第18話 成長の加護の恩恵
主人公は、始まりのダンジョン中級の攻略を始めるようです。
始まりのダンジョン中級へ向かう階段を下りる。
壁が薄っすらと光っていて照明が必要ないのはありがたい。
そして辿り着いたダンジョンも、明るく明かりは必要ない。
暗いダンジョンの場合は、松明とか魔石ランプとか生活魔法の照明とかを使うんだけど、魔物や盗賊にここに獲物が居ますよと教える様なモノだから使う時は注意すべきと親父から聞いている。
ゲームだと、周りが見える様になるだけだったんだけどな。
さて、近々の目標は全ての2級職をレベル上限の20にして3級職へ転職可能になり、その3級職を極めて行く事か。
昨日に比べて敵は強くなり一匹当たりの獲得経験値は増えているし、取得経験値は10倍になるし、2級職を極めるのはあっという間だとは思うが。
でも、ここに居るのはEランクの魔物。
本来なら3級職になっている事が討伐目安だから、油断はしないでおこう。
階段を降り終える前に、ずっと付いて来ていた俺の従魔スモールシープのメルに従魔影侵入で俺の影に入ってもらう。
メルにどの程度の時間は入っていられるか、快適なのか、とか聞かないとな。
気持ちに余裕が無かったからメルへの配慮が足りなかった気がする。
そう反省しつつ迷宮状のダンジョンを進むと、最初に居たのはゴブリンファイター。
剣と盾を持っている。
こちらに気が付き、「キシィ」と声を上げ殺気を放ちながら向かって来るので、火矢を撃ち込む。
うん。
盾で防ぎやがった。
次は、2発発生させ火矢を撃ち込む。
左右から挟み込むようにイメージして撃ち込んだら右側は防がれたが、左側は頭に命中。
狙いが甘かったのか、頭を大やけどした感じだけど致命傷にならなかった様で、まだ向かって来るので、更に火矢2発を撃ち込むと、剣と盾で撃ち落とそうとして剣の方で失敗をし、今度は致命傷となったようでその姿が掻き消えた後、魔石が残った。
後は、持っていた鉄の剣と鉄の盾も落ちているか。
それをバックに入れて来ていた紐でくくって1つの塊にして格納箱に入れ、ステータスウィンドウを確認すると、職業経験値が5万ちょっとになっている。
そう言えば、とステータスウィンドウ内のログを確認すると、ゴブリンファイターを倒した時に職業経験値を3万程取得している。
ゴブリンファイターの職業経験値が3000で、それが10倍になっているのだろう。
これなら、LV20になるのに必要な44万ちょっとの経験値には直ぐに到達する。
後は、MP不足にならないように注意かな。
そう思いつつ、とメルを呼び出す。
「メル。影の中にはどのくらい入っていられる?」
「メェ~」
お腹は空くけどずっと入っていられるよ、って言っている気がする。
「トイレは大丈夫なの?」
「メェ~」
決まった場所ですると消えるから大丈夫、って言っている気がする。
「影の中は広いの?」
「メェ~」
良く分からないんだ。
分からないと言う事は、狭くはないと言う事だし、大丈夫か。
メルに向かい従魔ステータスと念じると、表示されるメルのステータス。
うん。
従魔影侵入スキルを使用したけどメルのMPは減っていない様だし、ずっと入っていられるのか。
後は、俺が得た経験値3万の10分の1の3000取得して現在レベル7か。
スモールシープのレベル上限は10だから、直ぐになりそうだな。
そこからは、従魔進化をさせられないと強く出来ないから、もっとゆっくりでもいいくらいだけど、まあいいか。
そう思いつつ、メルに影に入ってもらい、感知スキルが捉えた次の獲物に向かう事にした。
主人公は、成長の加護のお陰で、次の目標である2級職全てでレベル上限になる事は直ぐに出来そうです。




