第192話 マドリーンとアリーサとクラリッサのこれから
主人公は、皆に神酒を使う事で、今後どう強くなっていけるのかを説明するようです。
昇華の神酒を使い、基本4職について3つ目の才能を得てもらう。
そう皆に言ったんだけど、一生の事になるかもしれないと、皆は慎重と言うか選べずに困っている感じ。
皆に4つ目の才能を得て貰えるのなら、そんなに深く考えなくてもいいんだけ。
でも、4つ目の才能を得るときには、それまでとは違い昇華の神酒を4本同時に神にささげないと駄目だから、目指しはしても、確実にそうできるとは言えないしね。
なので、改めて俺の知識を教える事にしたんだけど。
ゲームだと攻略情報とか見て選んだり、自分が何度もクリアする過程で、これが良いと思う選択肢は決まったんだけど。
ゲームと同じなのかな、と不安にもなる。
その上、ゲームとは違って俺が選択するのではなく、皆に説明し、皆が自分で得る才能を選択してもらう事になる。
まあ、俺が『そうすべき』と言えばその通りの才能を得てくれる気はするけど、ゲームとは違うんだから皆の意思を尊重すべき。
そう思っているので、皆に良い選択をしてもらう為に、気合を入れて説明を始める。
先ず言ったのは、基本4職全てに才能がなければ、勇者職にも大賢者職にも就けない事。
更に、神像の祠をめぐって得た転職条件により転職し、その幾つかの職業を極めていく必要がある事も言っておく。
そして、今回の説明は3つ基本職に才能が有る状態での今後の展望についての説明であり、俺が知っている隠れ職業についても考慮する、とも説明。
また、所詮お告げなので、間違っている可能性もある、と予防線を張る事も少し意識。
そこまでしてから「それを含めての俺の意見だから、間違っている可能性もあると認識して、自分がどうしていくか考えてね」と言って、仲間になった順番で説明する事に。
なので、先ず現状神官系と魔法使い系に素質を持つマドリーンとアリーサの今後の展望について説明を始める事にする。
すると「う、うん」と、メルを膝の上に乗せたままのマドリーンがメルをなでながらも真面目な表情になる。
「まず、神官系と魔法使い系に才能がある場合、次に何になるかだけど。
前提として、賢者、付与師を経て刻印魔術師、生産系を極めて行く事で就ける魔機工師には、3つ目の素質に関わらず就ける。
その上で、戦士系に素質を得ると、戦士と重戦士を経て、魔法戦士系の魔法戦士と重魔導戦士に、騎士系だと騎士と聖騎士になれる。
と言う事は、5級職の聖騎士と4級職の重魔道戦士を経て6級職の天騎士に就けるって事になる。他にも聖騎士と魔物使いを経て6級職の竜騎士にもなれるかな」
「そ。それは凄いよね」とマドリーンは3つ目の基本職を得る事の利点について改めて驚いている感じ。
俺たちの身の回りには、生産系の5級職程度で6級職の人なんていなかったし、3つ目の素質を得る事により就ける職業の幅が大きく広がるからな。
そう思いつつ「ああ。その上で、隠れ職業の聖者、英雄、言霊使いに付ける可能性がある」とその上の隠れ職業についても教える。
「うん。その転職条件は、また今度説明してくれるって事ね」とマドリーンはその先の話を催促してくる。
「ああ。次に、斥候系になると、斥候と隠密と忍びになれる。つまり、5級職の上忍にすらなれない」
「……、ヨシマサちゃんが言っていた、中途半端になるって奴だ」とマドリーンは皆に改めて説明してくれる。
「そう。斥候系で忍び職を極め、更に戦士系と斥候系の複合職である狩人を経てレンジャーを極めないと、忍びとレンジャーの上位職である上忍になれないのだから、斥候系としてはどうしても中途半端になる。
でも、感知及び偽装スキルをそれなりのランクで取得出来るから、それについてどう思うかだね」
「……、それでも6級職の賢者とかにはなれるから、それで良いと思えるかどうかなのかな」
「そうだね。後は、隠れ職業の聖者、韋駄天、言霊使いになる方法もある」
