第189話 皆のレベル上げは
主人公は、王都近くの隠されたダンジョンでのボス戦を勝利で終える事が出来ました。
まあ、天井に張り付けられたりはしたのですが。
新年あけましておめでとうございます。
ここのボスのリーサルビートルなんて、ゲームだと直ぐに雑魚になったCランクの魔物。
それに苦戦とはな。
Cランクを大量に倒さないと5級職とかではレベル上限になれないんだけど、この調子だとどうなるんだろう。
そう思いつつ、戦いが終わりホッとした感じの皆に声をかける。
「経験値は、そっちまで行った?」
「あ。はい。私のステータスウィンドウには経験値を取得したって表示されています」と、ラファエラは律義に答えてくれる。
「そっか。ならよかったよ」
「……、危ない目にあって、最初の発言がそれなんだ」とマドリーンは呆れている感じか。
「いや。苦戦するって分かっていたし」
「そうだけどさ。最後の魔法が土魔法ランク5で取得出来る大地創造なんだ」
「ああ。イメージした通りに大地を変化させられる。まあ、限界はあるけどね」
「でも、あんな凄い石槍や火槍が跳ね返されるなんて」とアリーサがイメージにより更に強化した高速石槍や爆裂火槍が弾かれた事を呟いている。
「ああ。ビッグビートルでも思ったけど、戦闘態勢になるとスキルにより甲殻が丈夫になる感じだね。
まあ、強化率は全然違ったけど」
「そうなんだ」と感知系の力を持っていないマドリーンは俺からの情報に驚いている様だ。
「スキルを使う魔物も多いから、当然ある事なんだろうけど」
「……、油断できないね」と呟くマドリーンと、その意見を肯定して頷いているアリーサとクラリッサとラファエラ。
その四人を横目にボス部屋の奥の部屋にある宝箱に向かった。
ボス部屋の裏にある部屋に行き、宝箱を回収。
宝箱の内容を総括すると、地下一階が幻影魔法・水魔法・弓技・斧技・生活魔法・格納箱の宝玉、44335GAZU、魔晶石B3個、ミスリルの大剣Ⅲ、ミスリルの槌Ⅲ。
地下2階が、風魔法・弱体化魔法・盾技・杖技・鑑定・精神向上の宝玉、247734GAZU、魔晶石A2個、ミスリルの剣Ⅲ、ミスリルの槍Ⅲ、ミスリルの盾Ⅲ、エリクサーⅠ11個。
地下3階が、闇魔法・聖魔法・魔法耐性・剣技・体術の宝玉、557536GAZU、MP回復薬Ⅱ25個、アダマンタイトの槍Ⅲ、アダマンタイトの斧Ⅲ、魔晶石A2個。
ボス部屋の後ろにあった宝箱から、限界突破・死霊魔法・感覚強化の宝玉・672463GAZU、エリクサーⅢ25本、魔晶石A4個が得られる。
このダンジョンで決まって手に入るのは、限界突破の宝玉だったか。
ランク1程度では、スキル使用での効果は幸運以外のステータスが5%上がる程度だけど、限界すら超えると言う事なのか、他の魔法やスキルや装備品による効果を含めた計算でステータスが上がるので、頼りになる力ではあるんだけど。
スキルによりMPの最大値は上がってもMPの量が増える訳では無いし、それなりにMPを消費するスキルなので、注意も必要だけどね。
皆に、今回の戦利品の内容を報告すると「必要な力だから直ぐに使った方が良いんでしょ。使って」とマドリーンからのフォローが入るので「使わせてもらうよ」と限界突破スキルの宝玉を使わせてもらう。
これで『俺が錬金術でスキル追加の宝玉を造れなかったら大損だ』と、そこまで強くなる事を心に刻んでおく。
後は、裁縫神の祠に行って、防御力のあるローブとか革鎧とかも造れる様になりたいけど。
他にも、錬金術師、付与魔術師、傀儡師、木工士への転職条件の取得に行きたいし、全ての4級職をレベル上限にする、彼女達をトリプルにする、彼女達の4級職を全てレベル上限にする……。
しなければならない事だらけだ。
まあ、今日は経験値稼ぎだ。
でも、ここは嫌そうだし、別の場所に移動するか。
俺が生まれたルリード王国の王都近くの隠されたのダンジョンの地下2階から3階への階段へと転移。
既に宝箱を回収している場所だけど。
皆のレベル上げに良いかと、Dランクだけど感知能力が高くないザハギンとファングアリゲーターを大量に倒す事にする。
本当は、Cランク以上の魔物を大量に倒したいけど、今は力不足と思い知らされたしね。
では、Dランクを大量に倒そうとなったのだけど、やはりネックとなるのはMPか。
魔力操作スキルがランク4になり、魔素利用の効果が上がり、魔素の濃いダンジョンなら消費MPをかなり減らして魔法が使える。
それでも、MP回復薬Ⅲを1本使って、効率よく倒して回れる場所に居た魔物を全て倒す事が出来た。
でも、節足動物系の魔物が居たダンジョンで時間を取られ、あまり大量には倒せなかったので、あわよくば皆を4級職でレベル上限に、と言うのは達成できなかったか。
人数が増えると、経験値は配分により数分の1になる。
その上、皆の戦闘訓練に時間が掛かった。
それらにより、皆のレベル上げは思い通りにはならなかったようです。




