第19話 強化魔法の設定変更
主人公は、始まりのダンジョン中級で倒した魔物との戦いで思う処があった様です。
始まりのダンジョン中級で、初めて倒した魔物はゴブリンファイター。
得られた経験値は多く、更に成長の加護のお陰で直ぐに強くなれそうではある。
だけど、普通に火魔法の火矢を防がれたんだよな。
それをこのままにしておいて良いのだろうか。
そう思ったので、感知スキルの探索で感知してある次の魔物に向かう前に、火魔法の設定も変えておく事にする。
火矢が防がれない様にする為には、スピードアップで良いのかな。
そう思いつつ、火魔法メニューから魔法強化メニューを表示し、強化項目の発生高速化、高速化を確認し、それを各強化火矢に対しそれぞれ一段階強化と言う設定で追加しておく。
これで強化した火矢の消費MPが5~6になった。
だけど、必要な事だ。
と言うのも、次は一気に倒したい魔物だから。
この先の曲がり角を曲がると、ゴブリンファイターとゴブリンメイジが居る。
まあ、ゴブリンメイジの方はこの世界で初めてあう魔物。
気配を詳細に感知した処、杖を持っている様だから、と言った判断だから多分だけどね。
曲がり角から身を乗り出し、爆裂火矢と念じて8発ほど強化火矢を出現させ、直ぐに打ち込む。
突然の魔法攻撃に気が付き驚いた感じのゴブリンメイジも、火弾か何かを俺に打ってこようとしたけど、それが放たれる前に爆裂火矢が二匹の頭部を吹き飛ばした。
……。
MPを無駄にしたオーバーキルだったか。
1~2発で倒せた感じなのに一匹当たり4発も打ち込んだから。
まあ、最初はしょうがない。
しかし、感知スキルで先に見つけ奇襲を掛ければ、ほぼ完勝できそうだな。
感知能力に優れたゴブリンスカウトとか隠れる能力が優れたゴブリンアサシンとか居る場合は、注意しなければならないって事でもあるんだけど。
後、心配なのはゴブリンアーチャーか。
感知スキルの探索範囲を広げ、それらしい奴を発見し、接近する。
ゴブリンの射手。
狩人の能力を持っているとすると、感知能力も持っていそうだけど。
と、接近すると、曲がり角の向こうに居る奴の気配が攻撃的に変化して、こちらにもう一匹のゴブリンファイターと向かって来た。
なので、前の曲がり角に戻りつつ、ゴブリンアーチャーとファイターが現れるタイミングで爆裂火矢を4発発生させ打ち込む。
向こうからも弓矢が撃ち込まれてきたが、曲がり角を使い死角に入る。
幸い、弓矢のスピードは、それ程でも無かったので余裕を持って避けられた。
通路の奥からほぼ同時に聞こえて来る「ボウ」と言った爆裂の音と「ギャ」と言う汚い声の断末魔。
感知スキルによる探索だと、敵は既に戦利品に。
なので、それを回収に向かうと魔石と鉄の剣と木の弓が落ちている。
魔石を魔石入れの袋に入れ、剣と弓は紐でくくって1単位にして格納箱に入れる。
さて、ゴブリンアーチャー対策をどうしたものか。
そう言えば、偽装スキルは偽る、紛れる、隠す力がある。
俺の気配等を紛らわせたり、隠したりすれば、アーチャーに感知されないかも。
でも、相手の感知能力に負けたら、感知されるか。
でも、やってみようと、偽装スキルを教育モードにして偽装スキルメニューを起動。
スキルからの忠告によると、自分の気配を消すのではなく隠形の力で紛らわせるのが正解なんだって。
なんでも、感知能力のある者から見ると、偽装スキルの秘匿の力を自分に使うと何もない人型の空間がそこにあるように感じるから、だそうだ。
ちなみに、スキルからの指摘だとランク1だと、動かない状態でないと紛れられないそうだ。
スキルを鍛えてランク内のグレードが上がれば、ゆっくり動く程度ならスキルの効果は出るらしいが、今は動くと解除されるらしい。
なので、隠れながら攻撃するのは諦め、感知スキルの探索の力でアーチャーを先に探し出し、弓を避けられる場所へ引き付け火矢で倒す、を繰り返す事とした。
うん。
まあ、感知の力で勝っているから何とかなるかと、次はマップを全て埋めていく事にした。
主人公は、順調に下位ゴブリンを倒している様です。




