第184話 地下3階の蜘蛛の魔物
大剣を装備しているクラリッサ。
素早く空を飛び動き回る魔物とは、相性が悪そう。
そう思いつつも、剣技の宝玉を渡し、剣技スキルのランクを3から4に上げてもらい、それで変わるかどうかを検証し、効果がある事が分かった処で地下3階へと移動するようです。
地下二階での戦いと検証と宝箱の回収を終え、地下三階への階段を下りていると「地下三階は、また蜘蛛が居るんだよね」とマドリーンが嫌そうに聞いて来る。
「うん。いるのはアサシンスパイダーとアサシンマンティスだね。
どちらも、Dランクの魔物。本来此処で経験値稼ぎを長時間する予定だったんだけど」
「もう、お昼過ぎていますよね」と、ステータスウィンドウ内にも表示される時間を確認し、クラリッサが教えてくれる。
食事を食べたいところだけど、『食欲がない』と言われ、先送りにしている。
俺だけでも食べようかなと思いつつ、現状を伝える事に。
「うん。予定外に手間取ったと言うか、苦戦したからね。
経験値は稼げるけど、同系のEランクの魔物で苦戦したから、注意した方が良いだろうね。
まあ、最低限の戦闘経験を得てから、別のDランクの魔物の居るダンジョンへ行った方が良さそうでもあるけど」
「はあ。まずは戦ってみてでしょ。嫌だけど」と、顔をしかめながらだけどマドリーンは覚悟している様だ。
「だろうね。Dランクのアサシンスパイダーとアサシンマンティス。
この2種は、ビッグと名前にあるのが基本でその名称の場合Eランクでしょ。それが、アサシンと言う名称が名前に付くとビッグから1ランクアップだから、より厄介になっている」
「どんなふうに?」
「全体的にステータスが上がっているから、丈夫になったり動きが素早くなったり。
それだけでは無く感知力とかも上がるから、アサシンスパイダーは糸を使った感知により、偽装スキルによる隠形が見破られる可能性があると思う。
アサシンマンティスの方は擬態が上手くなり、草や木への擬態だけでなく、ダンジョンの壁とかへも擬態が出来る様になり、油断していると奇襲されると思うよ」
ゲームだと、そんな感じの表現やメッセージが出て、奇襲できなかったり、奇襲をしてきたりがあったので、そう言うと「そっか。索敵をシッカリしないと危険なんだね」とマドリーンが言って来る。
「ああ。それは何処でもそうなんだけどね」
「は~。やっぱり、斥候系の力が欲しいけど」と、マドリーンはまた神酒の使い道を悩み始めるが。
「だろうね。と言うか、まだ決めていないんだ」と聞くと。
「……、一度全員で時間を作って話しましょ。と言うか、もう一度ヨシマサちゃんの意見をちゃんと聞かせてよ」
「了解」との返事をした処で地下三階が見えて来た。
地下三階へ入ると、まず居るのは迷宮内に縦横無尽に蜘蛛の巣を作ったアサシンスパイダー11匹の群れ。
う~ん。
確か、ビッグスパイダーが高速火矢で倒せず、粘着火矢は時間が掛かり、爆裂火矢や火槍なら一撃で倒せたんだったかな。
と言う事で、とりあえずノーマルの火槍を10発撃ち込む。
すると頭部を破壊された10匹が戦利品に変わって行く。
Dランクになっても火槍なら倒せるのか。
と言う事で、一匹残ししていたアサシンスパイダーに爆裂火矢を撃ち込むと、爆発でダメージは与えている様だけど威力不足で一撃では倒せない。
しかし、こちらを感知出来ずウロウロしている処に追加の爆裂火矢を4発ほど撃ち込んで倒す。
残っている蜘蛛の巣は、生活魔法とか火魔法の着火とかで火をつけると燃えてくれるので楽だ。
だけど、それを感知したアサシンスパイダー達が裁縫スキルで出来る様に糸を火に強く強化したりされると厄介かも。
まあ、火に対して強化された蜘蛛の糸とかで攻撃してきたら、魔物の持っている程度の低い武器とかで巻き取ったりすれば良いのかな。
そう思いつつ次のアサシンスパイダーの群れに向かう。
次は、高速石矢と高速氷矢だけど、一撃では倒せなかった。
まあ、口とか目とかの弱い部分に命中させられるとダメージは与えられる様なんだけど、それ以外の場所だと完全に弾かれている。
と言う事で、ノーマルの石槍と氷槍で倒してみると、一撃で倒せてホッとする事に。
でも、Cランクになると、強化した槍系でも倒せないって事がありそうで湯鬱にはなったけどね。
まあ、消費MPを増やせば、もっと強化はできるんだけど。
EランクからDランクにランクアップした蜘蛛の魔物。
Dランクなら倒せそうですが、よりランクアップした蜘蛛の魔物の事を考えると、主人公は憂鬱になるようです。




