリーンは不満そう。


 「まあね。だけど、丁度今日、渡したい力が全て手に入ったから」


 「……、分かった。仲間が増えたら、またその人を含めて話し合いでも良いかな」と、マドリーンは自分がサブリーダーになりそうだと分かっていて、それが嫌な感じなのかな。


 そう思いつつ「いいよ」と言って置く。


 「それで、どうやって決めるの?」と、マドリーンが諦めた感じで言って来た。

 サブリーダーは、誰がなるのでしょう。

 まあ、普段の状況からすると、ほぼ決定な気もしますが。


訂正点:

 勇者候補が死んでいたパターンが初めてではない描写を追加。

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