「隠れ職業の違いと言うと、英雄になれるか韋駄天になれるかの違いなんだ」と、マドリーンがその違いを指摘してくる。
「そうだね。これで指針になりそうかな」
「うん。アリーサと話し合って、別々の基本職について才能を取得した方が良さそうだって改めて思ったよ」と、マドリーンは少し困った感じで言ってくる。
その表情に「そうか。難しいだろうけどね」と俺も言ってしまう。
ゲームとは違い、その後の人生全てに関わってくるかもしれない事だから。
すると「でも、頑張れば私達も大賢者候補になれるんでしょ」とマドリーンは思考を切り替えた様だ。
「うん。始まりのダンジョン上級をクリアすれば、神酒もそれなりの数になるから、それを目指すつもりだしね」
「だから、朝も戦いに行っているんだもんね」とマドリーンは改めてメルをなでながら言ってくる。
「そういう事。
それで、次にクラリッサだけど、今持っているのが、戦士系と神官系でしょ。
選べるのは、魔法使い系か斥候系だ」
そう言うと「はい」と言いつつ佇まいを正し話を聞く姿勢になっている。
「まず、前提として今でも就ける6級職は、魔機工師だけかな。
その上で魔法使い系の素質を得れば、先ほど話した戦士系、神官系、魔法使い系になる才能を得る訳だから、6級職の天騎士、賢者になれるし、聖騎士と魔物使いを経て竜騎士に、付与師と賢者を経て刻印魔術師にもなれる。
近接戦闘を極めて行こうと思うのなら、魔法戦士系、騎士系を極められるから、多分この道がお勧めだろうね。
まあ、賢者にすら就けるから、近接戦闘ではなく攻撃系って言った方が良いのか。
いや。騎士系には防御系の力もあるから、近接及び攻撃及び防御系と言う事になるのかな。
隠れ職業は、さっきも言ったけど聖者、英雄、言霊使いに付ける可能性がある」
そう言うとクラリッサは考え込んでしまったが話を続ける。
「斥候系になると、戦士と斥候系の複合職である狩人、レンジャーになれるから、5級職の上忍にもなれる。
6級職は、聖騎士と魔物使いを経て竜騎士に就けるのか。
そんな感じで、先程説明した魔法使い系との違いは魔法を極めて行くのか、感知及び偽装系の力を極めてけるのかになるかな。
まあ、魔法使い系になれば天騎士にすらなれるから、魔法使い系を選ぶと近接系を鍛えるともいえるけど。
ちなみに、斥候系を取ると、隠れ職業は、聖者、極忍、韋駄天になるのか。
まあ、簡単に言えば、近接戦闘だけでなく攻撃魔法で敵を殲滅できる力を選ぶか、近接戦闘と感知や偽装と言った力を選ぶか、かな」
「……、私もラファエラと話し合って決めた方が良いのかなって思っていて、これから話し合う事にします」と真剣な表情のクラリッサ。
さて、次はラファエラか。
主人公は、皆の今後の展望について話し続けています。
補足資料
天騎士職に就くには、重魔道戦士でLV40に、聖騎士でLV50になった事がある事が必要。
賢者職に就くには、大神官LV40と魔究師LV40になった事がある事が必要。
大賢者職に就くには、召喚士LV60と賢者LV60と刻印魔術師LV60になった事がある事が必要。
聖者職に就くには、大神官LV40になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。
極忍職に就くには、上忍LV50になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。
英雄職に就くには、聖騎士LV50になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。
韋駄天職に就くには、忍びLV40になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。
修羅職に就くには、重戦士LV30になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。
言霊使い職に就くには、魔究師LV40と大神官LV40になった事がある事と、ある条件を満たす必要がある。




